Beside you....
ねーむちぇんじ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『りょーまくん、りょーまくん』
「ん?」
『これ、何です?』
「あ…」
由衣が手に持ってるのはくっきりキスマークがついたシャツ。
白だからよけいにキスマークが目立つそのシャツを、驚くほど綺麗に笑いながら持っている
これはヤバい…
観てたDVDを停めて説明しようとしたら
『ここに来なさい!』
「あ…」
『黙って!』
すでにブチギレてたので黙って従った。
『せ!い!ざ!な!さい!!』
「…スンマセン」
ブチギレてる由衣をとめる術をしらない俺にはどうにも出来ない。
まぁ、原因は俺だしとめようとかそんなことも思わないけど
由衣とは、俺が高校3年の頃たまたま中等部のテニス部を覗いてみようと思ったはいいけど巨木が懐かしくてそこで一休みしようかと思って近づいたら、その頃中三だった由衣が猫と遊んでたのを見かけたのがきっかけで出会った。
お互い猫好きで、ちょこちょこ俺も中等部に来て由衣といっしょに猫と遊んでるうちにそういう関係になって、今じゃ結婚前提の同棲中。
俺はテニスプレイヤーとしていろんな場所でいろんな相手と試合して、今のとこ負けなし。
由衣は基本的に俺に甘く、俺が何も言わないことをいい事にベタベタ甘えて来る。由衣とはたいした喧嘩もなく、正に公私ともに順調。
なんだけど、
昨日、元青学レギュラーのみんなと呑んでたとき誰だったかが連れて来た女の人に絡まれてついたキスマークが原因で由衣がキレてる
キレてるって言っても、こんなことじゃ別れ話にもならないけどね。
俺より由衣のほうが惚れ込んでる自信あるし
『説明なさい!』
「昨日の呑み会で元レギュラー陣の中の誰だったかが連れて来た女の人に絡まれてつけられただけ」
『……』
ジトっと見られても嘘はついてない。
まぁ、あの女の人、彼女がいる人が好きとか相手がいる人を好きになるタイプみたいだったから、面倒でその人を無視して不二先輩と話してたから気づいてないだけで他にも付いてそうだな…
「…絡まれただけって言っても、そういうのはもう二度とさせないから
ごめん…」
由衣のジト目に耐えれず素直に謝った。
あんがい、俺のほうが、由衣に惚れてるのかもしれない
『…』
「いや、あの…ほんとにごめん…」
前髪で顔が隠れてて顔が見えないから何考えてんのかぜんぜんわからない
「由衣…」
『…りょーまくん、ネットとか周りからなんて思われてるか知ってるです?
“生意気な態度が可愛い”とか“本気になったときのギラついた目が色っぽかっこいい”とか“クールなとこがかっこいい”とか…』
「由衣…?」
『お黙り!』
「…っス」
『“付き合ってる女ウザい”と…っ!?』
自分でも驚くような速さで目の前に立ってる小さい体を力いっぱいに抱きしめた。
と同時に殺意に似た感情が湧いた
「ほんとにごめん。」
なんで周りが由衣と付き合ってるのか知ってるのかは、デートで行った猫カフェで遊んでるところと帰ってるとこをパパラッチに撮られて週刊誌に載ったから、正式に発表した。
遅かれ早かれバレることだから、ならいっそ言ってしまえばコソコソしなくて済むだろうと思ってたけど、由衣にアンチが来てるなんて知らなかった。
昨日の呑み会で不二先輩や菊丸先輩が口を揃えて気をつけてと言っていたのは由衣のことか…。
二人は知ってたんだ。
二人だけじゃない、恐らくあの場にいた俺以外はみんな知ってたはず。
ほんとにごめん。
『…してくる人はしてくるんです、いくらりょーまくんが二度とさせないと言ってもっ!』
「うん」
晩、由衣を抱き寄せて頭を撫でながらいろんな話をしてたら由衣が寝たので、エゴサーチっていうものをしてみた。
「お前ってエゴサしねぇの?」、「エゴサーチってけっこう面白いんだよ、越前もしてみなよ」と、前々から桃先輩や河村先輩から言われてたけど、今日はじめてする。
してみればいろいろ書いてあった。
いい事ばかり書かれていたわけじゃないけど、それより俺が気になって仕方ないのが由衣への書き込み。
“越前ってあんなちっさいのと付き合ってんの?ロリコンじゃんwww”
“は?何あの女ウザ”
“リョーマくんと付き合うとか事故って死ねばいいのに”
とか、見たことを後悔するようなものもぞろぞろ書かれてあった。
由衣がこんなのを目にしてたら…
由衣はまだ大学生だから、大学で何か絡まれたりしてないか…
そんなことを思っていたら、さっさと結婚してしまって必要以上外出させないようにしたくなる。
1/3ページ