短編
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代理の代打
『えっ、食堂のおばちゃんが休み?』
「そうなんです。だから今日の夕ご飯は私たちくノ一教室が担当になって困ってるんです。」
くのたま長屋で後輩達が騒いでおり後輩であるユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんに話を聞く。どうやら食堂のおばちゃんが体調不良で寝込んでいるようだ。おばちゃんはご飯のお残しに関してはすごく怖いけどおばちゃんが作るご飯はどれも美味しく学園の生徒から絶大な支持を得ている。かくいう私もおばちゃんのご飯は大好きで一日の楽しみにしている。
「でも私達で生徒全員の夕ご飯を作るだなんて無理でしゅ。」
「そうよ。だっていきなりすぎて何も考えが浮かばないわ。」
「どうしましょう。」
『そうね………取り敢えず今日は担当だからひとまず食堂に行きましょうか。』
「……………はーい。」
後輩達の返事に元気がなく後輩達が困っている。確か昔、実習先で城内の厨房に勤めた事があり自炊の経験がないわけではない。とりあえず任された以上作業に取り掛かる必要がある。後輩達と一緒に学園内の食堂に向かう。
『うーん………材料には困らないわね。』
「えー!こんなに沢山の材料でどうにかしないといけないの!?」
「作り方なんて分からないわよ〜!」
見たところ野菜に魚、肉に米、調味料と沢山の材料が準備されている。食堂のおばちゃんはこの沢山の材料をもとに生徒全員のご飯を作っていた事に改めて感謝しかない。材料を手にとり考えるといい案が思いつく。
『そんな難しく考えなくていいかもよ。』
「名前先輩、いい案があるんですか?」
『献立を思いついたわ。それなら料理は私が作るから三人はご飯を炊いて下ごしらえとかしてくれる?』
「ご飯なら炊けます!これでも火の扱いは得意です!」
「私もできます!」
「私もでしゅ!」
『頼りになるわ。頑張りましょう!』
「「はい!」」
おばちゃんの割烹着を借り、材料を切ったり下ごしらえに取り掛かる。学園全員のご飯の為一人で下ごしらえは難しく途中からユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんに手伝ってもらう。三人とも慣れないなりに頑張っている姿に笑みを浮かべる。
材料を切り皮を剥き終えると大きい鍋に入れ野菜が柔らかくなるまで煮込む。勿論味付けも忘れずに。味付けにはお醤油に味醂、酒など入れると香りが辺りに漂う。
『どれどれ……いけるわね。』
「美味しそうな匂いがしましゅ!」
『ふふ、そうでしょ?』
「名前先輩!これ私達味見していいですか?」
『いいわよ。感想教えてね。』
「「はーい!」」
作ったおかずを三人が口に頬張る。
「「おいしーい!!!」」
『なら良かった!』
「これもっと食べたいです!」
『だーめ。ちゃんと私達の分もとっておくから我慢してね。』
「なら後で美味しく頂きまーす!」
『なら後は盛り付けね。最後まで頑張るわよ!』
「「分かりました!!!」」
素直な可愛い後輩達。味は悪くなくいよいよ料理が完成した。
日が沈みかけるとぞろぞろと生徒達や先生達が食堂に集まる。食器に出来上がった料理を盛り付け配膳の準備を始める。そこに五年生の後輩達が顔を出す。
「あれ名前先輩!割烹着姿もお似合いですね。」
『いらっしゃい勘右衛門。口が達者ね。』
「思った事を言ったまでですよ。でも今日は名前先輩が担当ですか?」
『そうよ。』
「名前先輩が作ったご飯!どんなのだろう。」
「おほー!名前先輩のご飯!楽しみだな!」
『私だけじゃなくてくノ一教室達の後輩達も一緒に作ったのよ。』
「えっ!くノ一教室が!!!」
五年生達のその言葉にユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんの顔が引き攣っている。それはそうだ。忍たま達は今まで散々くノ一教室に毒を盛られてきた為忍たま達が言うのも分かる。
『それは実習の為よ。』
「そうでしゅ。私達でも流石に時と場合は考えましゅ。」
「先輩方、そんなに毒を盛って欲しいですか?」
引き攣った笑顔でおシゲちゃんとトモミちゃんが五年生達に噛みつこうとしている。その様子に五年生や忍たまの後輩達がひぇっと声を漏らす。
