短編
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傍側に人ひと無なきが若ごとし
『土井先生、この火薬はここでいいでしょうか?』
「あぁそこでいい。ありがとう名前。」
今日は授業で使用した火薬を土井先生と片付けている。火薬倉庫は普段火薬委員で管理を行う為その顧問である土井先生と作業をしている。
「ふぅ、無事に終わった。手伝ってくれてありがとう名前。」
『いえ、大変そうだったので大丈夫ですよ。』
「全くあいつらときたら…」
作業を終え火薬倉庫を後にし土井先生と庭を歩き帰路に着く。今日の授業は一年は組が焙烙火矢で爆発に巻き込まれ、授業で教えた事を覚えていない事に頭を悩め胃を痛めている事。土井先生の苦労話が絶えず話を傾聴する。
『はは…先生も苦労してますね。』
「分かってくれるか?」
『えぇ。』
土井先生の愚痴が止まらない。話を聞くと授業の後は一年は組の補習授業、休日はきり丸のバイトに付き合わされ、家では隣のおばちゃんに町内会の溝掃除をさせられ独身なのに色々と苦労話が尽きない土井先生に共感する。先生苦労しているな。途中胃を抱えるように話をするけどストレスの比が比べものにならない。そう話している土井先生の背中をさする。土井先生頑張れ。
「…… 名前、気付いているか?」
『えぇ……何者かが此方を見ています。』
周囲から殺気を感じる。しかしこれは明らかに土井先生を狙っている。忍術学園の学舎でこんなに隠していない殺気は怖いもの知らずなのか又、執着を感じる。
「…… 名前は下がってなさい。」
『……何か身に覚えがあるのですか?』
「ちょっとな。」
殺気から気配を探ろうとすると学舎の外堀から目にも留まらぬ速さで黄昏色の忍び装束を着た忍者が目の前に姿を現す。自分より年上だが若い男だった。
「土井半助!覚悟ーー!!!」
目の前の若い男はそう言い土井先生に刀で斬りかかる。自身の懐に仕込んでいた苦無を引き抜き、刀が振り下ろされる寸前で受け止め払いのけると若い男は跳躍し後ろに後退する。
『先生ご無事で?』
「あぁ、全く無茶をして。」
『で、あの男はなんでしょう?』
「知り合いというか何というか……はぁ。」
土井先生が溜息をしている。どんな関係性なの?
「女ーっ!邪魔をするなら斬る!!!」
『……だそうです。土井先生。』
「苗字は引っ込んでなさい。」
『あれは話ができないですね。』
「あれって………。」
男はそういうと此方に向かってくる。口元を布で覆う。
再び目の前に来ると刀を振り下ろし苦無で応戦する。金属と金属が重なり周囲に金属音が反響し振り払うと刀を素早く突き出してくる。それを苦無で受け止め左右にかわす。
男は通用しないと分かると左手に刀を持ち替え振り上げて落とすと見せ、右手で胸ぐらを掴み引っ張られる。されるがまま引き寄せられると男の左手首に手刀を打ち左手から刀が滑り落ちる。
「ぐっ!」
『せっかくの武器落としちゃ駄目でしょ。』
「くそっ!」
そう言い滑り落ちた刀を奪い取り後退し距離を置く。いい刀身だ。しっかり切先まで手入れされている。
「返せ!女ぁ!」
『………なんか腹立つな。』
男は奪い取られた刀を取り返そうと右手に苦無を持ち突きかかってくるが刀の等身で受け止め横に払う。
目の前の男は感情に左右され理性的でない。忍者というのはあらゆる状況に冷静に対処するのが務めでありそんな男は忍者でない。
「くそっ!くそっ!!!」
幾分か打ち合いを続けると男が根をあげ声を上げ始める。終わらない戦いにこちらも疲れてくる。
こんな女如き何故私の攻撃が通用しない。唯でさえ土井半助に勝てないのにましてや女のくの一に勝てない。
そう怒りが込み上げ感情的に成れば成る程自身の攻撃が乱れてくる。
『ねぇ、いつまで続けるのこれ?』
「なっ、何だと!!!」
徐に女が口を開く。さっきから何度も何度も斬りかかっているのに女は息も荒げずそ冷静に対応している。この女私はプロ忍者なのに!女に冴え勝てない自分に不甲斐なさを感じているのに!
