Episode.3 EIN

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………とまぁ、いろいろあったが無事に自己紹介も終わり、今は理緒が淹れたコーヒーをみんなで啜っている。



「うーん………それにしても理緒ちゃんの淹れるコーヒーは美味いな」


「こんなに美味しいコーヒー飲んだのは初めてだよ!」



どうやら孟と亨多も理緒の淹れたコーヒーを気に入ってくれたようだ。



「ふふっ………ありがと」


そんな孟と亨多を見て理緒は、はにかむように笑う。

うん、やっぱりこの人は笑顔が似合うな。



「ん?どしたのショーリくん?」


しばらく理緒の表情を眺めていたら視線に気づいたのか理緒はこちらを向いて首を傾げる。



「あぁ………コーヒーおかわりで」


なんか照れ臭くなった俺はコーヒーを飲み干すと空になったマグカップを差し出す。

理緒はマグカップを受け取るとビーカーに残っていたコーヒーを注いで俺に渡す。



「ふっふっふっ………さてはボクに惚れたなぁ?あっ、でもダメだよ?二股は」


「アホか!誰が二股なんてするか!
二股サイテーだこのやろー!」


「だって君、ノエルちゃんの事も…………」


「わーーーーーーーー!
言うなーーーーーーーーーー!!!」


慌てて身を乗り出し理緒の口をふさぐ。

当のノエルはというと不思議そうな顔をしていた。

シックで落ち着いた雰囲気の店内には似つかわしくない小学校の休み時間のようなやり取り。




それでも心のどこかで『楽しい』と感じている自分がいる。



俺のような奴が望んではならないのは知ってる。
でも、願わくばこんな平和な時間が続きますように………。




しかし………そんな時間は長くは続かなかったのだ。




「いらっしゃいま………」


「た、助けてください!」


突然店内へと入ってきた少女によって平和な時間は終わりを告げたのだ。

そしてこの少女が新たなる戦いを引き起こすことになろうとは…………今の俺には知る由もなかった。


(続く)
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