「んじゃ、中国思想はどんなものなのか。
まず、思想が現実の生活に密着してる。
彼岸とか神とかそういう形の分からないものは少ない。

それよりも、現実をいかに生きるか、どうすればよいかを考えることの方が多いね。」

自分に興味がある議題なのだが、
それでもつまらなくならないように、噛み下して話してくれるのはとても嬉しい。

「中国思想といえば1番有名なのが孔子ね。
孔子はだいたいどんなやつか嵐も学校で習たことあるだろ。」

「はい、まぁさらっとですけど。
儒教を開いた人ですよね。」

「そね、ま、歴史の話は
嵐が馬鹿だと困るから割愛ね。
そこ掘り下げたら、きりが無いしな。」

「馬鹿は余計です。」

「ハハ、怒てる怒てる。」

また人を馬鹿にして‥。


「それから２つ目の特徴ね。
あのマークが大きく影響してる。

1番典型的なのは“陰陽思想”ていて、
対（つい）の考えが顕著にあるね。
あのプラスとマイナスのやつね。
全ての物事を相対する二つの要素に分けてとらえる思考法。
“どちらもなくてはどちらもダメになる”ていうアレね。」

あのマークを頭に浮かべる。
講義のたび、それが偉大なものだということが何となくではあるが少しづつ分かってきた。


「最後は、
今は流行らないかもしれないけど
“天”を信仰してること。

天ていうのは“天空”のこと。

天は造物主ないし造化の根源であり、
全ての万物を生み出し、
自然界人間界の中心。
それらの動きはすべて
天命に従って営まれるものて考えたね。」

「日本にもそういう考え方、ありますよね。」

「まぁ、昔の奴は、
そういうのを信じるしかなかたのかもな。
ずと畑を相手に汗流して、
毎日生きてりゃ、天を理由にもしたくなるね。」

んな、身も蓋もない‥。

そこまで言い、彼は丼を流しに下げる。

もう食べ終わってしまったのか。
今日の講義も終わりだな。
講義っていうよりは、雑談に近い気もするけど。