短編
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貴方しか見えない
『はぁーーっ。……かっこいい。』
「僕は心配しかないけどね。」
校庭の木の下で座り込む私と伊作の目の前には、戦う留三郎と文次郎がいる。
二人とも得意武器である鉄双節棍と袋槍を取り出し、戦っている所を頬杖をつきながら見ている。
『なんで留三郎ってかっこいいのかしら。』
「…… 名前ってほんと留三郎の事大好きだよね。」
『うん。大好き。』
お互い一歩も譲らない攻防を繰り返している。二人の剣幕に周囲はまたかと呆れの表情をしているが留三郎の生き生きしている表情が見れるだなんて私にはご褒美だ。余りのかっこよさに項垂れてしまう。
「君達は恋仲だし、あんなの見飽きてるでしょ。」
『飽きないわね。』
「はぁ、僕にはあの戦いの何処がいいのか全く分からないよ。」
そう、私と留三郎は恋仲である。しかもよく留三郎と一緒にいると文次郎が三禁だとか言って絡んでくる為、戦う機会をよく見かける。
元々留三郎とは同級生の関係だった。留三郎に想いを募らせ隠していたが、留三郎も同じだったみたいで「名前と恋仲になりたい」と留三郎から告白し、めでたく恋仲となったのだ。
今でもあの台詞は鮮明に覚えている。それほど私にとって感極まる言葉だった。
『文次郎はおまけだけど、留三郎をいい顔をさせてくれるのは文次郎しかいないわ。』
「だけど毎回治療する僕の身にもなってほしいな。」
『それは私も心配。』
留三郎は文次郎と曲者と戦っている時が一番生き生きしている。勿論用具委員会で作業している時も別の表情で生き生きしているが彼を一番輝かさせてくれるのはやっぱり戦いしかないのだ。
二人の間で決着が着いたのか留三郎が文次郎と別れ、此方に向かってる。大好きな彼をお迎えする為、立ち上がり下衣に着いた砂を払う。汗を拭う留三郎にも心が打たれる。
「名前、伊作といたのか。」
『うん。留三郎の戦い振りを見てた。』
「そうか。」
『あ、ここ怪我しているわ。』
「ほんとか?畜生文次郎め、思いっきり殴りやがって。」
『ふふっ、いい戦い振りだったわね。』
頬に痣を作っている。留三郎の頬に手を伸ばすとさっきとは打って変わって私を優しい目で見つめる留三郎。そんな表情で見つめられると愛しさが込み上げてくる。
頬にある私の手を留三郎が引き寄せる。近くに引き寄せられると彼の爽やかな笑顔で迎えられる。留三郎の匂い、逞しい肉体に迎えられ、そんな留三郎の顔を直視する事ができず頬を赤らめる。
『と、留三郎!』
「いい加減慣れてくれよ。」
『は、恥ずかしいわ』
「口吸いしたくなるな、その顔。」
「ねぇ君達、一応僕いるんだけど。」
「伊作すまない。」
『わぁっ!い、伊作!』
慌てて僕に助けを求める名前。やめてくれ。留三郎の背後に黒いオーラが見え隠れしている。しかも留三郎の目つきが鋭くなり、後ろで鉄双節棍 を構えかけている。確実に僕を殺る気だ。名前の事で僕が関与していたら同室の僕でさえどんな危害が加わるか分からない。只えさえ不運である僕はこれ以上男女の、しかも同室の痴話喧嘩などに巻き込まれたくない。
伊作にどうにかしてもらおうと助けを求めるが嫌がられ、強引に留三郎に引き渡される。そのまま伊作は文次郎の跡を追った。途端に先程までの騒がしさが静かになり、留三郎が口を開く。
「名前、逃げるなよ。」
『ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。』
「逃げたらさすがに俺も悲しむ。俺の事嫌いか?」
『違うわ!』
「ならなんで…『留三郎の事が大好きすぎてドキドキするの!』
そんな私の言葉に一瞬後退しながらも、留三郎が頬を赤く染める。しまった!言い過ぎてしまった。呆られちゃったかな。恐る恐る留三郎の反応を伺うと留三郎は目元を押さえ何か考えこんでいる様子で、耳元に近づき囁いてくる。
「今日の夜空けといてくれ。」
『えっ?』
「今晩抱きたい。」
『っ!!!』
「だから自室で待っててくれ。」
そう言い彼は軽やかに去っていく。恥ずかしさやら期待で既に思考が滅茶苦茶だ。あの後一人残され、自室に戻りながら冷静さを取り戻すのに必死だった。
その夜は今まで一番盛り上がったとは言うまでもない。
「名前、愛してる。」
『私もよ、留三郎。』
_______________________
(イテテっ。留の野郎!次こそ決着付けてやる!)
(文次郎も程々にしなよ。)
(あいつが名前と一緒にいると余計イライラするんだ!)
(文次郎、それって名前の事好いてるんじゃないの?)
(そ、そんな訳じゃない!)
(諦めた方がいいよ。あれでも恋仲になって三年は経ってるのにお互いしかみえてないから。)
(バ、バカやろう!そういう事ではないわ!)
