長編関連(短編・番外編)
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動揺
「名前先輩、ここを教えて下さい!」
『何何、ここはこうで、こうしたらどう?』
「あ、分かりました!ありがとうございます!」
「名前先輩!委員会を手伝ってほしいんです!」
『分かった、向かうわ。』
「苗字、ちょっとこの案を見てほしいんだが。」
『分かりました。確認します。』
「「名前先輩!」」
様々な後輩、先生に呼び止められ愚痴も言わずに忙しなく相手をしている名前の姿がそこにはある。
しかし俺の恋仲である名前の引っ切り無しに呼び止められている姿に些か嫉妬を覚える。
「わぁー、名前忙しそうだね。留三郎。」
「あぁ、そうだな。」
「名前ってほんと人気者だよね。」
確かに伊作の言う通りだ。後輩だけでなく先生方からの支持も高く頼りにされている。そんな名前が恋仲なのは俺だけの特権であるが、まだ名前を狙っている輩は居る。そう例えば……
「名前先輩、俺らがお手伝いしましょうか?」
『三郎。気持ちは嬉しいけど大丈夫よ。』
「でもこれだけの量を一人では大変ですよ。」
『勘右衛門も気にしてくれてありがとう。』
あいつら五年生だ。しかも一番厄介な学級委員長委員会の二人。あいつら絶対俺と名前が恋仲なのを知っててわざとやってやがる。その証拠に二人がニヤニヤしながら俺を見てる始末だ。
「余裕がないな、留三郎の奴。」
「仙蔵。」
「まぁ私ならあんな奴ら、敢えて仲を見せつけてやるがな。」
「仙蔵ってほんと腹黒いよね。」
「留三郎、お前名前と恋仲なのだろう。」
「そうだが……」
「お前がそんなだと名前を取られるぞ。」
その言葉がグサリと胸に刺さる。確かにそうだ。
でも決して今の状態に胡座をかいているのではない。しかし最近只えさえ名前との距離を遠く感じるのは事実である。
『まぁ並の忍者より強くて、気立てが良く、成績実技共に優秀な名前の相手なんかお前に務まるものか。』
「何が言いたい…」
仙蔵の言葉にやけに突っかかってしまう。
その様子に隣に居た伊作があわあわと狼狽えている。
「そのままの意味だが?」
「てめぇ、喧嘩売ってるのか。」
「……そうだと言ったら?」
『留三郎、仙蔵に伊作どうしたの?』
すると名前が俺らの側にやってきた。
俺らの雰囲気に只事ではないと気付きやって来たのであろう。
その様子に仙蔵がふっと笑い、名前に笑みを向ける。
「何、少し留三郎をからかっただけだ。」
『からかう……』
「……伊作行くぞ!」
俺と仙蔵を見比べる名前。こんな所を見られたくなかった俺は何事もなかったように足を進める。
「えっ、あ、名前ごめん!……待ってよ留三郎!」
今の状態で名前と向き合う事など出来ない。
仙蔵に言われた事が頭の中でぐるぐると繰り返される。その事は前から自分でも思っていた事だったから余計刺さるものだった。
後日、用具委員会で溜まっていた壊れた物の修補を行っていた。
今日は委員会活動ではない為、後輩達は呼んでいない。広い用具倉庫での修補は静かで作業が進む。頭を冷やすには丁度いい場所だ。
『……留三郎、入っていい?』
「んっ?…… 名前…」
戸口から人が現れたと思ったら名前の姿があった。
断る理由が無くそのまま用具倉庫に招き入れる。
『伊作に聞いたらここにいるって聞いたから来ちゃった。』
「そうか。」
そんな名前に嬉しさを覚える。わざわざ俺に会いに来たのか。しかし名前とはあの件以来会って居なかった為多少気まずい。
「他の所に行かなくていいのか。」
素直に会えて嬉しいと言えない自身が憎く感じる。
よっぽど仙蔵に言われた事が響いているものだ。
『伊作から聞いた。仙蔵に何を言われたか。』
その言葉に修補していた手が止まる。伊作話したのか。しかしそのまま手を再開し気にも止めないようにする。
「そうか………何を思った……」
