短編
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ご褒美をちょうだい
日が沈み、辺りが夜に染まった新月の晩。
今晩、俺達は忍務に取り組む。
先生に呼び出され、今夜の忍務内容を伝達された。
上級生にもなれば多くの忍務も任される事あるがその分危険度も増す。緊張と自身に対する期待からかなんとも言えない気持ちになる。
『兵助、緊張しているの?』
「そうではないと言ったら嘘になるかな。」
しかも今日は合同である。俺と同級生である名前は緊張しているなど到底思えない顔付きで俺の顔を覗き込む。
緊張と命を失うかもしれない内容に名前の見えない所で手が震える。
見えないようにするのは俺の強がりかもしれない。
『そんなに考え込まなくて大丈夫だよ。』
「……そうは言ってもね。」
『あら?私と一緒だと不服なの?』
「そうではないけど。」
『なら大丈夫。この忍務は成功する。』
そうでしょ?って顔付きで俺に笑顔を向けてくる。どこからその自信がやってくるのだろうか。
普段の意地の悪さは何処へやら。
『貴方は優秀な忍たま、久々知兵助でしょ?』
「それは否定しないけど。」
『あら、憎まれ口。』
名前の口元に弧が浮かぶ。
闇に溶け込み夜目が利く中、先生から忍務開始の合図が出される。
装束の口布を当てると隣の名前も口布を当てる。そんな名前と目が合うとふっと目元に笑みを浮かべている。
『お互い無事に帰りましょう。』
「もちろんだよ。」
『足を引っ張らないでよ?』
「名前がね。」
*
『ってやり取りしてたのに………』
「案外、無事に終わったね。」
忍務中、忍び込んだ城の兵に奇襲を掛けられたが難なく回避でき無事忍術学園に戻る事ができた。
忍務前のやり取りは何だったのかと言う程のある意味いい拍子抜けだった。
『私の励まし、いらなかったじゃん。』
名前が少しぷりぷりしている。そんな彼女が可愛く見えてぷぷっと笑ってしまった。
『兵助、今笑う所じゃない。』
「いやいや、むくれている名前が可愛くて。」
『別にむくれてなんかいませんーーー』
いーってしながら顔を向けてくる名前だが怖くも何ともない。
『もう帰る。』
「え?」
『忍務終わりの祝杯を上げるんだから止めても無駄だよ。真面目君。』
踵を返してくのたま長屋に帰ろうとしている。バイバイと手を振られると不意にその手を掴んだ。
「もう帰るの?」
『用事は終わったもん。』
「なら俺にご褒美ちょうだい。」
『呆れた。忍務前はびびっていたのに。』
名前の言葉に一理あるが今の俺には何も応えない。
「認めるよ。だから、ね?」
『はぁー………からかいのない。』
上目遣いで名前に微笑みかけると名前はため息をつきながらも分かったと言わんばかりに掴まれた手を軽く振り払うと、両手を組み考えてくれている。でもいい案がないからか困ったような顔で俺に向ける。
『でも私だと思いつかないから兵助がいいと思ったものを言ってよ。』
「そんな事言っていいの?」
『兵助のご褒美でしょ?あ、でも常識的な事は考えてよ?』
苦い表情をしながら向けてくる名前。忍務前の俺に向けてくれた優しさはどこへやら。
俺の願いは決まっている。
「今度の休み、俺と一緒に過ごして欲しい。」
『はっ?………』
目が丸くなるというのはまさにこの事。コロコロと表情が変わる名前に愛しさを覚える。
『てっきり何か豆腐料理に付き合ってくれとか無理難題を言われるかと思った。』
「俺としては付き合ってくれたら嬉しい限りなんだけど。」
『いや、豆腐料理に付き合うぐらいなら休みの日に一緒に過ごすのがまだましかも。』
「そんなに俺の豆腐料理いや?」
ぶつぶつと独り言を呟きながら腕を組み考え込む名前。俺の下心に気づいていない純粋な彼女。
わざと悲しそうにいうと焦りながらいやじゃないけど…と口ごもりながら言葉を取り繕うとしている名前にまたとして笑ってしまう。
「なら今度の休み絶対ね。」
『私の意見は聞かないの。』
「名前が言ったんだよ。俺に。」
“私と一緒だと不服なの?”
