五年生対六年生
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『やっと着いた〜。』
やっと裏山に到着した。後ろを振り返るとまだ六年生達は追いついていない。ここからどうやって巻こうか頭を悩める。
「よし、裏山に到着したぞ。」
「そしたら手分けして探そうか。」
「じゃ、手分けしてを探すぞ!」
「「おう!!」
それぞれ同室同士で分かれる。い組の仙蔵、文次郎。ろ組の小平太、長次。は組の留三郎、伊作。さすが同室同士。無駄のない動きで疾風の如く宝を追う。
「う〜ん留三郎、名前はどこに居ると思う?」
「さっきみたいな木々の上にはもう居ないだろうな。あいつも馬鹿じゃないから同じ手段はしないだろう。」
「それもそうだね……わぁ!!!っ〜〜留三郎助けてくれ〜〜。」
「ばかっ!伊作!早速罠に引っ掛かってんじゃねぇよ!」
「うわ〜〜不運だ〜〜!」
((パチンッツ))
『おっ、誰か引っ掛かった。』
罠を仕掛けた甲斐があったようだ。あの罠に掛かるのは伊作ぐらいかな?でも伊作の近くには留三郎がいる筈だから二人が追い付くのはまだ時間が掛かりそうだ。
『五年生の気配がしないという事はまだ来てないのかな。』
六年生の殺気立つ気配とは違うものはまだ寄ってくる気配がない。
『特に決めてないしどうしようかな?』
ふと側を見ると大きな山がそびえ立つ。登る?
「ただ闇雲に動いても勝てない。」
「じゃ勘右衛門とヘムヘムが名前先輩の動きを突き止めて他の五年生が六年生の足止めをする。」
「いんじゃないか?」
「それでいこう!」
「簡単ではないけど六年生に勝ってみたい!」
「「勿論!!!」」
「どうだ、仙蔵。」
「どうもこうもない。あちこちに足痕が散乱している。」
「もう少し上の方も探してみるか。」
「この先は行かせません!」
「竹谷!久々知!」
「と言う事はこの先に名前が居ると言う事かな。」
「「ぐっ!!」」
「行ってろ仙蔵!!」
「分かった。」
「そうはさせない!」
仙蔵の前に久々知が立ち塞がるがそれを見過ごす文次郎ではない。文次郎の持つ袋槍が久々知を襲う。すかさず竹谷がフォローに入り文次郎の袋槍が宙を舞う。そこに久々知が寸鉄で応戦するが流石は会計委員会委員長。10kg算盤にて攻撃を防ぐ。
「何っ!!!」
「おおーっ!!」
「くそっ!」
「ふっ、火薬委員会、生物委員会にも予算は渡さん!」
「「今頃予算の話をしないでください!」」
「おーい、名前ー出てこーい!」
「もそ……一体どこへ。」
「おーい、名前はあっちに居るそうだ!行こう!」
「仙蔵!…そうか。……お前鉢屋だな?」
「なっ!……いや〜バレてましたか。」
「…………先程まで向こうに居た仙蔵がそんなすぐに我々に追いつける筈がない。」
「流石は六年生方。見かけ上には騙されないか。」
そんな鉢屋が変装を解く。
「ここにはお前だけという事はないな。」
「そう、不破雷蔵もいますよ。」
長次の背後に双忍の相方不破雷蔵も現れる。
「もそ……雷蔵やる気か…?」
長次の不敵な笑みが五年生達を奮い立たせる。
「ここには気にする本などもありませんからね。」
「久しぶりに遊んでやろう!」
「俺達もう五年生ですけど!」
「細かい事は気にするな!いけいけどんどーん!」
小平太の苦無が鉢屋三郎を襲う。
「うーん、ここって裏山だよね?」
「その筈だが。」
「何で僕達こんな所に居るんだろう。やっぱり不運だから?」
「それを言うな!おっ!伊作あれを見ろ俺達不運じゃないぞ。
「えっ?……あれは勘右衛門とヘムヘム。」
少し遠くの大きな洞穴近くに尾浜勘右衛門とヘムヘムの姿を見つける。
「誰も気づいてないたいだね。」
「ヘムヘム!」
「えっ?……あっ!!食満先輩、伊作先輩!」
「どうやらこの中に名前が居るみたいだな。」
そう言うと洞穴を伊作が駆け寄り、その後をヘムヘムが追う。
「勘右衛門は俺と勝負だっ!!」
「勝負は良いですけど僕を先輩の不運には巻き込まないでくださいね。」
「俺は不運じゃねぇっーーー!」
その言葉を相槌に留三郎の鉄双節棍が勘右衛門に降り注ぐ。洞穴の中には伊作が名前の手拭いを見つけヘムヘムと外へ出て来た。
「留三郎ーー!中にこれがあったよー!」
「何!じゃあ名前は何処に?」
「まさか!上か!」
『そのまさかだよー。』
思わず声を出してしまった事に後悔する。
だって誰も見つけてくれないから寂しかったもん。
あともう少しで頂上と云う所で詮索している仙蔵に見つかってしまい思わず身震いをする。
「見つけたぞ!!!」
此処まで来たら後は体力勝負。必死に登る。
そうこうしていると頂上に登り詰め、五六年生も集まり全員集合となった。
「名前、こっちに来い!!早く!」
「名前先輩こっちこっち〜。怖くないですよ!」
『そんなの事言われてもどっちも顔が怖いよ!』
文次郎と平助に言われるがどちらも顔つきがいつもより怖いので行くのを躊躇う。
この宝探しもあと少しで終わるけど私も一応課題というものがある。どうやって捕まらずに課題をクリアできるか。
「やぁ、お困り事?」
そんな時にあのタソガレドキ城忍び組頭雑渡昆奈門が現れる。思わず想像していなかった人物の出現に驚いた声をあげる。
『雑渡さん!?何でこんな所にいるんですか!?』
「いや、丁度次の合戦準備の為に色々調査してた帰りになんだか必死な名前ちゃんを見つけてね。面白そうだから思わずおじさん跡つけちゃった。」
いい歳した大人がはしゃぐ姿も中々見ない光景である。
「あっ!くせものじゃないか!お前何でこんな所にいるんだ!」
五六年生達がそれぞれ騒ぎ出し得意の武器で戦闘準備をする。
「くせものは君達に興味なんかないの。あるのは此方のお嬢さんだよ。」
『雑渡さんこの状況で私を逃がす事ってできますか?』
「それは何か報酬はあるのかい?」
『背に腹はかえられません。やりますか?やりませんか?』
「いいねぇ、君のそういう所好きだよ。」
そう言うと雑渡さんは私の身体をひょいと持ち上げ、山の斜面を駆け降りて行く。
後ろでは五六年生の声が聞こえるが、雑渡さんの足には追いつかずあっという間に学園の敷地近くまで着いてしまった。後にこの五六年生の対抗が引き分けで終了したと審判の土井先生、山田先生から知らされた。
_______降りてる時のやり取り______
(雑渡さん!それやめて下さいよ!セクハラで訴えますよ!)
(これぐらいの報酬はないと割に合わないよね)
(言うまでもなく頬に接吻された事は誰にも言えない)
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