Episode.1 VALZ

俺はクリスマスが大嫌いだった。





暖かく燃える暖炉の火。綺麗に飾られたツリー。そして街中に響き渡る笑い声。





全てが鬱陶しかった。





クリスマスなんてなくなってしまえばいいと思う。





決して彼女がいないから嫌いだとかそんな理由じゃない。





実際、9回目のクリスマスまでは楽しかったし大好きだった。















だが10回目のクリスマスの日………俺は母さんを失った。
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