君が俺に向けた言葉。先生達のどの言葉よりどれだけ俺を救えたか。
次は俺が名前に伝える番だ。
________________________
(兵助、これはなんなの)
(何って、膝枕)
(はぁ…いきなりそこに座れって言ったら)
(だって膝枕をねだったら名前が逃げると思って)
(素直に言ったら可愛いのに)
(えっ!やってくれたの)
(馬鹿、言わせないでよ)
日が沈み、辺りが夜に染まった新月の晩。
今晩、俺達は忍務に取り組む。
先生に呼び出され、今夜の忍務内容を伝達された。
上級生にもなれば多くの忍務も任される事あるがその分危険度も増す。緊張と自身に対する期待からかなんとも言えない気持ちになる。
『兵助、緊張しているの?』
「そうではないと言ったら嘘になるかな。」
しかも今日は合同である。俺と同級生である名前は緊張しているなど到底思えない顔付きで俺の顔を覗き込む。
緊張と命を失うかもしれない内容に名前の見えない所で手が震える。
見えないようにするのは俺の強がりかもしれない。
『そんなに考え込まなくて大丈夫だよ。』
「……そうは言ってもね。」
『あら?私と一緒だと不服なの?』
「そうではないけど。」
『なら大丈夫。この忍務は成功する。』
そうでしょ?って顔付きで俺に笑顔を向けてくる。どこからその自信がやってくるのだろうか。
普段の意地の悪さは何処へやら。
『貴方は優秀な忍たま、久々知兵助でしょ?』
「それは否定しないけど。」
『あら、憎まれ口。』
名前の口元に弧が浮かぶ。
闇に溶け込み夜目が利く中、先生から忍務開始の合図が出される。
装束の口布を当てると隣の名前も口布を当てる。そんな名前と目が合うとふっと目元に笑みを浮かべている。
『お互い無事に帰りましょう。』
「もちろんだよ。」
『足を引っ張らないでよ?』
「名前がね。」
*
『ってやり取りしてたのに………』
「案外、無事に終わったね。」
忍務中、忍び込んだ城の兵に奇襲を掛けられたが難なく回避でき無事忍術学園に戻る事ができた。
忍務前のやり取りは何だったのかと言う程のある意味いい拍子抜けだった。
『私の励まし、いらなかったじゃん。』
名前が少しぷりぷりしている。そんな彼女が可愛く見えてぷぷっと笑ってしまった。
『兵助、今笑う所じゃない。』
「いやいや、むくれている名前が可愛くて。」
『別にむくれてなんかいませんーーー』
いーってしながら顔を向けてくる名前だが怖くも何ともない。
『もう帰る。』
「え?」
『忍務終わりの祝杯を上げるんだから止めても無駄だよ。真面目君。』
踵を返してくのたま長屋に帰ろうとしている。バイバイと手を振られると不意にその手を掴んだ。
「もう帰るの?」
『用事は終わったもん。』
「なら俺にご褒美ちょうだい。」
『呆れた。忍務前はびびっていたのに。』
名前の言葉に一理あるが今の俺には何も応えない。
「認めるよ。だから、ね?」
『はぁー………からかいのない。』
上目遣いで名前に微笑みかけると名前はため息をつきながらも分かったと言わんばかりに掴まれた手を軽く振り払うと、両手を組み考えてくれている。でもいい案がないからか困ったような顔で俺に向ける。
『でも私だと思いつかないから兵助がいいと思ったものを言ってよ。』
「そんな事言っていいの?」
『兵助のご褒美でしょ?あ、でも常識的な事は考えてよ?』
苦い表情をしながら向けてくる名前。忍務前の俺に向けてくれた優しさはどこへやら。
俺の願いは決まっている。
「今度の休み、俺と一緒に過ごして欲しい。」
『はっ?………』
目が丸くなるというのはまさにこの事。コロコロと表情が変わる名前に愛しさを覚える。
『てっきり何か豆腐料理に付き合ってくれとか無理難題を言われるかと思った。』
「俺としては付き合ってくれたら嬉しい限りなんだけど。」
『いや、豆腐料理に付き合うぐらいなら休みの日に一緒に過ごすのがまだましかも。』
「そんなに俺の豆腐料理いや?」
ぶつぶつと独り言を呟きながら腕を組み考え込む名前。俺の下心に気づいていない純粋な彼女。
わざと悲しそうにいうと焦りながらいやじゃないけど…と口ごもりながら言葉を取り繕うとしている名前にまたとして笑ってしまう。
「なら今度の休み絶対ね。」
『私の意見は聞かないの。』
「名前が言ったんだよ。俺に。」
“私と一緒だと不服なの?”
君が俺に向けた言葉。先生達のどの言葉よりどれだけ俺を救えたか。
次は俺が名前に伝える番だ。
________________________
(兵助、これはなんなの)
(何って、膝枕)
(はぁ…いきなりそこに座れって言ったら)
(だって膝枕をねだったら名前が逃げると思って)
(素直に言ったら可愛いのに)
(えっ!やってくれたの)
(馬鹿、言わせないでよ)