短編
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作法の名の下に
『仙蔵って何で作法委員会に入ったの?』
本日は同級生である仙蔵より頼まれ、作法委員会の生首フィギュアの手入れを頼まれた。手入れを始めてから彼此数時間は経過している。最初は談笑から始まり、実習などの話で盛り上がったが唐突に聞きたくなった。
「藪から棒だな。なんでそんな事疑問に思う?」
質問を質問で返された。コミュニケーションのやり取りって知ってるのかな。
『いや、数ある中の委員会だから少し気になってね。』
「ふむ……私が作法に入ったのは当時尊敬していた先輩に憧れていた事も関係があったがな。」
『へ〜、仙蔵が憧れるぐらいだから凄い先輩だったんだね。どんな先輩だったの?』
思いがけない返事があり、また更に聞きたくなる内容だった。
「当時私は一年生だったから、その先輩は六年生だった。私と同じい組でもあり、実に理論的で冷静なお方だった。」
仙蔵が話し始める。
「私は一年生ながら傲慢であった時期もあり、歳が近いせいかよく一つの先輩方には嫌われていてな。嫌がらせも受けることもあった。その時、制止に入ってくれたのが先輩だった。」
当時の仙蔵とは関わりが全くなかった為、どんな感じかは知らないが先輩に嫌がらせを受けるってのは相当だったんじゃないかな。今でも傲慢は健在だと思うけど。
「名前、今何を思った?」
読心術でもあるのか心が見透かされたみたいに思える。
『滅相もございません。』
「ふん、まぁいい。最初は忠告を受けると思ってその先輩に連れてこられたが、その場所が今いる作法室だった。そこで私は先輩から人として上手くやっていく方法や目上の人に対する礼儀作法や戦術の作法なども色々学ばしてもらった。」
確かに今の仙蔵は年上の人や後輩に接する姿は上級生でも立派なものだ。特にあの利吉さんや先生方の中に交え、率先して戦法の考案や話し合いにも参加している。
「忍びだけではないが、特に傲慢というのはあってはならないものだ。また自分の能力におごり、足元をすくわれる。相手の能力をみくびってはいけない。代表的な者で言ったら滝夜叉丸や三木ヱ門だな。」
あの二人は、元々の性格の影響もありそうな気がする。可愛い後輩には変わらないけど。
「だから私はこの教訓を得て、後輩達にも引き継ぐため作法委員にもなった。それだけだ。」
そう話し終えると同時に生首フィギュアを磨き終えた。
『仙蔵にそんな過去があったなんてね。確かにその教訓は後輩達にも伝わってると思うよ。貴方がちょっと傲慢であるのはそれだけ日々努力している証拠でもあるし、努力の元に自信が出てくるという事でもある。確かにおごりは禁物だけど、努力をしても自信がなければそれは何もできない事と一緒。それは今の仙蔵をみたら私でも分かるよ。まぁ全部を理解しているつもりは全くないけどね。私はそんな頑張ってきた仙蔵に憧れるな。』
作法委員会の後輩達をみると、あの子達ならきっと大丈夫だと思う。そう笑みを向けると仙蔵は少し頬を染め顔を背ける。色々言っちゃったし何かまずいこと言ったかな。
「と、とにかく私の話はいい。名前ありがとうな。手伝ってくれて。それともしお前が良かったら作法委員会に正式に入って私と委員会を支えてもらえないだろうか?」
『それは嬉しい誘いだけど難しいかな。私はただの手伝いだからそんな詳しく作法の事を知ってる訳でもないし、きっと仙蔵の足を引っ張っちゃうよ。』
「今みたいに隣にいてくれるのが良いんだがな。」
顔付きが真剣になる仙蔵に少し驚く。
そんな中、言葉を選び悩んでいると沈黙を破るようにやってきた後輩によりその静寂が破り去られる。
「せんぱーい。頼まれてた物をお持ちしましたよー。」
穴掘り小僧である綾部喜八郎が入ってきた。喜八郎ナイスタイミング。
『喜八郎!お邪魔してるよ。』
「なんだ名前先輩いたのですか。あと何ですかこの雰囲気?」
『いいや!何もないよ!そしたらここでお邪魔するね。』
軽く状態を整えて部屋を出て、扉をそっと閉める。
「先輩、何かありました?」
「いいや。特にない。大丈夫だ。」
その表情には笑顔があり、後輩は不思議そうに首を傾げた。
危なかった。あの表情に何かもっていかれそうだった。あの美顔にくノ一がきゃーきゃー言う理由が分かった。あれで世の女性は弄ばれそう。他のくノ一を敵にまわさないように今度からは気をつけようとある意味教訓になった一日だった。
___________________________
(いつかお前の心を私に向けさせる。覚悟をしておけ。)
(先輩、生首がへこんでいますよ。力入りすぎです〜。)
(なんか急に寒気が……早速誰かに恨まれてる?)
