●●しないと出られない部屋
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「なんだ、此処は。」
『何此処。どこ。』
真っ白な部屋の中にいきなり場面が変化した。
隣には同級の仙蔵もおり2人して状況が今ひとつ理解していない。
「なんだ、名前も居たのか。」
『ゆっくりくつろいでいましたよ。てゆうか仙蔵もなんで此処にいるの?』
「ふむ、それが分からんのだ。気付いたら此処にいた。」
『ふーん。出口は何処?早く部屋に戻りたい。』
「向こうにあるにはあるが、開かんのだ。」
『えっ、何で?』
「見てみろ。」
『あっ、何か書いてる。』
((部屋を出たければ接吻せよ))
「つまりそういう事だ。」
『………成る程。』
「で、お前はどうする?」
『えっ、これ仙蔵と私の事なの?』
「此処には私とお前しか居ない。お前以外誰とする?」
『おっしゃる通りです。困った。』
「……お前が良ければだが…。」
『そうだね。取り敢えず一回この扉ぶっ壊してみようか。』
「そうか、それなら…はっ?」
『私と仙蔵ならどうにかなるでしょ。仙蔵、焙烙火矢ある?』
「ある。って事ではなく!」
『えっ、でもやってみないと分からないでしょ?』
「お前、冷静すぎじゃないか?」
『だって早く出たいもん。』
「お前らしいな。」
それぞれお互いの得意武器を使用して扉の破壊に試みるがびくともしない。壊し始めてからどれくらい経ったのだろうか。
『駄目だ。開かない。』
「焙烙火矢でも壊れないとは。この扉頑丈だな。」
『あーもー。どうしたらいいの。』
「待て、まだ試してないのがある。」
『何!』
「接吻だ。」
『えっ』
「腹括れ。名前。」
『いやいや。でも接吻って恋仲とするものでしょ?私と仙蔵じゃ違うって。』
「そんなに私とするのが嫌か?」
『仙蔵だから嫌とかじゃなくて、、』
「私はお前としてみたいがな。」
そう言い近寄ってくる仙蔵。仮にも同じくのたまから絶大な人気がある仙蔵と接吻をしたと広まれば何されるか分からない。寧ろ後輩とはいえ恨みを買いたくない。段々と距離が縮まってくる。寧ろ近すぎて何か恥ずかしい。
『仙蔵、仮にもこの事がばれたら私が想像以上に危うい状況になるのですが。』
「その時は私も一緒に対応しよう。」
『私、好きな人います。』
「お前の普段の阿保面を見てたらそんな奴はいないだろう。」
『なんで分かるの!』
「そろそろ黙るんだ。それとも強引にされたいか?」
そう耳元で囁かれると思わず背中が身震いし耳に熱が帯びる。仙蔵に対して?馬鹿な。そんな風に思った事なんか一度もないのに。耳元に仙蔵の唇が触れる。
『っふぁ……。』
「覚悟決めろ。」
『えっ……ちょっ、待っ!』
カチャ
『「え???」』
視界の端の扉が開き空を描いてる様子が分かる。そっかさっき耳元で唇があたったからあれがカウントされたのか。
『……開いたから仙蔵離れようか。』
「…あぁ。」
少し残念そうに離れる仙蔵。見間違いかな。でも危なかった。もう少しで華やかな学園生活に血を見る所だった。でも扉を開く為に接吻するのは悪趣味もいい所だ。誰だこれ作った奴。腹が立つ。仙蔵の耳が赤い。腹が立っている証拠だろうな。
暫くこの出来事はお互いの秘密になり中々共有出来ない物となった。
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