『こーら!喧嘩しないの!せっかく美味しくできたのに。食べないならいいわよ。その代わりご飯抜きだけど。』
「食べます食べます!」
「名前先輩が作った料理食べたいです!!!」
『それなら早くご飯をもらいにくる。後がつかえているわ。』
「因みに今日のご飯はなんですか?」
『今日は白米に、玉ねぎとわかめと豆腐の味噌汁、肉じゃがにほうれん草のお浸しです。』
「「やった!肉じゃがだー!!!」」
夕ご飯の内容を聞いて喜ぶ五年生達。メニューの名前だけでこんなに喜んでくれるなんて作り甲斐がある。
「先輩。えらい家庭的な献立ですね。」
『三郎。お残ししたらしめるわよ。』
「残しませんよ。全部美味しく頂きます。」
『なら美味しく食べてね。』
そう言うと列に並びご飯を受け取る後輩達。ご飯を受け取り、食べ始めた生徒達から嬉しい言葉が飛び交う。
「これ味がよく染みてるな!」
「ほんと美味しい。名前!これ美味しいよ!」
「もそっ……………柔らかくて………美味い……。」
『小平太、伊作、長次ありがとう。』
「よくこんな量作れたな。でも味は悪くない。」
『仙蔵は素直に褒めたらいいのに。五年生達は?』
「「すごく美味しいでーす!!!」」
少し離れた席から元気な五年生達の返事が聞こえる。みんな食べるのが早く物凄い早さでご飯が無くなっていく。さすが食べ盛りの男の子達。感心しているとおシゲちゃんが駆け寄ってくる。
「名前先輩。私達もお腹が空いて限界でしゅ。」
「早く私達も食べたいです!」
『おシゲちゃん、ユキちゃん。なら私達も一緒に頂きましょうか!』
「「そうしまーす!」」
これだけ褒めてもらえたら料理する側も満更ではない気持ちだ。四人で頑張って作ったから余計達成感がある。次また作る機会があればリクエストとか聞こうかしら?
_______________________
(あら二人とも遅かったわね。)
(こいつが喧嘩売ってきてな。)
(今日はお前が作ったと聞いた。さっさと飯を出せ。)
(お前なんて事言うんだ!)
(留三郎お疲れ様。温かい肉じゃがよ。文次郎。貴方には鉄粉を振った冷や飯よ。)
(なんで俺だけ冷たいんだ!)
(お残しは許しまへんで)
『えっ、食堂のおばちゃんが休み?』
「そうなんです。だから今日の夕ご飯は私たちくノ一教室が担当になって困ってるんです。」
くのたま長屋で後輩達が騒いでおり後輩であるユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんに話を聞く。どうやら食堂のおばちゃんが体調不良で寝込んでいるようだ。おばちゃんはご飯のお残しに関してはすごく怖いけどおばちゃんが作るご飯はどれも美味しく学園の生徒から絶大な支持を得ている。かくいう私もおばちゃんのご飯は大好きで一日の楽しみにしている。
「でも私達で生徒全員の夕ご飯を作るだなんて無理でしゅ。」
「そうよ。だっていきなりすぎて何も考えが浮かばないわ。」
「どうしましょう。」
『そうね………取り敢えず今日は担当だからひとまず食堂に行きましょうか。』
「……………はーい。」
後輩達の返事に元気がなく後輩達が困っている。確か昔、実習先で城内の厨房に勤めた事があり自炊の経験がないわけではない。とりあえず任された以上作業に取り掛かる必要がある。後輩達と一緒に学園内の食堂に向かう。
『うーん………材料には困らないわね。』
「えー!こんなに沢山の材料でどうにかしないといけないの!?」
「作り方なんて分からないわよ〜!」
見たところ野菜に魚、肉に米、調味料と沢山の材料が準備されている。食堂のおばちゃんはこの沢山の材料をもとに生徒全員のご飯を作っていた事に改めて感謝しかない。材料を手にとり考えるといい案が思いつく。
『そんな難しく考えなくていいかもよ。』
「名前先輩、いい案があるんですか?」
『献立を思いついたわ。それなら料理は私が作るから三人はご飯を炊いて下ごしらえとかしてくれる?』
「ご飯なら炊けます!これでも火の扱いは得意です!」
「私もできます!」
「私もでしゅ!」
『頼りになるわ。頑張りましょう!』
「「はい!」」
