Beside you....
ねーむちぇんじ
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何年か前に、りょーまくんのパパとママから、りょーまくんには濃いめのグレーの生地で赤色のリボンをつけて左足裏に青い刺繍糸で“Ryoma”と筆記体で縫われたテディベアを。
わたしにも同じように、バニラ色の生地で茶色のリボンをつけて右足裏にピンクの刺繍糸でわたしの名前を筆記体で縫われたテディベアをもらった。
りょーまくんはぬいぐるみとか好きじゃなかったみたいで、気持ちだけもらっとくってことで二体のクマはわたしの部屋にいるんだけど…
『ねぇねぇ、この子、わたしだと思って持っててよ』
わたしがもらったバニラ色のクマをりょーまくんに渡した。
「なんで?」
『リョーマくん、ニホン行っちゃうでしょ?だから、会えなくなるでしょ?さみしいから持っててよ』
「…わかった」
『だいじにしてね』
「あんたも俺のクマ、俺だと思って大事にしてよね」
空港でわたしがそう言ったら、ちょっと困ったような顔をしたけど、わかったって持ってってくれた。
りょーまくんのクマはりょーまくんだと思って、ちゃんとだいじにするです
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ある日、由衣から電話がかかってきた。
《りょーまくん、今からニホン行くね!》
電話越しに聞こえるおっとりした喋り方と懐かしい声。
俺は「待ってる」とだけ言った。
そして今
由衣がの家… 俺の部屋にいる。
『りょーまくん、元気だった?』
「まぁ、それなりにね。由衣は?」
『元気だったけど、元気じゃなかったよ…』
「そ。まぁ、由衣だしとーぜんか」
『……ねぇねぇ、クマは?』
「テディベア?」
『うん。ちゃんとかまってあげてる?』
「俺からはかまってないけど、クマがかまってって言ってくるけど」
『ぬいぐるみは喋らないよ…?』
「このクマ、コロコロするんだよ
かまってって言ってるみたいにさ」
そう、由衣のクマは俺が何かに没頭してるとき、寝ようとしてるとき、いろんなときに、ぽすんっぽすんっと倒れてくる
かまって欲しいって言ってるみたいに
俺が気づくように音を立てて倒れたり、俺に当たるように倒れたり…
寂しがりで甘えんぼでかまってちゃんな由衣にそっくり
「このクマ、由衣にそっくりだよ」
『そーなの?』
「うん。だからちゃんと大事にしてる」
『そっか…ならいーです♡……えへへ〜』
由衣は嬉しそうに俺のクマを抱きしめて、頭を撫でたりしてた
そしたら、由衣のクマがぽすんっと倒れてきたから、俺はクマと由衣の頭を撫でた
由衣はもちろん、クマもこころなしか嬉しそう
……ほんとにそっくり
「由衣はこいつになんかしてんの?」
俺は由衣が抱いてる俺のクマを指さして言ってみたら
『え…』
聞かれるとは思ってなかったのかマヌケづらして情けない声を出した
「…もしかして、こいつのことガツガツ殴ったり」
『え!?してないよ!』
「じゃあ蹴り上げたり?」
『そんなことしないよ?!』
「…ジョークだよ」
『ふだんそんなのしない人がするとジョークに聞こえないです…』
「で、どーなの?」
『1日も離れなかったです』
「うん」
…そーだと思った。
由衣が俺と離れてへーきなハズないし
『いっしょにお風呂にもはいったよ!りょーまくんが好きなニューヨクザイいれたの
あと、毎日いっしょに寝たり、ちゅーしたり』
「……」
『……りょーまくん?』
俺にはしてくれないのに…
ずるいな、こいつ
なんて思った
「あんたはずるいね」
濃いグレーのクマを見ながら言った。
『……?』
「いっしょに寝るのも、キスも、俺でもしてもらえないのに、こいつはキスしてもらって、抱き締められていっしょに寝るんでしょ?
それも毎晩。」
そんなのずるいや…
クマの頭を軽く叩く。
『…りょーまくん、ヤキモチかわいい……えへっ…へへっ……えへへへへっ…』
「…笑うな」
『だぁって〜…えへ〜』
「……にゃろう」
『えへへへ〜』
「今日はクマじゃなくて俺とキスしていっしょに寝てよね」
『………しかたないなぁ
甘えんぼのりょーまくん♡』
「うるさい。甘えんぼとか言うな」
ほんとは、毎日がいいけど
それは身が持たないから…今日だけ
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