待つ人詰む人
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同じ間取りの彼の部屋。
だけど、私のそれとは180度違っていた。
そこにはほとんど家具らしい家具は無い。
テレビも、冷蔵庫も、エアコンも何もかも。
あるのは小さな机と様々な本だけ。
その真ん中に、
寒さに丸まり寝息を立てる彼の姿。
「こんなに寒いところでよく寝れるな‥。」
唖然としていると、
またあの歌が聞こえた。
細い悲しい、消えそうな声。
また彼は泣いているのだろうか。
歌が止み、そろそろ起こそうと彼に近づく。
いつかの静かな顔とは違い、
苦しそうな顔をしている。
何かうなされている様だ。
“ジーモー”
そう私には聞こえた。
か細くも強く聞こえてくるそれは、
おそらく彼の母国語だろう。
辛そうな姿にいたたまれなくなり、
急いで彼をゆり起こす。
「起きて!」
そう言うと同時に、ガバッと彼が起き上がる。
彼は全身に汗をかき、驚いた表情で私を見つめる。
「あの‥。」
そう言っても彼は息を荒くし、肩を上下にさせたままだ。
どうしたらいいのか分からないが、
必死に頭を働かせる。
何か冷やした方がと考えるが、タオルもどこにあるのか分からない。
机の方を見ると、小さな赤い箱が目に入る。
そうだ、タバコ!
机からそれを取り、中から一本出して彼に差し出す。
「これ、吸ってください。」
彼は黙ってそれを受け取り、自分でライターに火をつけた。
「フーッ」
深く一服し、ようやく彼は落ち着いた様だ。
そして「すまん。」と一言呟く。
「よかった、うなされてたから。」
私は心からホッとして、近くに座る。
どうしたのか気になったが、
私は黙ってただ側にいた。
三本目のタバコに火をつけた時、
「向いてるな。」と言い、笑顔を見せる。
もう大分元の彼に戻った様だ。
「何がですか?」と私は聞く。
「察しが良く無いのがたまに傷ね。」
何のことだか分からないが、カチンとくる。
それさえ今は、私を安心させる材料だ。
「こんな寒いところいたら風邪ひきますよ。
親子丼も冷めちゃったし。
早く私の部屋であったまりましょう。」
となるたけ元気に彼に言う。
「‥そね。」
彼も笑ってそれに答えた。
だけど、私のそれとは180度違っていた。
そこにはほとんど家具らしい家具は無い。
テレビも、冷蔵庫も、エアコンも何もかも。
あるのは小さな机と様々な本だけ。
その真ん中に、
寒さに丸まり寝息を立てる彼の姿。
「こんなに寒いところでよく寝れるな‥。」
唖然としていると、
またあの歌が聞こえた。
細い悲しい、消えそうな声。
また彼は泣いているのだろうか。
歌が止み、そろそろ起こそうと彼に近づく。
いつかの静かな顔とは違い、
苦しそうな顔をしている。
何かうなされている様だ。
“ジーモー”
そう私には聞こえた。
か細くも強く聞こえてくるそれは、
おそらく彼の母国語だろう。
辛そうな姿にいたたまれなくなり、
急いで彼をゆり起こす。
「起きて!」
そう言うと同時に、ガバッと彼が起き上がる。
彼は全身に汗をかき、驚いた表情で私を見つめる。
「あの‥。」
そう言っても彼は息を荒くし、肩を上下にさせたままだ。
どうしたらいいのか分からないが、
必死に頭を働かせる。
何か冷やした方がと考えるが、タオルもどこにあるのか分からない。
机の方を見ると、小さな赤い箱が目に入る。
そうだ、タバコ!
机からそれを取り、中から一本出して彼に差し出す。
「これ、吸ってください。」
彼は黙ってそれを受け取り、自分でライターに火をつけた。
「フーッ」
深く一服し、ようやく彼は落ち着いた様だ。
そして「すまん。」と一言呟く。
「よかった、うなされてたから。」
私は心からホッとして、近くに座る。
どうしたのか気になったが、
私は黙ってただ側にいた。
三本目のタバコに火をつけた時、
「向いてるな。」と言い、笑顔を見せる。
もう大分元の彼に戻った様だ。
「何がですか?」と私は聞く。
「察しが良く無いのがたまに傷ね。」
何のことだか分からないが、カチンとくる。
それさえ今は、私を安心させる材料だ。
「こんな寒いところいたら風邪ひきますよ。
親子丼も冷めちゃったし。
早く私の部屋であったまりましょう。」
となるたけ元気に彼に言う。
「‥そね。」
彼も笑ってそれに答えた。