長編関連(短編・番外編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
働きましょう
「名前先輩!次の休みバイト一緒にしませんか?」
『あら、何のバイト?』
きり丸が銭の目をしながらやって来た。
実はきり丸とのバイトは初めてじゃない。
きり丸と私の生い立ちは似たようなものがあり、無論私も自分の学費は自分で稼いできた。
今は歳も大きくなりバイト内容によってはそれなりの額を頂く事ができお金も溜まっている為、昔以上に苦労する事はない。
「はい!お店の看板娘です!今回はあの先輩方だとちょっと難しそうなので……」
きり丸が言う先輩方とは長次に文次郎、小平太の三人だ。よくきり丸のバイトに付き合っている姿を見かけるが確かにあの三人の女装は………うん、耐え難い物がある。しかも今回はお店の主人も直々にで向かい規模が大きい茶屋な為、きり丸が慎重になっている。
『そうね。丁度その日休みだし良いわよ。』
「やったー!バイト代は売上げに応じてかなり出すと言ってたのでガンガン稼ぎましょう!」
『きり丸。目が小銭から大銭になってるわ。』
銭の目に余計拍車がかかっている。
「名前先輩、準備できましたか?」
『出来たわ。でも今日のきり丸はきり子ちゃんなのね。』
「はい!今日俺は女装で売りますので名前先輩も宜しくお願いします!」
『分かったわ。』
「名前先輩ならそりゃもうガッポガッポ稼げますので!えへへへっ!!」
『そんな期待はしないでよ。でもきり子ちゃん似合ってるわ。』
茶屋に着き早速着替え、二人で盛り上がっていると店主が奥からやって来た。今日は店主以外にも厨房に人が居る為、私達は接客に集中できる。
「今日のバイトさん達か。おぉ!君達の容姿なら充分客が入りそうだ!宜しくやってくれよ!」
取り敢えず店主には気に入られたみたい。
今回のバイト内容はお客の呼び込みに配膳が私達の仕事である。
「『はーい!喜んで!』」
『「いらっしゃいませ!」』
開店と同時に客引きを行うと、徐々に人が入ってくる。やはり呼び込みが女の子(きり丸は女装)だからか集客は上々である。彼方此方に注文が飛び交いひたすら注文の確認と配膳の繰り返しだ。
午前中はまだ客入りが少ない為、私が店内をやりきり丸が呼び込みを行う。
昼頃になると既に店内は満員御礼だ。厨房では慌ただしく準備しているが私ときり丸も配膳、呼び込みに専念している。
「おい!こっちの注文はまだか?」
余りの人の多さに注文の品が届かない為、苛ついているお客がいる。
『申し訳ございません。もう少しでお持ちしますので今暫くお待ち下さい。』
お客の元に向かい営業スマイルで謝罪を行うと男の顔に笑みが作られる。
「団子なら別にいい!姉ちゃんが相手してくれたら俺は待てるぜ!」
そう男に腕を掴み取られる。
『それは困ります、他のお客様もお待ちさせてますので。』
「俺には関係ない!なぁどうだ?」
『そんなっ……』
従順で控えめな態度を取るのは非常に疲れる。
この男の手を切り落としてやろうか。金的を蹴り上げて締め上げるのもどうだろう。ここが店じゃなければ遠慮なく気絶でも再起不能にするのに。
しかしそんな事できる訳がなくどう切り抜けようか悩む。
「おいお前。嫌がってるだろう。」
「私なら喜んで相手になるぞ!」
「モソッ…………その手を離せ………」
物騒な事を考える傍ら文次郎に小平太、長次が現れ男の腕を掴み捻り上げる。男はヒェッ言いながら店を逃げるように出る。
『文次郎、小平太、長次!』
「名前、何でお前がここにいるんだ?」
『今日はバイトよ。ほらっ』
忙しなく動いているきり丸を見せるとあぁと納得した表情を浮かべる。
「きり丸…………何で私達に言わない………」
『ほ、ほら遠慮してきっと言いにくかったのよ。』
「でも名前、その格好なんだか新鮮で可愛いな!」
『ふふっ、そう煽てても何も出ないわよ。』
「留三郎が怒りそうだ………」
『長次、何で留三郎が出てくるの?』
「つかお前、あんな奴どうにか出来ただろう。」
『文次郎、今の私は町娘よ。したくても出来ないわ。』
「忍者たるものいつでもギンギンに忍者するものだ!」
『時と場合を考えるわ。ほら注文は?』
三人の注文を取り厨房に通す。
その間も来客が途切れる事なく、在庫が切れた夕方になるとようやく閉店した。
「いやー!君達のお陰で大繁盛だった!これはバイト代だ!売り上げに応じてちゃんと入れてるからな!」
