予算会議に挑みましょう
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『八、あの資料を持ってきて!』
「はい!」
『兵助、この物品は本当に必要?』
「……これはまた新しく請求されてます。」
『これ把握しとかないと。』
委員長代理を引き受けてから動きは早かった。まず安藤先生を含め顧問の先生方に許可を貰い引き継ぎを行った。過去に例外が無かった為、火薬委員の顧問の土井先生、生物委員の顧問の木下先生に心配はされたが以前纏めた資料を再度修正打ち合わせをし提出、先生方まで確認し許可をもらうまでそう時間はかからなかった。
「ではこれから予算会議を始める!」
全委員会が安藤先生の長屋に集まり文次郎の開始の声で予算会議が始まる。今回火薬生物委員は連続で行うように順番を確保し出番になるまで近くで待機となった。くのたまの参加が珍しいからか人の目が集まる。一番手の小平太率いる体育委員が予算を取れないまま退場。そのままの流れで火薬生物の順番になった。
『二番手、本日火薬委員長代理苗字名前!予算に対して物申す!』
「なっ!何故お前が参加なのだ!名前」
『今回は特例!先生方から許可は頂いているわ!』
「な、なんだと!」
『文句は言わせない!』
「そんな、名前先輩が火薬生物の味方だなんて!」
文次郎から最もな意見が飛び交い会場内が騒つく。こうなるから黙ってたのよ。文次郎のこの表情堪らない。人間思いがけない事があると取り乱す。取り乱した文次郎を見て口角が上がり笑みを浮かべる。後ろに控えている兵助、タカ丸、三郎次、伊助が臨戦体制をとる。
『我々が提出した書類では予算は可能な筈!なぜ削る必要がある?』
「それは……」
『不必要な物はない筈。』
「お前らだけ予算を通す訳にはいかないのだ!」
『ほぉ、では内容に納得していると?』
「………」
『沈黙は肯定と捉える。……予算通せるわよね?』
「……ッくそ!!!」
予算案に印が押され周囲から歓声が上がる。ひとまず火薬委員の予算は確保。肩の荷が下りたようにほっと撫で下ろす。でもまだ生物委員が残っている。生物委員は度々毒虫を逃したりするからその分余計な予算がかかる為正直難しい。
『それでは生物委会員代理もいかせてもらう!』
「生物もか!!!」
二つの委員会委員長代理を連続で行うのは体力気力が必要だ。でもこの勢いで行かせてもらう。
生物委員は孫兵の毒虫の管理世話が多く学園の毒虫を上回っているのが現状だ。その分必要な道具予算が多く大分削減したがそれでも予算の許可が下りるか分からない。でも弱気になるにはいかない。
『三番手、生物委員いかせてもらっ!……‥何?』
「そんな連続とはずるいだろう。名前。」
『仙蔵………やるわね?』
「あぁ、こちらも予算がかかっているからな。」
『でもこの順番は許可もらってるわよ?』
「だが私達の許可はもらってないだろう?」
『……それはそうね。』
今にも始めようとすると作法委員より生首フィギュアが飛んできて受け止める。邪魔をする気満々じゃない。それを皮切りに各委員会からも野次が飛ぶ。
「ほかの奴らも不満の様ようだ。」
『ふっ。うるさいわね。』
「それにずるいぞ。なんでお前が火薬生物の委員長代理なんだ。」
その言葉に兵助と八左ヱ門が明らかにビクッとする。そんな態度に出るとバレるわよ。後輩の様子を庇うように説明する。
『これは、まぁ縁でね。』
「なら私達にも縁があるだろう?』
『いや、六年の委員長が居る委員会は……』
『なら邪魔をするしかないな。』
『……ならこちらも致し方ない。』
お互い懐に忍ばせている焙烙火矢、苦無を構えようとすると文次郎の静止がかかる。
「待て待て!今は予算会議中だ!乱闘はよそでやれ!」
『仙蔵。今は文次郎の言う通り。また改めましょう。』
「ふっ、文次郎に救われたな。」
『お互いね。』
互いの武器をしまい視線を交わし長家を後にする。ひとまず火薬委員会は終わり次の生物委員会の予算確保の案を練る。