Episode.3 EIN

「………ったく」


おもちゃのベルトを外し、輝に返すと頭を抱える。

……こいつらのテンションにはついていけん。



「勝利………」


すると部屋の隅の方から声が聞こえてくる。

まだ幼さを残すが、聖母のような優しい声。ずっと聴きたかった声。




「ノエル………!」


声が聞こえてきた方を向くとそこには理緒からもらったブラウスとミニスカートに身を包んだノエルがいた。

こないだ貰ったばっかなのにもう着こなしてる。
やっぱりこの子はすげぇや。

俺は仲間に彼女たちのことを紹介する事も忘れ彼女の元に駆け寄る。



「ノエル、久しぶり。元気だった?」


「うん」


「ちゃんとご飯とか食べてる?」


「うん」


やべぇ、いざとなったらまともな会話が思いつかん。

なんか気の利いた話題を………



「おっ、ショーリ!誰だよその子!めっちゃ可愛いじゃん!

あ、俺鈴村 孟ね。よろしく!」


「ボク様は神谷 亨多ね!」


「てめぇら!!」


あれこれ考えてるうちに孟と亨多までこっちにやってきた。

こいつら邪魔しに来たな………!



「ホラホラ下がった下がった!」




ノエルと2人の間に割って入ると2人を押しのけ………







「ノエルにちょっかいかけてみろ……俺が貴様らをムッコロス!!」


「「「「「ムッコロフェイスやめーや」」」」」


まさかノエルを除くこの場にいたほぼ全員にツッコミを受けることになろうとは。

俺、今そんなに酷い顔してた?
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