短編
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六年生の星座占いIII
『あーーーづかれた。』
「はぁ、はぁ。文次郎を怒らせるだなんて思ってもみなかったよ。」
『はぁ、はぁ。でも一緒に逃げた伊作は私と同罪だね。』
「ふふっ。でもそれも悪くないかも。」
『もの好き。』
息を切らしながら追いかけてくる文次郎を背に、ようやく最後の部屋である長次達の部屋前に辿り着く。
『とういう事で最後のろ組にやってきました。』
「さっきの騒動は…………お前達か…………もそっ。」
「なははっ!何事かと思ったぞ!」
『笑いごとじゃないやい。』
最後の二人である長次と小平太の部屋の襖を開けると二人は室内に居た。
先程迄の騒動が丸聞こえだったのか二人して特に驚く様子もない。
せっかく驚かしてやろうと思ったのに正直二人の反応は面白くなかった。しかも盛大に笑われたし、文次郎達とは違う意味で頬を膨らませる。
「騒ぎの内容は知っているが運勢の事だろ?それ私も気になるな!」
『小平太はいいとして長次は知っているんじゃないの?』
伏し目がちに長次に視線を向けるが長次は顔を横に振るだけだ。
長次は図書委員長だし、図書室を出入りする全ての書物を把握している筈だがその長次すら知らないとは。
『ふふふっ、なら教えてしんぜよう!』
得意げな気持ちになり自信満々に胸を叩く。
小平太と長次の誕生月を教えてもらい書物のページに指をかける。
『えっと、小平太は……………』
「……… 名前、どうしたの黙り込んで?」
『………一緒……ん。』
「……んっ?」
『小平太って文次郎と一緒じゃん!』
「えっ!そうなのか!」
「どれどれ……あっ、本当だ。」
『そうなの!なんか残念。』
「小平太とは違うけど、僕と留三郎も一緒だったんだよ。」
『でもさっき文次郎に読み上げたのは、どっちかというより完全に小平太かも。』
「それは知りたい!教えてくれ!」
言われた通り同じ内容を読み上げるがそれでも小平太は不満そうに首を傾げている。
「まだ他にもあるのか?」
『他にもって。あっ、あった。えっと……いつでも自信満々で自分の決断や行動に迷いがありません。そんな堂々とした姿に周囲は頼もしさを感じるでしょう。』
「………確かにいつも迷いがない………もそっ」
「小平太らしいよね。」
『ただし自信があるあまり、時にそれが暴走して自己中心的になってしまうこともあるって。』
「これって……いつもの小平太じゃない…?」
「………当たっている………もそっ」
『なんて迷惑な。』
ひと通り読み上げると、小平太は床に転げ回り爆笑している。
自分でもどこか自覚があるのか、はたまた信じていないのか。どちらにしてもどっちでもいい。
「名前、長次はどうなの?」
『そうそう、長次はね……無表情で秘密主義であり、一人で作業が進める事が得意な反面、抜群の存在感を放っているのが特徴。また挫折に強く作業熱心であり仕事ぶりは職人技のよう。』
「まさに沈黙の生き字引……だね。」
『ボーロ作りとか、あれは職人技だね。』
「でもなんて言うか。」
"魅力の塊"
思わず伊作と見合わせ喉をゴクリと鳴らす。
『どうしよう伊作。私、長次の偉大さに気づいたかもしれない。』
「名前、何を言うか!長次は前々からすごくいい奴だぞ!」
「小平太………少し静かに………もそっ。」
「でもでも、恋愛はどうかな?」
『そこ私も気になる!………えっと恋愛になると奥手で大人しいが相手が自分を好いてくれると嬉しくて気持ちに応じるでしょう。あと強引な女性が相性いいらしい。』
「強引な女性なら私も好きだぞ!一緒に塹壕掘りもしたいしな!」
『小平太は黙って。一度好きになったら全身全霊で愛し、家庭第一の良き夫になりますだって………なんか読み上げてる私が照れるぐらい羨ましい……。』
「長次はこれ聞いてどう思ったか……い?」
「…………」
「ちょ、長次?どうしたの?」
「………ちょっと風に当たってくる………もそっ。」
「えっ、長次?」
「待って!私も行くー!」
