布団と泥とそれからスーツ
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彼の部屋に入り、昨日の雨の被害はないか何となく天井を確認してみる。
意外にも、そこは全く濡れていなかった。
私の部屋だけがそうなのか。
と少々不公平を感じつつも足を進める。
「あの、タオル‥。」
とそれを渡そうとしたのだが、
目の前光景に一瞬たじろいた。
「ん。すまん。」
と言いながら、彼は背中を向けている。
その背中は、衣服を身につけていなかった。
しかし、幸いにも下はジーンズを穿いてくれている。
「‥ここ、置いときます。」
目を逸らし、離れたところにタオルを置く。
「どした。」
そうして彼はそのまま私の方に向いた。
さして日に焼けていないその身体は、
着痩せするタイプなのか、綺麗に筋肉が付いていて、意外にもがっしりしている。
逸らしているものの、
見慣れないものに意識は向いてしまう。
「いえ、別に‥
ていうか出来れば早く服着てください。」
それで私の意図を把握したらしい彼は、
獲物を見つけたとでもいう様に面白そうにまた笑った。
「ハハ、嵐はウブね。」
「っさいな!
早く着てください!」
「嵐はからかい甲斐あるな。」
そう言いながら、彼は適当にその場に落ちていた長Tシャツを被る。
緊張の糸が切れて、私はホッとする。
「そんなに狼狽えなくてもいいのにね。」
さっきの反応が彼のツボにはまったのかなんなのか、また肩を震わせて笑っている。
「だから、うるさいですって!」
「ハハ、猿みたいに赤くなて、
今時そんなやつ居ないね。」
「なっ!」
“猿”という単語に、バイト先での事を思い出す。
“ぜってー惚れてる”
それにまた、顔が熱くなっている気がして、彼から直ぐに背を向ける。
「じゃ、私部屋戻りますから。」
「待つね。」
ドアを開けようと手をかける私を彼が呼び止めた。
「何でしょう。」
「お前、布団、どうするか。」
「どうってクリーニング‥
あ、そうだスーツも」
それでやっと現実に引き戻された。
どうしよう、コインランドリーに行けば直ぐにでも布団は綺麗になるだろうが、ここの近所にそんなものはない。
クリーニング屋も同様だ。
それに、遠出をするにも
あの布団を抱えながらは結構辛いものがある。
私が考え込んでいると、
彼が「よし。」と一言言った。
「何がですか。」
「買いに行くね。」
「は。何処に、何を。」
全く意味がわからない。
「何をて布団。
何処にてその辺何かあるだろ。」
「そんなことしなくても、
それにコインランドリーとか行けばいいし。」
「この辺無いだろ。
それに、暖房器具、買えて言たの忘れたか。」
ついでにとでも言いたいのだろうか。
それは調達したほうが彼の為になるだろうが。
「誰かのせいでスーツ汚れた。
言うこと聞くね。」
そう言われては、私も返す言葉がない。
「‥分かりました。
けど、ここら辺車が無いとそういう店は難しいかと。」
そういう私にニヤリと笑い、
ポケットから鍵を取り出し振って見せた。
意外にも、そこは全く濡れていなかった。
私の部屋だけがそうなのか。
と少々不公平を感じつつも足を進める。
「あの、タオル‥。」
とそれを渡そうとしたのだが、
目の前光景に一瞬たじろいた。
「ん。すまん。」
と言いながら、彼は背中を向けている。
その背中は、衣服を身につけていなかった。
しかし、幸いにも下はジーンズを穿いてくれている。
「‥ここ、置いときます。」
目を逸らし、離れたところにタオルを置く。
「どした。」
そうして彼はそのまま私の方に向いた。
さして日に焼けていないその身体は、
着痩せするタイプなのか、綺麗に筋肉が付いていて、意外にもがっしりしている。
逸らしているものの、
見慣れないものに意識は向いてしまう。
「いえ、別に‥
ていうか出来れば早く服着てください。」
それで私の意図を把握したらしい彼は、
獲物を見つけたとでもいう様に面白そうにまた笑った。
「ハハ、嵐はウブね。」
「っさいな!
早く着てください!」
「嵐はからかい甲斐あるな。」
そう言いながら、彼は適当にその場に落ちていた長Tシャツを被る。
緊張の糸が切れて、私はホッとする。
「そんなに狼狽えなくてもいいのにね。」
さっきの反応が彼のツボにはまったのかなんなのか、また肩を震わせて笑っている。
「だから、うるさいですって!」
「ハハ、猿みたいに赤くなて、
今時そんなやつ居ないね。」
「なっ!」
“猿”という単語に、バイト先での事を思い出す。
“ぜってー惚れてる”
それにまた、顔が熱くなっている気がして、彼から直ぐに背を向ける。
「じゃ、私部屋戻りますから。」
「待つね。」
ドアを開けようと手をかける私を彼が呼び止めた。
「何でしょう。」
「お前、布団、どうするか。」
「どうってクリーニング‥
あ、そうだスーツも」
それでやっと現実に引き戻された。
どうしよう、コインランドリーに行けば直ぐにでも布団は綺麗になるだろうが、ここの近所にそんなものはない。
クリーニング屋も同様だ。
それに、遠出をするにも
あの布団を抱えながらは結構辛いものがある。
私が考え込んでいると、
彼が「よし。」と一言言った。
「何がですか。」
「買いに行くね。」
「は。何処に、何を。」
全く意味がわからない。
「何をて布団。
何処にてその辺何かあるだろ。」
「そんなことしなくても、
それにコインランドリーとか行けばいいし。」
「この辺無いだろ。
それに、暖房器具、買えて言たの忘れたか。」
ついでにとでも言いたいのだろうか。
それは調達したほうが彼の為になるだろうが。
「誰かのせいでスーツ汚れた。
言うこと聞くね。」
そう言われては、私も返す言葉がない。
「‥分かりました。
けど、ここら辺車が無いとそういう店は難しいかと。」
そういう私にニヤリと笑い、
ポケットから鍵を取り出し振って見せた。