『くそ喰らえって思った。』
「ぶはっ!」
いきなりの名前の暴言に思わず吹き出る。
その様子にニコニコと微笑んでいる。
『やっと笑ってくれた。』
そう言われ名前と目が合う。
どうやら名前によればあの日以降俺の表情は険しくあの伊作で冴え困っていたものだったらしい。
『ここ数日留三郎と会えなかった日々は、とても寂しかった。』
名前が修補している俺に向かい近付き心中を話す。
そんなの俺の方が寂しかったに決まってる。
「俺も寂しかった……」
二人の距離がゼロになると名前が俺を抱き寄せる。
名前の良い匂いに包まれ思考が鈍る。今だけは俺だけの名前だと認識させられ自身の腕を名前の腰に絡める。
再び名前が顔を上げ、真剣な様子で俺を見つめる。
『私の隣は私が決める。仮に貴方が嫌って言っても逃さない。』
名前が耳元に顔を近づけ囁いてくる。
『ほら、留三郎。』
俺の手を名前が自身の胸に添える。そこには心臓が胸の外へ飛び出すのではないかと言うほど激しい鼓動を打っている。
『私は貴方しか見えていないわ。』
頬を染めながら言う名前のその台詞にゾクゾクと背筋に駆け巡る。名前の目は俺を逃さないと言わんばかりに捉えている。俺が欲しかった言葉を糸も容易く言ってくれる名前にようやく安心を覚えた。
俺は本当に今生でとんでもない奴に惚れ込んでしまったものだ。
口をつけるかつけないかギリギリの距離で名前が近付く。
『責任は取ってよね。』
「勿論だ。」
『でも留三郎が私以外に好きな人ができたら潔く去るけど。』
「なっ!お前以外にそんなのはできん!」
『良かった。』
そうお互いに引き寄せるように唇を重ねる。
俺らの恋路を邪魔する者には今後容赦しない。
そう決心する程の熱い口吸いを交わす。
_______________________
(仙蔵、私の留三郎を虐めないでくれる?)
(なんだ、聞いたのか。面白くない)
(後は、あの後輩二人ね)
(あの二人なら留三郎がシメていたぞ)
(あら、もっと好きになるわ)
(惚気はいらん)
「名前先輩、ここを教えて下さい!」
『何何、ここはこうで、こうしたらどう?』
「あ、分かりました!ありがとうございます!」
「名前先輩!委員会を手伝ってほしいんです!」
『分かった、向かうわ。』
「苗字、ちょっとこの案を見てほしいんだが。」
『分かりました。確認します。』
「「名前先輩!」」
様々な後輩、先生に呼び止められ愚痴も言わずに忙しなく相手をしている名前の姿がそこにはある。
しかし俺の恋仲である名前の引っ切り無しに呼び止められている姿に些か嫉妬を覚える。
「わぁー、名前忙しそうだね。留三郎。」
「あぁ、そうだな。」
「名前ってほんと人気者だよね。」
確かに伊作の言う通りだ。後輩だけでなく先生方からの支持も高く頼りにされている。そんな名前が恋仲なのは俺だけの特権であるが、まだ名前を狙っている輩は居る。そう例えば……
「名前先輩、俺らがお手伝いしましょうか?」
『三郎。気持ちは嬉しいけど大丈夫よ。』
「でもこれだけの量を一人では大変ですよ。」
『勘右衛門も気にしてくれてありがとう。』
あいつら五年生だ。しかも一番厄介な学級委員長委員会の二人。あいつら絶対俺と名前が恋仲なのを知っててわざとやってやがる。その証拠に二人がニヤニヤしながら俺を見てる始末だ。
「余裕がないな、留三郎の奴。」
「仙蔵。」
「まぁ私ならあんな奴ら、敢えて仲を見せつけてやるがな。」
「仙蔵ってほんと腹黒いよね。」
「留三郎、お前名前と恋仲なのだろう。」
「そうだが……」
「お前がそんなだと名前を取られるぞ。」
その言葉がグサリと胸に刺さる。確かにそうだ。
でも決して今の状態に胡座をかいているのではない。しかし最近只えさえ名前との距離を遠く感じるのは事実である。
『まぁ並の忍者より強くて、気立てが良く、成績実技共に優秀な名前の相手なんかお前に務まるものか。』