「あっ、小平太まで!……って行っちゃった。」
長次が顔を赤くしながら長屋の襖を開けて跡を追う小平太。出て行った二人を黙って見送ると室内は一気に静かになった。
『ふぅー。でも面白かったね。』
「本当だよ。運勢って案外馬鹿に出来ないものだね。」
『でもこれだけ当たればちょっとは信じたくなるよね。ふふっ、これなら今度は相性とか調べるのもありかも。』
残された二人で床に寝転び、次の事を想像すると笑みが止まらない。
そもそも自分は誰との相性がいいのか気になるし、運命の相手は誰なのかと期待に胸が高鳴る。
「……… 名前は誰か気になる人っているの?」
伊作の顔が自身の目前まで近づく。その表情は笑みを含めながらもどこか儚げな哀愁を感じる。
『いないよ。だけど女性として誰と結ばれるかは気になるかな。』
「へぇ、なら僕との相性を調べてみようよ。」
『へっ?』
「僕と君なら相性良いかもしれないよ。」
今、目の前にはいつもの優しい伊作ではなく、獲物を逃さないと言わんばかりの獅子のような雰囲気を漂わせている。
普段の伊作の様子との変わり様に思わず唾液を飲み込むが逃がそうとはしてくれない。ここでふと我に返る。あれ、そういえば伊作の運勢は確か…。
"本能のままに恋に落ち、好きと感じるや否や反射的に取り掛かり押しの一手で相手を自分のものにする"
『い、伊作!』
「何?」
『お、落ち着いて!』
「僕はずっと落ち着いてるよ。」
慌てる私を前にしても伊作の勢いは止まらない。私の頬に手を伸ばし撫で、更に私を愛おしそうに見つめてるのは気のせいかな。
「名前。」
『は、はい!』
「僕は知りたいな、君との相性。」
『んっ……』
伊作が吐息を耳にかけてきた為、反応してしまう。顔が赤く染まるのが分かる。匂いを嗅ぐように胸をうずめられ、逃げられないように体を包まれ動かす事が出来ない。
「赤くなるって事は期待してもいいよね?」
『伊作っ、んっ!』
「僕はみすみすこの機会を逃す気なんかないよ。だから」
"覚悟してよね"
伊作の爆弾発言に、本当に天体は遥か昔から人間の動きを読んでいたかもしれない。
『あーーーづかれた。』
「はぁ、はぁ。文次郎を怒らせるだなんて思ってもみなかったよ。」
『はぁ、はぁ。でも一緒に逃げた伊作は私と同罪だね。』
「ふふっ。でもそれも悪くないかも。」
『もの好き。』
息を切らしながら追いかけてくる文次郎を背に、ようやく最後の部屋である長次達の部屋前に辿り着く。
『とういう事で最後のろ組にやってきました。』
「さっきの騒動は…………お前達か…………もそっ。」
「なははっ!何事かと思ったぞ!」
『笑いごとじゃないやい。』
最後の二人である長次と小平太の部屋の襖を開けると二人は室内に居た。
先程迄の騒動が丸聞こえだったのか二人して特に驚く様子もない。
せっかく驚かしてやろうと思ったのに正直二人の反応は面白くなかった。しかも盛大に笑われたし、文次郎達とは違う意味で頬を膨らませる。
「騒ぎの内容は知っているが運勢の事だろ?それ私も気になるな!」
『小平太はいいとして長次は知っているんじゃないの?』
伏し目がちに長次に視線を向けるが長次は顔を横に振るだけだ。
長次は図書委員長だし、図書室を出入りする全ての書物を把握している筈だがその長次すら知らないとは。
『ふふふっ、なら教えてしんぜよう!』
得意げな気持ちになり自信満々に胸を叩く。
小平太と長次の誕生月を教えてもらい書物のページに指をかける。
『えっと、小平太は……………』
「……… 名前、どうしたの黙り込んで?」
『………一緒……ん。』
「……んっ?」
『小平太って文次郎と一緒じゃん!』
「えっ!そうなのか!」
「どれどれ……あっ、本当だ。」
『そうなの!なんか残念。』
「小平太とは違うけど、僕と留三郎も一緒だったんだよ。」
『でもさっき文次郎に読み上げたのは、どっちかというより完全に小平太かも。』
「それは知りたい!教えてくれ!」
言われた通り同じ内容を読み上げるがそれでも小平太は不満そうに首を傾げている。
「まだ他にもあるのか?」