『仙蔵って何で作法委員会に入ったの?』
本日は同級生である仙蔵より頼まれ、作法委員会の生首フィギュアの手入れを頼まれた。手入れを始めてから彼此数時間は経過している。最初は談笑から始まり、実習などの話で盛り上がったが唐突に聞きたくなった。
「藪から棒だな。なんでそんな事疑問に思う?」
質問を質問で返された。コミュニケーションのやり取りって知ってるのかな。
『いや、数ある中の委員会だから少し気になってね。』
「ふむ……私が作法に入ったのは当時尊敬していた先輩に憧れていた事も関係があったがな。」
『へ〜、仙蔵が憧れるぐらいだから凄い先輩だったんだね。どんな先輩だったの?』
思いがけない返事があり、また更に聞きたくなる内容だった。
「当時私は一年生だったから、その先輩は六年生だった。私と同じい組でもあり、実に理論的で冷静なお方だった。」
仙蔵が話し始める。
「私は一年生ながら傲慢であった時期もあり、歳が近いせいかよく一つの先輩方には嫌われていてな。嫌がらせも受けることもあった。その時、制止に入ってくれたのが先輩だった。」
当時の仙蔵とは関わりが全くなかった為、どんな感じかは知らないが先輩に嫌がらせを受けるってのは相当だったんじゃないかな。今でも傲慢は健在だと思うけど。
「名前、今何を思った?」
読心術でもあるのか心が見透かされたみたいに思える。
『滅相もございません。』
「ふん、まぁいい。最初は忠告を受けると思ってその先輩に連れてこられたが、その場所が今いる作法室だった。そこで私は先輩から人として上手くやっていく方法や目上の人に対する礼儀作法や戦術の作法なども色々学ばしてもらった。」
確かに今の仙蔵は年上の人や後輩に接する姿は上級生でも立派なものだ。特にあの利吉さんや先生方の中に交え、率先して戦法の考案や話し合いにも参加している。
「忍びだけではないが、特に傲慢というのはあってはならないものだ。また自分の能力におごり、足元をすくわれる。相手の能力をみくびってはいけない。代表的な者で言ったら滝夜叉丸や三木ヱ門だな。」
あの二人は、元々の性格の影響もありそうな気がする。可愛い後輩には変わらないけど。
「だから私はこの教訓を得て、後輩達にも引き継ぐため作法委員にもなった。それだけだ。」
そう話し終えると同時に生首フィギュアを磨き終えた。
『仙蔵にそんな過去があったなんてね。確かにその教訓は後輩達にも伝わってると思うよ。貴方がちょっと傲慢であるのはそれだけ日々努力している証拠でもあるし、努力の元に自信が出てくるという事でもある。確かにおごりは禁物だけど、努力をしても自信がなければそれは何もできない事と一緒。それは今の仙蔵をみたら私でも分かるよ。まぁ全部を理解しているつもりは全くないけどね。私はそんな頑張ってきた仙蔵に憧れるな。』
作法委員会の後輩達をみると、あの子達ならきっと大丈夫だと思う。そう笑みを向けると仙蔵は少し頬を染め顔を背ける。色々言っちゃったし何かまずいこと言ったかな。
「と、とにかく私の話はいい。名前ありがとうな。手伝ってくれて。それともしお前が良かったら作法委員会に正式に入って私と委員会を支えてもらえないだろうか?」
『それは嬉しい誘いだけど難しいかな。私はただの手伝いだからそんな詳しく作法の事を知ってる訳でもないし、きっと仙蔵の足を引っ張っちゃうよ。』
「今みたいに隣にいてくれるのが良いんだがな。」
顔付きが真剣になる仙蔵に少し驚く。
そんな中、言葉を選び悩んでいると沈黙を破るようにやってきた後輩によりその静寂が破り去られる。
「せんぱーい。頼まれてた物をお持ちしましたよー。」
穴掘り小僧である綾部喜八郎が入ってきた。喜八郎ナイスタイミング。
『喜八郎!お邪魔してるよ。』
「なんだ名前先輩いたのですか。あと何ですかこの雰囲気?」
『いいや!何もないよ!そしたらここでお邪魔するね。』
軽く状態を整えて部屋を出て、扉をそっと閉める。
「先輩、何かありました?」
「いいや。特にない。大丈夫だ。」
その表情には笑顔があり、後輩は不思議そうに首を傾げた。
危なかった。あの表情に何かもっていかれそうだった。あの美顔にくノ一がきゃーきゃー言う理由が分かった。あれで世の女性は弄ばれそう。他のくノ一を敵にまわさないように今度からは気をつけようとある意味教訓になった一日だった。
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(いつかお前の心を私に向けさせる。覚悟をしておけ。)
(先輩、生首がへこんでいますよ。力入りすぎです〜。)
(なんか急に寒気が……早速誰かに恨まれてる?)
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