予算会議に挑みましょう
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学園全体が騒いでいる。それはそうだ。今日は各委員会によって行われる予算会議、通称合戦が始まる。会計委員の潮江文次郎を長に各委員会が予算を通そうと躍起になる日だ。
「苗字先輩!今日は僕らと一緒に予算会議に参加して下さい!」
『私、委員会に所属していないから参加するのは難しいよ。』
朝から各委員会の後輩達から声が掛けられる。それはそうだろう。今まで補助で参加してきた上、上級生が居ると予算は取りやすく会計委員長を説得できるからだ。しかし今までくのたまは補助として委員会に参加することは出来ても委員会に所属することはできない。参加は認められないのだ。
「お願いします名前 先輩!俺達だけじゃあの潮江委員長には勝てません!」
「俺も下級生しか居ないし委員長代理では敵いっこありません!」
『兵助……八……。』
五年生で火薬、生物委員長代理である久々知兵助、竹谷八左ヱ門に泣き付かれてどうしたものかと考える。
確かにあの文次郎に物申すのは難点である。でも他の委員会と比較して正式な委員会活動をしているから予算は通りやすいとは思うけど。小平太が長をしている体育委員会は別として。
『でも貴方達みたいに委員会の事詳しく知らないよ。』
「お言葉ですが先輩それは違います。」
「以前僕らの代わりに予算の進捗状況を確認してくれてましたよね?」
『あぁ……何か数字的な物を見たような気がするね。』
「あれは本来、委員長が取り扱う代物です。」
あれか。何か書類が乱雑になっていたから興味本意で見て綺麗にしたんだっけ。そんな大事な物だとは思わなかった。
『ごめんなさい。あれ気になって触ってしまったわ。』
「いえ、あれですね僕達が後で見直したら予算の訂正、資料、管理方法まで綺麗に纏まっていました。」
『えっ。』
「あれは補助などでは到底出来ないんです!」
「所属していないにも関わらず完璧でした。だから名前 先輩には僕らの先頭に立って欲しいんです!」
余計な事をした自分に後悔の念が押し寄せる。後輩二人から期待の目が寄せられ断るに断れない雰囲気になってしまった。どうしよう。でも過去に例外がないんだよね。そうやすやすとくのたまが参加する事が許されないし。そう頭を抱え込んで考えていると学級委員長委員会の鉢屋三郎が通りかかり話しかけられる。
「あれ、名前 先輩。どうしたんですか?兵助に八左ヱ門まで?」
『三郎助けて。』
「三郎!お前来るなよ!せっかく名前 先輩を勧誘しているのに。」
「そうだそうだ!」
「はっは!でも困ってるじゃん。名前 先輩、僕ならお助けできますよ。」
『ほんと?』
「えぇ。だって先輩くノ一教室の学級委員長じゃないですか。」
『「えっ!?」』
鉢屋三郎から驚愕の事実が発生した。くノ一教室に学級委員長委員会なんか存在したかな。私初めて聞いたけど。
『待って三郎。私それ今初めて聞いたけど……。』
「え、だって名前 先輩くノ一教室の上級生でしかも六年生って先輩しかいないでしょ?だから実質的にそうなりますよ!」
確かにそうだけどそれで簡単に学級委員長になれるのだろうか。あぁ余計に頭が混乱してきた。でももう今更どうにもならないのだ。
『それなら前から学級委員長委員会から声がかかってるでしょ?それに今更よそんな事。』
「それなら先輩!引き受けてくれますか!?」
「先輩お願いします!!!」
頭を下げる兵助と八左ヱ門。それに後輩達の期待の眼差し。でも可愛い後輩のお願いには逆らえない。
『…………ふぅ。………今回だけよ?』
「「え!……っ宜しくお願いします!!!」」
そう返事をすると二人して手の平を合わせ歓喜する。
可愛い後輩だ。それなら期待に応えならねばならない。気を引き締めて行きますか。
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