『他にもって。あっ、あった。えっと……いつでも自信満々で自分の決断や行動に迷いがありません。そんな堂々とした姿に周囲は頼もしさを感じるでしょう。』
「………確かにいつも迷いがない………もそっ」
「小平太らしいよね。」
『ただし自信があるあまり、時にそれが暴走して自己中心的になってしまうこともあるって。』
「これって……いつもの小平太じゃない…?」
「………当たっている………もそっ」
『なんて迷惑な。』
ひと通り読み上げると、小平太は床に転げ回り爆笑している。
自分でもどこか自覚があるのか、はたまた信じていないのか。どちらにしてもどっちでもいい。
「名前、長次はどうなの?」
『そうそう、長次はね……無表情で秘密主義であり、一人で作業が進める事が得意な反面、抜群の存在感を放っているのが特徴。また挫折に強く作業熱心であり仕事ぶりは職人技のよう。』
「まさに沈黙の生き字引……だね。」
『ボーロ作りとか、あれは職人技だね。』
「でもなんて言うか。」
"魅力の塊"
思わず伊作と見合わせ喉をゴクリと鳴らす。
『どうしよう伊作。私、長次の偉大さに気づいたかもしれない。』
「名前、何を言うか!長次は前々からすごくいい奴だぞ!」
「小平太………少し静かに………もそっ。」
「でもでも、恋愛はどうかな?」
『そこ私も気になる!………えっと恋愛になると奥手で大人しいが相手が自分を好いてくれると嬉しくて気持ちに応じるでしょう。あと強引な女性が相性いいらしい。』
「強引な女性なら私も好きだぞ!一緒に塹壕掘りもしたいしな!」
『小平太は黙って。一度好きになったら全身全霊で愛し、家庭第一の良き夫になりますだって………なんか読み上げてる私が照れるぐらい羨ましい……。』
「長次はこれ聞いてどう思ったか……い?」
「…………」
「ちょ、長次?どうしたの?」
「………ちょっと風に当たってくる………もそっ。」
「えっ、長次?」
「待って!私も行くー!」
「あっ、小平太まで!……って行っちゃった。」
長次が顔を赤くしながら長屋の襖を開けて跡を追う小平太。出て行った二人を黙って見送ると室内は一気に静かになった。
『ふぅー。でも面白かったね。』
「本当だよ。運勢って案外馬鹿に出来ないものだね。」
『でもこれだけ当たればちょっとは信じたくなるよね。ふふっ、これなら今度は相性とか調べるのもありかも。』
残された二人で床に寝転び、次の事を想像すると笑みが止まらない。
そもそも自分は誰との相性がいいのか気になるし、運命の相手は誰なのかと期待に胸が高鳴る。
「……… 名前は誰か気になる人っているの?」
伊作の顔が自身の目前まで近づく。その表情は笑みを含めながらもどこか儚げな哀愁を感じる。
『いないよ。だけど女性として誰と結ばれるかは気になるかな。』
「へぇ、なら僕との相性を調べてみようよ。」
『へっ?』
「僕と君なら相性良いかもしれないよ。」
今、目の前にはいつもの優しい伊作ではなく、獲物を逃さないと言わんばかりの獅子のような雰囲気を漂わせている。
普段の伊作の様子との変わり様に思わず唾液を飲み込むが逃がそうとはしてくれない。ここでふと我に返る。あれ、そういえば伊作の運勢は確か…。
"本能のままに恋に落ち、好きと感じるや否や反射的に取り掛かり押しの一手で相手を自分のものにする"
『い、伊作!』
「何?」
『お、落ち着いて!』
「僕はずっと落ち着いてるよ。」
慌てる私を前にしても伊作の勢いは止まらない。私の頬に手を伸ばし撫で、更に私を愛おしそうに見つめてるのは気のせいかな。
「名前。」
『は、はい!』
「僕は知りたいな、君との相性。」
『んっ……』
伊作が吐息を耳にかけてきた為、反応してしまう。顔が赤く染まるのが分かる。匂いを嗅ぐように胸をうずめられ、逃げられないように体を包まれ動かす事が出来ない。
「赤くなるって事は期待してもいいよね?」
『伊作っ、んっ!』
「僕はみすみすこの機会を逃す気なんかないよ。だから」
"覚悟してよね"
伊作の爆弾発言に、本当に天体は遥か昔から人間の動きを読んでいたかもしれない。