待つ人詰む人
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本日最後の授業、「マルチメディア論」を淡々とこなす。
「来週からは、テレビCMについてです。
それでは出席カードをだして ー」
皆がガタガタと席を離れる。
私もそれに習って席を立つ。
さて、今日も食い扶持を稼ぎに行かなくては。
そう思いながら外へ出るドアに辿り着く。
ここの扉は厚いので、いつも苦心して開けるのだが、
今日は向かい風が吹いてるらしくうまく開けられない。
「えいっ」
と力を込めてドアを押そうと腕をかける。
「ひ弱。」
急に飛んできた言葉に顔が歪む。
この失礼発言は奴だ。
後ろを向くとポケットに手を突っ込み、
少し離れたところで笑う彼がいる。
無視して開けようとするが、数センチ開いたところでまたギィッと音を立ててそれは閉まる。
なんでここのドアは開けにくいんだ。
悪戦苦闘していると、彼が近寄り、
片手で難なくそれを開ける。
「ん。」
「‥どうも。」
そう言って2人で表に出る。
彼も今日はもう帰るらしい。
今朝の彼女達のこともあり、
誰かに見られやしないかと心配する。
「何キョロキョロしてるか。」
彼は歩きながら私に聞く。
「誰かさんが思わせ振りな発言をして、大学内で噂になりかけたからです。」
と怒りを込めながら言う。
「ハハ、そりゃ大変。」
「人事みたいに‥。」
そう呟いて彼を睨む。
「もと堂々としてればいいね。
嵐は学校じゃ借りてきた猫みたいだな。」
嵐と呼ばれたことに、ピクリと反応する。
あの日以来、彼は私のことを名前で呼ぶ。
「私が悪いってことですか。」
「そうね。嵐が悪い。」
ニヤッと笑う彼の顔。
「ムカつく‥
だいたい私は“晩飯”なんて待ってません。
そりゃ、いろいろ教えてもらってるから
感謝は一応しますけど。」
彼には何故か言いたいことを
存分に言うことが出来る。
「ハハ、そうやて言てやればよかたね。
どうせ“他の人じゃないんですか”
なんて嘘ついたんだろ。」
ズバリ当てられて、一瞬焦る。
「まさか聞いてたんですか。」
「いや、推測。」
この人は‥。
「嵐は気、遣いすぎね。
他人なんかどうでもいいだろ。」
その時木枯らしが吹いて、寒さが一気に増す。
「‥そういうわけにはいきません。」
私は俯いて言う。
だって、そんなの無理じゃない。
そんなことしたら
きっと抜き差しならない関係になる。
誰かに色目で見られたり、
誤解を生んだりしてしまう。
私は絶対耐えられない。
「あ、ワタシの生徒。」
と彼が急に後ろの方を向いて言う。
「えっ!どこっ!離れてください!」
と言いながら彼から離れる。
が、後ろを見ても該当する人物はいない。
「騙されたな。」
と、さも楽しいというように笑い出す。
こいつ‥人を貶めといて、
なんて嬉しそうな顔をするんだ。
「悪質。」
そうこうしていると校門に着く。
「今日バイトか。」
「はい、夜まで。」
「じゃ、待ててやるから早く帰れ。」
「シフト制なので出来ません。」
そう言いながら、別方向に歩き出す。
晩飯待ってるのはどっちの方よ。
イライラさせられっぱなしなのに、
“行ってらっしゃい”とヒラヒラ手を振る彼を見て
頬が緩むのは何故だろう。
「来週からは、テレビCMについてです。
それでは出席カードをだして ー」
皆がガタガタと席を離れる。
私もそれに習って席を立つ。
さて、今日も食い扶持を稼ぎに行かなくては。
そう思いながら外へ出るドアに辿り着く。
ここの扉は厚いので、いつも苦心して開けるのだが、
今日は向かい風が吹いてるらしくうまく開けられない。
「えいっ」
と力を込めてドアを押そうと腕をかける。
「ひ弱。」
急に飛んできた言葉に顔が歪む。
この失礼発言は奴だ。
後ろを向くとポケットに手を突っ込み、
少し離れたところで笑う彼がいる。
無視して開けようとするが、数センチ開いたところでまたギィッと音を立ててそれは閉まる。
なんでここのドアは開けにくいんだ。
悪戦苦闘していると、彼が近寄り、
片手で難なくそれを開ける。
「ん。」
「‥どうも。」
そう言って2人で表に出る。
彼も今日はもう帰るらしい。
今朝の彼女達のこともあり、
誰かに見られやしないかと心配する。
「何キョロキョロしてるか。」
彼は歩きながら私に聞く。
「誰かさんが思わせ振りな発言をして、大学内で噂になりかけたからです。」
と怒りを込めながら言う。
「ハハ、そりゃ大変。」
「人事みたいに‥。」
そう呟いて彼を睨む。
「もと堂々としてればいいね。
嵐は学校じゃ借りてきた猫みたいだな。」
嵐と呼ばれたことに、ピクリと反応する。
あの日以来、彼は私のことを名前で呼ぶ。
「私が悪いってことですか。」
「そうね。嵐が悪い。」
ニヤッと笑う彼の顔。
「ムカつく‥
だいたい私は“晩飯”なんて待ってません。
そりゃ、いろいろ教えてもらってるから
感謝は一応しますけど。」
彼には何故か言いたいことを
存分に言うことが出来る。
「ハハ、そうやて言てやればよかたね。
どうせ“他の人じゃないんですか”
なんて嘘ついたんだろ。」
ズバリ当てられて、一瞬焦る。
「まさか聞いてたんですか。」
「いや、推測。」
この人は‥。
「嵐は気、遣いすぎね。
他人なんかどうでもいいだろ。」
その時木枯らしが吹いて、寒さが一気に増す。
「‥そういうわけにはいきません。」
私は俯いて言う。
だって、そんなの無理じゃない。
そんなことしたら
きっと抜き差しならない関係になる。
誰かに色目で見られたり、
誤解を生んだりしてしまう。
私は絶対耐えられない。
「あ、ワタシの生徒。」
と彼が急に後ろの方を向いて言う。
「えっ!どこっ!離れてください!」
と言いながら彼から離れる。
が、後ろを見ても該当する人物はいない。
「騙されたな。」
と、さも楽しいというように笑い出す。
こいつ‥人を貶めといて、
なんて嬉しそうな顔をするんだ。
「悪質。」
そうこうしていると校門に着く。
「今日バイトか。」
「はい、夜まで。」
「じゃ、待ててやるから早く帰れ。」
「シフト制なので出来ません。」
そう言いながら、別方向に歩き出す。
晩飯待ってるのはどっちの方よ。
イライラさせられっぱなしなのに、
“行ってらっしゃい”とヒラヒラ手を振る彼を見て
頬が緩むのは何故だろう。