「そっ、それはお前が倒れるまでだ!」
『……嘘でしょ。』
この男まだ続ける気?あれから数刻が経ち土井先生を見るとなんかまだ見守ってるし。いい加減仲裁に入ってくれないかな。
『はぁ。』
「なっ、何だその態度は!」
「それ、いい加減うるさい。」
「馬鹿にしやがって!女に負ける私ではないわ!」
『そう………ならその女が終わらせよう。』
「何っ?」
持っていた刀を右に振払い構え男の懐に入り込む。男は想像だにしなかったのか一瞬躊躇い苦無を構える。一撃目の突きを苦無で払われるとその返る刀で男の口元の布を斬り落とす。斬られた男は驚愕の顔をあらわにする。
「なっ、何!」
『動きを読めなかった貴様が悪い。』
「っ、くそっ!」
それでも男は苦無で突きかかってくるがその手首を刀の鍔で打ち苦無を地面に落とす。
『また丸腰。』
「まだだ!」
武器を失った男は無我夢中で足払い、殴打を繰り出すがことごとくかわす。やがて男に襟を掴まれ力を込めて後ろに倒れるように上に投げ飛ばすと歓喜の声を上げ先程落とした苦無を構える。
「やった!女!お前の負けだ!!!」
『はっ、功を奏したな。』
「何っ!?っ!」
地面に落ちる重力を利用し苦無を男に投げ飛ばすと苦無で弾き飛ばされ一瞬男の視界を遮る。男の体勢を崩し倒れそうな隙を逃さないように刀を持ったまま全体重を刀に乗せ突き刺すようにし男の顔の横の地面に深々と刺す。
男の頬に血が伝い耳元に囁く。
『お前の負けだ…認めろ。』
「…っ……くそっ………。」
「はいはい、そこまで!」
そう土井先生の静止の声が聞こえると刀から手を退け後退しながら土井先生の元に向かう。
「名前見事だったな。」
『先生、もう少し早く止めてもらえないと困ります。』
「お前の戦い振りを久しぶりに見たくてな。」
「先生いい性格してますね。」
「すまんすまん。」
『はぁ……』
土井先生の言葉に苦笑いが出る。男も立ち上がり土井先生の元に向かってくる。タフな男だ。
「土井半助!!!」
「やぁ諸泉君!久しぶりだね!」
「なんだこの女は!」
「彼女はくの一教室の苗字名前だ。」
『先生、名前教えないで貰えます?』
「悪かった、名前にも紹介しておこう!タソガレドキ城の忍者、諸泉尊奈門君だ!」
「土井半助!勝手に教えるな!!!」
『うるさっ…』
「なんだと!」
タソガレドキ?黄昏時……あぁ前にあった雑渡昆奈門さんの忍者隊か。何か見覚えがあると思ったらそういう事。
「女ぁ!お前勝ったと思うなよ!」
『その顔面…刀を突き刺しても良かったな。』
「なっ!貴様ー!!!くっ……!」
男の顔が怒りで赤面しその煩わしさに殺気を込め冷たい眼で見ると男が黙る。
「ほらほら喧嘩は終わりにして!諸泉君は私に何の用事かな?」
「くっ!元はお前がこの女と一緒に居るからだろう!」
そう言い男に声をかける土井先生に諸泉尊奈門が声を荒げる。確かにそれはこの男のいう通りだ。私はただ先生の手伝いをして厄介事に巻き込まれたのだ。
『用が済んだら私は去ります。』
「あっ、待て!苗字 名前!!!」
『げっ…』
その場を去ろうとすると諸泉尊奈門に呼び止められる。こんな面倒臭い男とはもう金輪際関わりたくない。
『何?』
「今日は負けたが今度は勝ってやる!覚悟しとけ!」
『ふーん…負けたって認めるんだ。』
「あっ!…っ貴様ー!」
『扱い易い男。』
「はいはい、名前も挑発しない!」
『この男がしつこいんです。』
「やるか!貴様!!!」
『今度こそ息の根を止めてやろうか?』
「あ!諸泉君困るよ入門票にサインしてくれないと!」
「げっ!お前は小松田秀作!!!」
そうやり取りしていると忍術学園のサイドワインダーである小松田さんが現れ追われる男だった。
_______________________
(いたた……。)
(帰ったのか諸泉尊奈門。)
(組頭!)
(くの一に負けたのか?)
(くっ………んっ!?なんで知って!)
(まだまだだな尊奈門。)
(組頭!まさかこの間のくの一って!?)
(彼女は強いよ。)
(ぬあっー!苗字名前ーーー!!!)