(もし名前に何かしたら確実に殺られるよ。)
『はぁーーっ。……かっこいい。』
「僕は心配しかないけどね。」
校庭の木の下で座り込む私と伊作の目の前には、戦う留三郎と文次郎がいる。
二人とも得意武器である鉄双節棍と袋槍を取り出し、戦っている所を頬杖をつきながら見ている。
『なんで留三郎ってかっこいいのかしら。』
「…… 名前ってほんと留三郎の事大好きだよね。」
『うん。大好き。』
お互い一歩も譲らない攻防を繰り返している。二人の剣幕に周囲はまたかと呆れの表情をしているが留三郎の生き生きしている表情が見れるだなんて私にはご褒美だ。余りのかっこよさに項垂れてしまう。
「君達は恋仲だし、あんなの見飽きてるでしょ。」
『飽きないわね。』
「はぁ、僕にはあの戦いの何処がいいのか全く分からないよ。」
そう、私と留三郎は恋仲である。しかもよく留三郎と一緒にいると文次郎が三禁だとか言って絡んでくる為、戦う機会をよく見かける。
元々留三郎とは同級生の関係だった。留三郎に想いを募らせ隠していたが、留三郎も同じだったみたいで「名前と恋仲になりたい」と留三郎から告白し、めでたく恋仲となったのだ。
今でもあの台詞は鮮明に覚えている。それほど私にとって感極まる言葉だった。
『文次郎はおまけだけど、留三郎をいい顔をさせてくれるのは文次郎しかいないわ。』
「だけど毎回治療する僕の身にもなってほしいな。」
『それは私も心配。』
留三郎は文次郎と曲者と戦っている時が一番生き生きしている。勿論用具委員会で作業している時も別の表情で生き生きしているが彼を一番輝かさせてくれるのはやっぱり戦いしかないのだ。
二人の間で決着が着いたのか留三郎が文次郎と別れ、此方に向かってる。大好きな彼をお迎えする為、立ち上がり下衣に着いた砂を払う。汗を拭う留三郎にも心が打たれる。
「名前、伊作といたのか。」
『うん。留三郎の戦い振りを見てた。』
「そうか。」
『あ、ここ怪我しているわ。』
「ほんとか?畜生文次郎め、思いっきり殴りやがって。」
『ふふっ、いい戦い振りだったわね。』
頬に痣を作っている。留三郎の頬に手を伸ばすとさっきとは打って変わって私を優しい目で見つめる留三郎。そんな表情で見つめられると愛しさが込み上げてくる。
頬にある私の手を留三郎が引き寄せる。近くに引き寄せられると彼の爽やかな笑顔で迎えられる。留三郎の匂い、逞しい肉体に迎えられ、そんな留三郎の顔を直視する事ができず頬を赤らめる。
『と、留三郎!』
「いい加減慣れてくれよ。」
『は、恥ずかしいわ』
「口吸いしたくなるな、その顔。」
「ねぇ君達、一応僕いるんだけど。」
「伊作すまない。」
『わぁっ!い、伊作!』
慌てて僕に助けを求める名前。やめてくれ。留三郎の背後に黒いオーラが見え隠れしている。しかも留三郎の目つきが鋭くなり、後ろで鉄双節棍 を構えかけている。確実に僕を殺る気だ。名前の事で僕が関与していたら同室の僕でさえどんな危害が加わるか分からない。只えさえ不運である僕はこれ以上男女の、しかも同室の痴話喧嘩などに巻き込まれたくない。
伊作にどうにかしてもらおうと助けを求めるが嫌がられ、強引に留三郎に引き渡される。そのまま伊作は文次郎の跡を追った。途端に先程までの騒がしさが静かになり、留三郎が口を開く。
「名前、逃げるなよ。」
『ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。』
「逃げたらさすがに俺も悲しむ。俺の事嫌いか?」
『違うわ!』
「ならなんで…『留三郎の事が大好きすぎてドキドキするの!』
そんな私の言葉に一瞬後退しながらも、留三郎が頬を赤く染める。しまった!言い過ぎてしまった。呆られちゃったかな。恐る恐る留三郎の反応を伺うと留三郎は目元を押さえ何か考えこんでいる様子で、耳元に近づき囁いてくる。
「今日の夜空けといてくれ。」
『えっ?』
「今晩抱きたい。」
『っ!!!』
「だから自室で待っててくれ。」
そう言い彼は軽やかに去っていく。恥ずかしさやら期待で既に思考が滅茶苦茶だ。あの後一人残され、自室に戻りながら冷静さを取り戻すのに必死だった。
その夜は今まで一番盛り上がったとは言うまでもない。
「名前、愛してる。」
『私もよ、留三郎。』
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(イテテっ。留の野郎!次こそ決着付けてやる!)
(文次郎も程々にしなよ。)
(あいつが名前と一緒にいると余計イライラするんだ!)
(文次郎、それって名前の事好いてるんじゃないの?)
(そ、そんな訳じゃない!)
(諦めた方がいいよ。あれでも恋仲になって三年は経ってるのにお互いしかみえてないから。)
(バ、バカやろう!そういう事ではないわ!)
(もし名前に何かしたら確実に殺られるよ。)