「ありがとうございます!!!」
きり丸が銭の目をしながらバイト代に飛びつく。
中身を確認するとそれなりの額が入っており確かに受け取った。
「よければまた君達にバイトしてもらえたらと思ってるんだがどうだ?」
「はぁい!勿論です!その時は是非お申し付け下さぁい!」
『きり子ちゃん、私の返事は?』
「あっ…」
きり丸の反応にクスッと笑ってしまう。
でも今日のバイトは気分転換になった。
偶には前みたいにバイトするのも悪くないわね。
きり丸と店を出ると店の外にはあの三人も居た。
「お前達、遅かったな。」
『あれ、文次郎達まだ居たの?』
「昼間の男がお前達が終わるの待ってたからな。」
「ギタギタにしたぞ!いい鍛錬だった!」
「モソッ………… 名前、きり丸……今度からは気をつけろ。」
『あら、私が相手にしたかったのに残念。』
「お前の場合、半殺しは確実だろ。」
『私が泣き寝入りするとでも?』
目を細めて文次郎に視線を向ける。
自分で片したかったがそれが出来なかったのは非常に残念だ。
『でも三人共ありがとう。学園に帰りましょ。』
五人で学園の帰路に着く。
「きり丸!次のバイトは俺達を誘ってくれよ!」
「いけいけどんどーんで!働くからな!」
「ははっ、今度のバイトは先輩方に声掛けさせて頂きます……」
「モソッ…………そういえば……名前は今までどんなバイトをしてきたんだ…………」
『私?、今日みたいな茶屋、物売りとかかな。あとはっ………………まぁ似たような内容ばかりね。』
危ない。時折学園長から頂いていた任務であったり悪者の排除とか危ないものも言いそうになった。
でも偶には皆んなでバイト終わりに帰るのも悪くない。
_______________________
(留三郎、伊作!差し入れだ!)
(うわぁ!小平太達ありがとう!)
(お、これは何処の団子だ?)
(名前のバイト先だ!)
(何!あいつバイトしてたのか!)
(……………男に狙われていた……モソッ)
(残念だったな留三郎!名前の働く姿が見れなくて)
(あぁ!?って待て長次!さっきのはどういう事だ?)
(なははっ!私達がやっつけたから大丈夫だ!)
(……てか名前は大丈夫だったの?)
(……………目の奥に殺意が感じられた)
(名前らしいね)
「名前先輩!次の休みバイト一緒にしませんか?」
『あら、何のバイト?』
きり丸が銭の目をしながらやって来た。
実はきり丸とのバイトは初めてじゃない。
きり丸と私の生い立ちは似たようなものがあり、無論私も自分の学費は自分で稼いできた。
今は歳も大きくなりバイト内容によってはそれなりの額を頂く事ができお金も溜まっている為、昔以上に苦労する事はない。
「はい!お店の看板娘です!今回はあの先輩方だとちょっと難しそうなので……」
きり丸が言う先輩方とは長次に文次郎、小平太の三人だ。よくきり丸のバイトに付き合っている姿を見かけるが確かにあの三人の女装は………うん、耐え難い物がある。しかも今回はお店の主人も直々にで向かい規模が大きい茶屋な為、きり丸が慎重になっている。
『そうね。丁度その日休みだし良いわよ。』
「やったー!バイト代は売上げに応じてかなり出すと言ってたのでガンガン稼ぎましょう!」
『きり丸。目が小銭から大銭になってるわ。』
銭の目に余計拍車がかかっている。
「名前先輩、準備できましたか?」
『出来たわ。でも今日のきり丸はきり子ちゃんなのね。』
「はい!今日俺は女装で売りますので名前先輩も宜しくお願いします!」
『分かったわ。』
「名前先輩ならそりゃもうガッポガッポ稼げますので!えへへへっ!!」
『そんな期待はしないでよ。でもきり子ちゃん似合ってるわ。』
茶屋に着き早速着替え、二人で盛り上がっていると店主が奥からやって来た。今日は店主以外にも厨房に人が居る為、私達は接客に集中できる。
「今日のバイトさん達か。おぉ!君達の容姿なら充分客が入りそうだ!宜しくやってくれよ!」
取り敢えず店主には気に入られたみたい。
今回のバイト内容はお客の呼び込みに配膳が私達の仕事である。
「『はーい!喜んで!』」
『「いらっしゃいませ!」』
開店と同時に客引きを行うと、徐々に人が入ってくる。やはり呼び込みが女の子(きり丸は女装)だからか集客は上々である。彼方此方に注文が飛び交いひたすら注文の確認と配膳の繰り返しだ。
午前中はまだ客入りが少ない為、私が店内をやりきり丸が呼び込みを行う。