おばちゃんの割烹着を借り、材料を切ったり下ごしらえに取り掛かる。学園全員のご飯の為一人で下ごしらえは難しく途中からユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんに手伝ってもらう。三人とも慣れないなりに頑張っている姿に笑みを浮かべる。
材料を切り皮を剥き終えると大きい鍋に入れ野菜が柔らかくなるまで煮込む。勿論味付けも忘れずに。味付けにはお醤油に味醂、酒など入れると香りが辺りに漂う。
『どれどれ……いけるわね。』
「美味しそうな匂いがしましゅ!」
『ふふ、そうでしょ?』
「名前先輩!これ私達味見していいですか?」
『いいわよ。感想教えてね。』
「「はーい!」」
作ったおかずを三人が口に頬張る。
「「おいしーい!!!」」
『なら良かった!』
「これもっと食べたいです!」
『だーめ。ちゃんと私達の分もとっておくから我慢してね。』
「なら後で美味しく頂きまーす!」
『なら後は盛り付けね。最後まで頑張るわよ!』
「「分かりました!!!」」
素直な可愛い後輩達。味は悪くなくいよいよ料理が完成した。
日が沈みかけるとぞろぞろと生徒達や先生達が食堂に集まる。食器に出来上がった料理を盛り付け配膳の準備を始める。そこに五年生の後輩達が顔を出す。
「あれ名前先輩!割烹着姿もお似合いですね。」
『いらっしゃい勘右衛門。口が達者ね。』
「思った事を言ったまでですよ。でも今日は名前先輩が担当ですか?」
『そうよ。』
「名前先輩が作ったご飯!どんなのだろう。」
「おほー!名前先輩のご飯!楽しみだな!」
『私だけじゃなくてくノ一教室達の後輩達も一緒に作ったのよ。』
「えっ!くノ一教室が!!!」
五年生達のその言葉にユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんの顔が引き攣っている。それはそうだ。忍たま達は今まで散々くノ一教室に毒を盛られてきた為忍たま達が言うのも分かる。
『それは実習の為よ。』
「そうでしゅ。私達でも流石に時と場合は考えましゅ。」
「先輩方、そんなに毒を盛って欲しいですか?」
引き攣った笑顔でおシゲちゃんとトモミちゃんが五年生達に噛みつこうとしている。その様子に五年生や忍たまの後輩達がひぇっと声を漏らす。
『こーら!喧嘩しないの!せっかく美味しくできたのに。食べないならいいわよ。その代わりご飯抜きだけど。』
「食べます食べます!」
「名前先輩が作った料理食べたいです!!!」
『それなら早くご飯をもらいにくる。後がつかえているわ。』
「因みに今日のご飯はなんですか?」
『今日は白米に、玉ねぎとわかめと豆腐の味噌汁、肉じゃがにほうれん草のお浸しです。』
「「やった!肉じゃがだー!!!」」
夕ご飯の内容を聞いて喜ぶ五年生達。メニューの名前だけでこんなに喜んでくれるなんて作り甲斐がある。
「先輩。えらい家庭的な献立ですね。」
『三郎。お残ししたらしめるわよ。』
「残しませんよ。全部美味しく頂きます。」
『なら美味しく食べてね。』
そう言うと列に並びご飯を受け取る後輩達。ご飯を受け取り、食べ始めた生徒達から嬉しい言葉が飛び交う。
「これ味がよく染みてるな!」
「ほんと美味しい。名前!これ美味しいよ!」
「もそっ……………柔らかくて………美味い……。」
『小平太、伊作、長次ありがとう。』
「よくこんな量作れたな。でも味は悪くない。」
『仙蔵は素直に褒めたらいいのに。五年生達は?』
「「すごく美味しいでーす!!!」」
少し離れた席から元気な五年生達の返事が聞こえる。みんな食べるのが早く物凄い早さでご飯が無くなっていく。さすが食べ盛りの男の子達。感心しているとおシゲちゃんが駆け寄ってくる。
「名前先輩。私達もお腹が空いて限界でしゅ。」
「早く私達も食べたいです!」
『おシゲちゃん、ユキちゃん。なら私達も一緒に頂きましょうか!』
「「そうしまーす!」」
これだけ褒めてもらえたら料理する側も満更ではない気持ちだ。四人で頑張って作ったから余計達成感がある。次また作る機会があればリクエストとか聞こうかしら?
_______________________
(あら二人とも遅かったわね。)
(こいつが喧嘩売ってきてな。)
(今日はお前が作ったと聞いた。さっさと飯を出せ。)
(お前なんて事言うんだ!)
(留三郎お疲れ様。温かい肉じゃがよ。文次郎。貴方には鉄粉を振った冷や飯よ。)
(なんで俺だけ冷たいんだ!)
(お残しは許しまへんで)