(うわっ、なんか寒気が。)
『土井先生、この火薬はここでいいでしょうか?』
「あぁそこでいい。ありがとう名前。」
今日は授業で使用した火薬を土井先生と片付けている。火薬倉庫は普段火薬委員で管理を行う為その顧問である土井先生と作業をしている。
「ふぅ、無事に終わった。手伝ってくれてありがとう名前。」
『いえ、大変そうだったので大丈夫ですよ。』
「全くあいつらときたら…」
作業を終え火薬倉庫を後にし土井先生と庭を歩き帰路に着く。今日の授業は一年は組が焙烙火矢で爆発に巻き込まれ、授業で教えた事を覚えていない事に頭を悩め胃を痛めている事。土井先生の苦労話が絶えず話を傾聴する。
『はは…先生も苦労してますね。』
「分かってくれるか?」
『えぇ。』
土井先生の愚痴が止まらない。話を聞くと授業の後は一年は組の補習授業、休日はきり丸のバイトに付き合わされ、家では隣のおばちゃんに町内会の溝掃除をさせられ独身なのに色々と苦労話が尽きない土井先生に共感する。先生苦労しているな。途中胃を抱えるように話をするけどストレスの比が比べものにならない。そう話している土井先生の背中をさする。土井先生頑張れ。
「…… 名前、気付いているか?」
『えぇ……何者かが此方を見ています。』
周囲から殺気を感じる。しかしこれは明らかに土井先生を狙っている。忍術学園の学舎でこんなに隠していない殺気は怖いもの知らずなのか又、執着を感じる。
「…… 名前は下がってなさい。」
『……何か身に覚えがあるのですか?』
「ちょっとな。」
殺気から気配を探ろうとすると学舎の外堀から目にも留まらぬ速さで黄昏色の忍び装束を着た忍者が目の前に姿を現す。自分より年上だが若い男だった。
「土井半助!覚悟ーー!!!」
目の前の若い男はそう言い土井先生に刀で斬りかかる。自身の懐に仕込んでいた苦無を引き抜き、刀が振り下ろされる寸前で受け止め払いのけると若い男は跳躍し後ろに後退する。
『先生ご無事で?』
「あぁ、全く無茶をして。」
『で、あの男はなんでしょう?』
「知り合いというか何というか……はぁ。」
土井先生が溜息をしている。どんな関係性なの?
「女ーっ!邪魔をするなら斬る!!!」
『……だそうです。土井先生。』
「苗字は引っ込んでなさい。」
『あれは話ができないですね。』
「あれって………。」
男はそういうと此方に向かってくる。口元を布で覆う。
再び目の前に来ると刀を振り下ろし苦無で応戦する。金属と金属が重なり周囲に金属音が反響し振り払うと刀を素早く突き出してくる。それを苦無で受け止め左右にかわす。
男は通用しないと分かると左手に刀を持ち替え振り上げて落とすと見せ、右手で胸ぐらを掴み引っ張られる。されるがまま引き寄せられると男の左手首に手刀を打ち左手から刀が滑り落ちる。
「ぐっ!」
『せっかくの武器落としちゃ駄目でしょ。』
「くそっ!」
そう言い滑り落ちた刀を奪い取り後退し距離を置く。いい刀身だ。しっかり切先まで手入れされている。
「返せ!女ぁ!」
『………なんか腹立つな。』
男は奪い取られた刀を取り返そうと右手に苦無を持ち突きかかってくるが刀の等身で受け止め横に払う。
目の前の男は感情に左右され理性的でない。忍者というのはあらゆる状況に冷静に対処するのが務めでありそんな男は忍者でない。
「くそっ!くそっ!!!」
幾分か打ち合いを続けると男が根をあげ声を上げ始める。終わらない戦いにこちらも疲れてくる。
こんな女如き何故私の攻撃が通用しない。唯でさえ土井半助に勝てないのにましてや女のくの一に勝てない。
そう怒りが込み上げ感情的に成れば成る程自身の攻撃が乱れてくる。
『ねぇ、いつまで続けるのこれ?』
「なっ、何だと!!!」
徐に女が口を開く。さっきから何度も何度も斬りかかっているのに女は息も荒げずそ冷静に対応している。この女私はプロ忍者なのに!女に冴え勝てない自分に不甲斐なさを感じているのに!