昼頃になると既に店内は満員御礼だ。厨房では慌ただしく準備しているが私ときり丸も配膳、呼び込みに専念している。
「おい!こっちの注文はまだか?」
余りの人の多さに注文の品が届かない為、苛ついているお客がいる。
『申し訳ございません。もう少しでお持ちしますので今暫くお待ち下さい。』
お客の元に向かい営業スマイルで謝罪を行うと男の顔に笑みが作られる。
「団子なら別にいい!姉ちゃんが相手してくれたら俺は待てるぜ!」
そう男に腕を掴み取られる。
『それは困ります、他のお客様もお待ちさせてますので。』
「俺には関係ない!なぁどうだ?」
『そんなっ……』
従順で控えめな態度を取るのは非常に疲れる。
この男の手を切り落としてやろうか。金的を蹴り上げて締め上げるのもどうだろう。ここが店じゃなければ遠慮なく気絶でも再起不能にするのに。
しかしそんな事できる訳がなくどう切り抜けようか悩む。
「おいお前。嫌がってるだろう。」
「私なら喜んで相手になるぞ!」
「モソッ…………その手を離せ………」
物騒な事を考える傍ら文次郎に小平太、長次が現れ男の腕を掴み捻り上げる。男はヒェッ言いながら店を逃げるように出る。
『文次郎、小平太、長次!』
「名前、何でお前がここにいるんだ?」
『今日はバイトよ。ほらっ』
忙しなく動いているきり丸を見せるとあぁと納得した表情を浮かべる。
「きり丸…………何で私達に言わない………」
『ほ、ほら遠慮してきっと言いにくかったのよ。』
「でも名前、その格好なんだか新鮮で可愛いな!」
『ふふっ、そう煽てても何も出ないわよ。』
「留三郎が怒りそうだ………」
『長次、何で留三郎が出てくるの?』
「つかお前、あんな奴どうにか出来ただろう。」
『文次郎、今の私は町娘よ。したくても出来ないわ。』
「忍者たるものいつでもギンギンに忍者するものだ!」
『時と場合を考えるわ。ほら注文は?』
三人の注文を取り厨房に通す。
その間も来客が途切れる事なく、在庫が切れた夕方になるとようやく閉店した。
「いやー!君達のお陰で大繁盛だった!これはバイト代だ!売り上げに応じてちゃんと入れてるからな!」
「ありがとうございます!!!」
きり丸が銭の目をしながらバイト代に飛びつく。
中身を確認するとそれなりの額が入っており確かに受け取った。
「よければまた君達にバイトしてもらえたらと思ってるんだがどうだ?」
「はぁい!勿論です!その時は是非お申し付け下さぁい!」
『きり子ちゃん、私の返事は?』
「あっ…」
きり丸の反応にクスッと笑ってしまう。
でも今日のバイトは気分転換になった。
偶には前みたいにバイトするのも悪くないわね。
きり丸と店を出ると店の外にはあの三人も居た。
「お前達、遅かったな。」
『あれ、文次郎達まだ居たの?』
「昼間の男がお前達が終わるの待ってたからな。」
「ギタギタにしたぞ!いい鍛錬だった!」
「モソッ………… 名前、きり丸……今度からは気をつけろ。」
『あら、私が相手にしたかったのに残念。』
「お前の場合、半殺しは確実だろ。」
『私が泣き寝入りするとでも?』
目を細めて文次郎に視線を向ける。
自分で片したかったがそれが出来なかったのは非常に残念だ。
『でも三人共ありがとう。学園に帰りましょ。』
五人で学園の帰路に着く。
「きり丸!次のバイトは俺達を誘ってくれよ!」
「いけいけどんどーんで!働くからな!」
「ははっ、今度のバイトは先輩方に声掛けさせて頂きます……」
「モソッ…………そういえば……名前は今までどんなバイトをしてきたんだ…………」
『私?、今日みたいな茶屋、物売りとかかな。あとはっ………………まぁ似たような内容ばかりね。』
危ない。時折学園長から頂いていた任務であったり悪者の排除とか危ないものも言いそうになった。
でも偶には皆んなでバイト終わりに帰るのも悪くない。
_______________________
(留三郎、伊作!差し入れだ!)
(うわぁ!小平太達ありがとう!)
(お、これは何処の団子だ?)
(名前のバイト先だ!)
(何!あいつバイトしてたのか!)
(……………男に狙われていた……モソッ)
(残念だったな留三郎!名前の働く姿が見れなくて)
(あぁ!?って待て長次!さっきのはどういう事だ?)
(なははっ!私達がやっつけたから大丈夫だ!)
(……てか名前は大丈夫だったの?)
(……………目の奥に殺意が感じられた)
(名前らしいね)