．



《あ、あー、待たせたなあ！この勝負慎んで受けさせてもらう》

《感謝……！》



オルガの答えにクランクは力強い一言が帰ってきた。それを聞いたオルガは、おめーら準備しろ！と皆に指示を出している



「ミヤ！帰ってきたらちゃんと話せよ！」

「待ってる」



準備が整って紅月に乗り込もうとした時、オルガと三日月が声をかけてきた。
振り返れば2人は笑っていて、なんだか申し訳ない気持ちで一杯になり、涙が出そうだったが、そこはぐっと堪えた



「ありがとう。三日月！オルガ！」



ミヤビは紅月に乗り込み、クランクの元へ向かった



「ギャラルホルン火星支部実働部隊！クランク・ゼント！」

「えっと、CGS参番組、ミヤビ」

「ミヤビ？お前もしや…いや、今は止そう。参る！！」



お互いの自己紹介が終わると、クランクは前に出た。ミヤビも同時スタートで前に出た

少しぎこちないが、ここまで動くなんて…それにリアクターも軽くなってる…まさか！


クランクは勢いよく斧を振りかざし、ミヤビも太刀を振りかざした。ガキィーンと大きい金属音が鳴り響き、衝撃で突風が吹く


ミヤビは太刀を構え直し、切っていくがクランクは、盾で防御する



「そう言えば、決着ってどうつけるの？どっちかが死ねばいいの？」

「その必要はない！」



クランクはミヤビのほんの少しの隙をついて斧を振りかざす。
ミヤビは太刀で受け止めた



「コーラル、いや元々こちらが欲していたのはクーデリアの命だけ。大人の争いのために子どもが犠牲になることは無いんだ！」

「今更何言ってんの？散々殺しといて…！」



クランクは斧に力を込めて太刀ごと切ろうとしてくるが、ミヤビは右足でクランクを蹴り飛ばした



「まあ、もういいや。やっと手に入れたんだ！仲間ってやつを！！」


ミヤビは空高く飛ぶと思いっきり太刀で切るが、クランクは盾で防御するものの、ダメージを負った盾はその場で崩れてしまった


ミヤビはチャンスと言うように、ブーストを使いながら瞬時に動いていく。その時必ず太刀でヒットさせていく

クランクは必死にミヤビの動きを追うがついて行けなくて、逆に隙を与えている



「これが、子供か！？」

「そんじょそこらの奴と一緒にしないでくれるかな？こちとら、命張って生きてきたんだ！」

「ぐっっ！！」



クランクの左腕にミヤビの太刀が刺ささる
クランクは刺さった太刀を下から、斧で振り上げ太刀は２つに折れ
片割れはオルガ達の方まで飛んでいった。ミヤビは後ろに引き、しゃがみ込むとすかさず、クランクは高く飛び斧を振りかざす



「うぉぉぉぉぉー！……なに？！」



ミヤビはタイミングを計り、先ほどクランクに折られた太刀が再生したように伸びて
ミヤビはコックピットを突いた。そのまま立ち上がり、機体の顔を鷲津掴むとそのまま地面に叩きつけ、太刀を抜いて拳を作り一発入れてやった



「うっ…うぅ……、く…、…本当に子共なんだな…」

「ねぇ、俺が勝ったら何くれんの？あんた言わなかったでしょ？正直ムカついたんだ」



ちょうど拳をコックピットに入れた時に装甲が剥がれ落ち、コックピットの中が見えた。ミヤビは紅月とのリンクを取ると、コックピットから出てきた


「ふっ。すまない…馬鹿にした、訳じゃないんだ。

その選択を俺が持たなかった……。それだけだ…俺は、上官の命令に背いた…、何の土産も無く帰れば俺の行動は、部隊全体の問題になってしまう……。

だが、ここで俺が終われば、責任はすべて俺が抱えたまま…っうっ！がはっ！」

「無理して喋んなくていいよ」

「すまんが、手を貸してもらえないか…？」



ミヤビはいつも持ち歩いているナイフをケースからだした。



「俺はもう……、自分で終わる事すら出来ない…」



ミヤビはナイフを器用に操り、指で遊ばせながらクランクを見つめていた。
が、暫くして軽く飛び跳ねると、驚く速さでクランクのコックピットまでたどり着く。
クランクは微笑んで



「ありが……」

「安らかに眠れ。クランク」



ミヤビはクランクの言葉が言う終わる前にナイフを心臓に突き刺した。
ミヤビは一言クランクに伝えると、クランの目を閉じた