「そっ、それはお前が倒れるまでだ!」
『……嘘でしょ。』
この男まだ続ける気?あれから数刻が経ち土井先生を見るとなんかまだ見守ってるし。いい加減仲裁に入ってくれないかな。
『はぁ。』
「なっ、何だその態度は!」
「それ、いい加減うるさい。」
「馬鹿にしやがって!女に負ける私ではないわ!」
『そう………ならその女が終わらせよう。』
「何っ?」
持っていた刀を右に振払い構え男の懐に入り込む。男は想像だにしなかったのか一瞬躊躇い苦無を構える。一撃目の突きを苦無で払われるとその返る刀で男の口元の布を斬り落とす。斬られた男は驚愕の顔をあらわにする。
「なっ、何!」
『動きを読めなかった貴様が悪い。』
「っ、くそっ!」
それでも男は苦無で突きかかってくるがその手首を刀の鍔で打ち苦無を地面に落とす。
『また丸腰。』
「まだだ!」
武器を失った男は無我夢中で足払い、殴打を繰り出すがことごとくかわす。やがて男に襟を掴まれ力を込めて後ろに倒れるように上に投げ飛ばすと歓喜の声を上げ先程落とした苦無を構える。
「やった!女!お前の負けだ!!!」
『はっ、功を奏したな。』
「何っ!?っ!」
地面に落ちる重力を利用し苦無を男に投げ飛ばすと苦無で弾き飛ばされ一瞬男の視界を遮る。男の体勢を崩し倒れそうな隙を逃さないように刀を持ったまま全体重を刀に乗せ突き刺すようにし男の顔の横の地面に深々と刺す。
男の頬に血が伝い耳元に囁く。
『お前の負けだ…認めろ。』
「…っ……くそっ………。」
「はいはい、そこまで!」
そう土井先生の静止の声が聞こえると刀から手を退け後退しながら土井先生の元に向かう。
「名前見事だったな。」
『先生、もう少し早く止めてもらえないと困ります。』
「お前の戦い振りを久しぶりに見たくてな。」
「先生いい性格してますね。」
「すまんすまん。」
『はぁ……』
土井先生の言葉に苦笑いが出る。男も立ち上がり土井先生の元に向かってくる。タフな男だ。
「土井半助!!!」
「やぁ諸泉君!久しぶりだね!」
「なんだこの女は!」
「彼女はくの一教室の苗字名前だ。」
『先生、名前教えないで貰えます?』
「悪かった、名前にも紹介しておこう!タソガレドキ城の忍者、諸泉尊奈門君だ!」
「土井半助!勝手に教えるな!!!」
『うるさっ…』
「なんだと!」
タソガレドキ?黄昏時……あぁ前にあった雑渡昆奈門さんの忍者隊か。何か見覚えがあると思ったらそういう事。
「女ぁ!お前勝ったと思うなよ!」
『その顔面…刀を突き刺しても良かったな。』
「なっ!貴様ー!!!くっ……!」
男の顔が怒りで赤面しその煩わしさに殺気を込め冷たい眼で見ると男が黙る。
「ほらほら喧嘩は終わりにして!諸泉君は私に何の用事かな?」
「くっ!元はお前がこの女と一緒に居るからだろう!」
そう言い男に声をかける土井先生に諸泉尊奈門が声を荒げる。確かにそれはこの男のいう通りだ。私はただ先生の手伝いをして厄介事に巻き込まれたのだ。
『用が済んだら私は去ります。』
「あっ、待て!苗字 名前!!!」
『げっ…』
その場を去ろうとすると諸泉尊奈門に呼び止められる。こんな面倒臭い男とはもう金輪際関わりたくない。
『何?』
「今日は負けたが今度は勝ってやる!覚悟しとけ!」
『ふーん…負けたって認めるんだ。』
「あっ!…っ貴様ー!」
『扱い易い男。』
「はいはい、名前も挑発しない!」
『この男がしつこいんです。』
「やるか!貴様!!!」
『今度こそ息の根を止めてやろうか?』
「あ!諸泉君困るよ入門票にサインしてくれないと!」
「げっ!お前は小松田秀作!!!」
そうやり取りしていると忍術学園のサイドワインダーである小松田さんが現れ追われる男だった。
_______________________
(いたた……。)
(帰ったのか諸泉尊奈門。)
(組頭!)
(くの一に負けたのか?)
(くっ………んっ!?なんで知って!)
(まだまだだな尊奈門。)
(組頭!まさかこの間のくの一って!?)
(彼女は強いよ。)
(ぬあっー!苗字名前ーーー!!!)
(うわっ、なんか寒気が。)