埃
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夜明けになり、太陽が明るく部屋を照らしだしても、
彼は一向に部屋には戻ってこなかった。
私は眠れず、動かず、
ただ彼の部屋でじっとしていた。
“全部忘れろ” “色々すまん”
その言葉が、
もう自分に関わるなという風に聞こえてならなかった。
忘れろって何を。
講義のこと?あの涙のこと?
それとも彼と過ごした全部?
私はどうすればよかったのだろう。
その事をずっと考えていた。
彼はお隣さんで、たまたま私の大学の講師で、
そうして偶然にあのマークが気になって、
それを教えてもらうことになっただけ。
言葉で説明すると、
なんて簡単に済んでしまうんだろう。
しかし、明らかにそれでは語れない
重たくて柔らかくて、そして悲しい何かが心にある。
「私‥。」
あの時彼を抱き締め返していれば、
何かが変わっていたのだろうか。
雲を掴んで袋に入れるように
無意味でキリのないことに頭が動く。
そんな気持ちとは裏腹に、
外では鳥がさえずり、
近所の人たちの声が聞こえる。
私も学校行かなくちゃ。
どこか頭の中で声がした。
ゆっくりと立ち上がり、玄関へと向かう。
ドアを閉じる時、
彼の部屋をもう一度見回した。
本だらけの部屋に小さな机とストーブと布団。
小さな埃が舞い、日に照らされ、
キラキラ光って綺麗だった。
彼は一向に部屋には戻ってこなかった。
私は眠れず、動かず、
ただ彼の部屋でじっとしていた。
“全部忘れろ” “色々すまん”
その言葉が、
もう自分に関わるなという風に聞こえてならなかった。
忘れろって何を。
講義のこと?あの涙のこと?
それとも彼と過ごした全部?
私はどうすればよかったのだろう。
その事をずっと考えていた。
彼はお隣さんで、たまたま私の大学の講師で、
そうして偶然にあのマークが気になって、
それを教えてもらうことになっただけ。
言葉で説明すると、
なんて簡単に済んでしまうんだろう。
しかし、明らかにそれでは語れない
重たくて柔らかくて、そして悲しい何かが心にある。
「私‥。」
あの時彼を抱き締め返していれば、
何かが変わっていたのだろうか。
雲を掴んで袋に入れるように
無意味でキリのないことに頭が動く。
そんな気持ちとは裏腹に、
外では鳥がさえずり、
近所の人たちの声が聞こえる。
私も学校行かなくちゃ。
どこか頭の中で声がした。
ゆっくりと立ち上がり、玄関へと向かう。
ドアを閉じる時、
彼の部屋をもう一度見回した。
本だらけの部屋に小さな机とストーブと布団。
小さな埃が舞い、日に照らされ、
キラキラ光って綺麗だった。