「何が言いたい…」
仙蔵の言葉にやけに突っかかってしまう。
その様子に隣に居た伊作があわあわと狼狽えている。
「そのままの意味だが?」
「てめぇ、喧嘩売ってるのか。」
「……そうだと言ったら?」
『留三郎、仙蔵に伊作どうしたの?』
すると名前が俺らの側にやってきた。
俺らの雰囲気に只事ではないと気付きやって来たのであろう。
その様子に仙蔵がふっと笑い、名前に笑みを向ける。
「何、少し留三郎をからかっただけだ。」
『からかう……』
「……伊作行くぞ!」
俺と仙蔵を見比べる名前。こんな所を見られたくなかった俺は何事もなかったように足を進める。
「えっ、あ、名前ごめん!……待ってよ留三郎!」
今の状態で名前と向き合う事など出来ない。
仙蔵に言われた事が頭の中でぐるぐると繰り返される。その事は前から自分でも思っていた事だったから余計刺さるものだった。
後日、用具委員会で溜まっていた壊れた物の修補を行っていた。
今日は委員会活動ではない為、後輩達は呼んでいない。広い用具倉庫での修補は静かで作業が進む。頭を冷やすには丁度いい場所だ。
『……留三郎、入っていい?』
「んっ?…… 名前…」
戸口から人が現れたと思ったら名前の姿があった。
断る理由が無くそのまま用具倉庫に招き入れる。
『伊作に聞いたらここにいるって聞いたから来ちゃった。』
「そうか。」
そんな名前に嬉しさを覚える。わざわざ俺に会いに来たのか。しかし名前とはあの件以来会って居なかった為多少気まずい。
「他の所に行かなくていいのか。」
素直に会えて嬉しいと言えない自身が憎く感じる。
よっぽど仙蔵に言われた事が響いているものだ。
『伊作から聞いた。仙蔵に何を言われたか。』
その言葉に修補していた手が止まる。伊作話したのか。しかしそのまま手を再開し気にも止めないようにする。
「そうか………何を思った……」
『くそ喰らえって思った。』
「ぶはっ!」
いきなりの名前の暴言に思わず吹き出る。
その様子にニコニコと微笑んでいる。
『やっと笑ってくれた。』
そう言われ名前と目が合う。
どうやら名前によればあの日以降俺の表情は険しくあの伊作で冴え困っていたものだったらしい。
『ここ数日留三郎と会えなかった日々は、とても寂しかった。』
名前が修補している俺に向かい近付き心中を話す。
そんなの俺の方が寂しかったに決まってる。
「俺も寂しかった……」
二人の距離がゼロになると名前が俺を抱き寄せる。
名前の良い匂いに包まれ思考が鈍る。今だけは俺だけの名前だと認識させられ自身の腕を名前の腰に絡める。
再び名前が顔を上げ、真剣な様子で俺を見つめる。
『私の隣は私が決める。仮に貴方が嫌って言っても逃さない。』
名前が耳元に顔を近づけ囁いてくる。
『ほら、留三郎。』
俺の手を名前が自身の胸に添える。そこには心臓が胸の外へ飛び出すのではないかと言うほど激しい鼓動を打っている。
『私は貴方しか見えていないわ。』
頬を染めながら言う名前のその台詞にゾクゾクと背筋に駆け巡る。名前の目は俺を逃さないと言わんばかりに捉えている。俺が欲しかった言葉を糸も容易く言ってくれる名前にようやく安心を覚えた。
俺は本当に今生でとんでもない奴に惚れ込んでしまったものだ。
口をつけるかつけないかギリギリの距離で名前が近付く。
『責任は取ってよね。』
「勿論だ。」
『でも留三郎が私以外に好きな人ができたら潔く去るけど。』
「なっ!お前以外にそんなのはできん!」
『良かった。』
そうお互いに引き寄せるように唇を重ねる。
俺らの恋路を邪魔する者には今後容赦しない。
そう決心する程の熱い口吸いを交わす。
_______________________
(仙蔵、私の留三郎を虐めないでくれる?)
(なんだ、聞いたのか。面白くない)
(後は、あの後輩二人ね)
(あの二人なら留三郎がシメていたぞ)
(あら、もっと好きになるわ)
(惚気はいらん)