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「やっと‥ついた。」
車から降り、私は深く息を吐き出す。
「ハハ、長旅お疲れさん。」
「誰のせいだと思ってるんですか。」
通常ならかけなくてもいい時間を、
彼の「急がば回れ」に付き合わされ、
着いたのはもう夕方過ぎだった。
「楽しかただろ、車デート。」
と彼は微塵も悪びれていない。
「楽しくありません!早く行きますよ!」
「ハハ、怖い顔。」
そういいながら、ニコリの中に入って行く。
選択肢は割りかしあったはずなのだが、
あっちこっちと道を外れて行くうちにこの1つへと絞られた。
私も早足で彼に追いつき、自動ドアをくぐる。
新生活でも何でもないが、
日曜日なだけあり大勢の人がそこに来ていた。
皆、思い思いに自分の生活を向上させる努力をしている。
「で。何だたか。」
「暖房器具、でしょう。」
「それと嵐の布団。」
「私のは洗えば十分です。
それに布団が要るのはそっちでしょう。」
あの何もない部屋を思い出し、必要なものを考える。
そうすると、自動的に魘された彼を思い出さなければいけなくなって苦労した。
どちらにせよまずは布団だと譲らない彼に気圧されて、
私達は寝具コーナーに行く。
その道々、机類、カーテン、などが置かれている通路を通り過ぎる。
キッチン用品に差し掛かった時、
ふとした疑問を彼にぶつけてみた。
「あの、
料理とかって普段どうしてるんですか?」
彼の家にもコンロや水道は勿論あるが、
肝心の食器その他の道具類が見当たらなかったからだ。
「普段?普段は嵐と食てるね。」
愚問だ、という様な顔をしてこちらを見るのはやめてほしい。
「‥じゃなくて。
あんなに上手なのに、
1人の時は作らないんですか?」
「‥因果ね。」
「え?」
彼が呟いた気がしたが、
小さすぎて上手く聞き取れなかった。
「いや、こちの話。
1人で食てても意味ないだろ。」
今の、何だったんだろ。
それにしても。
「‥自分は1人でも食えっていうくせに。」
と、小さく文句を言ってみた。
「何か言たか。」
そう言っても、もう既に聞こえているであろうことは
彼の顔を見ればすぐに分かった。
「いえ、こちらの話です。」
さっきの彼を真似てそう答える。
彼の扱いも、何となく上手くなってきた様な気がする。
「ムカつく奴ね。」
楽しそうに彼は笑う。
柔らかく笑う彼は、
やっぱり素直に綺麗だと思う。
車から降り、私は深く息を吐き出す。
「ハハ、長旅お疲れさん。」
「誰のせいだと思ってるんですか。」
通常ならかけなくてもいい時間を、
彼の「急がば回れ」に付き合わされ、
着いたのはもう夕方過ぎだった。
「楽しかただろ、車デート。」
と彼は微塵も悪びれていない。
「楽しくありません!早く行きますよ!」
「ハハ、怖い顔。」
そういいながら、ニコリの中に入って行く。
選択肢は割りかしあったはずなのだが、
あっちこっちと道を外れて行くうちにこの1つへと絞られた。
私も早足で彼に追いつき、自動ドアをくぐる。
新生活でも何でもないが、
日曜日なだけあり大勢の人がそこに来ていた。
皆、思い思いに自分の生活を向上させる努力をしている。
「で。何だたか。」
「暖房器具、でしょう。」
「それと嵐の布団。」
「私のは洗えば十分です。
それに布団が要るのはそっちでしょう。」
あの何もない部屋を思い出し、必要なものを考える。
そうすると、自動的に魘された彼を思い出さなければいけなくなって苦労した。
どちらにせよまずは布団だと譲らない彼に気圧されて、
私達は寝具コーナーに行く。
その道々、机類、カーテン、などが置かれている通路を通り過ぎる。
キッチン用品に差し掛かった時、
ふとした疑問を彼にぶつけてみた。
「あの、
料理とかって普段どうしてるんですか?」
彼の家にもコンロや水道は勿論あるが、
肝心の食器その他の道具類が見当たらなかったからだ。
「普段?普段は嵐と食てるね。」
愚問だ、という様な顔をしてこちらを見るのはやめてほしい。
「‥じゃなくて。
あんなに上手なのに、
1人の時は作らないんですか?」
「‥因果ね。」
「え?」
彼が呟いた気がしたが、
小さすぎて上手く聞き取れなかった。
「いや、こちの話。
1人で食てても意味ないだろ。」
今の、何だったんだろ。
それにしても。
「‥自分は1人でも食えっていうくせに。」
と、小さく文句を言ってみた。
「何か言たか。」
そう言っても、もう既に聞こえているであろうことは
彼の顔を見ればすぐに分かった。
「いえ、こちらの話です。」
さっきの彼を真似てそう答える。
彼の扱いも、何となく上手くなってきた様な気がする。
「ムカつく奴ね。」
楽しそうに彼は笑う。
柔らかく笑う彼は、
やっぱり素直に綺麗だと思う。