「は？」
と彼は蓮華を口に運ぶ途中で、動きを止める。

「いや、だって教えてくれないから。」

本当はもっと聞きたいことがあったのだが、
これが一番聞きやすかった。

「そんなに気になるのか。」

「まぁ、秘密にされればそれなりには。」
二口目のお粥を口に入れる。

ホカホカして、割合食べでがあり
とても美味しい。

「‥。」
彼は黙って、再び食事に戻る。

「別に秘密にはしてないけど。」
そう言いつつも嫌そうだ。

「じゃ教えてください。」
彼の弱々しい態度に私も何だか強気になる。

「仕方ないね。」
そう言って俯き、小さく

「‥今年で29。」
と呟いた。

「‥今年で29‥。」
私もつい復唱してしまう。

何だか。

「今年で‥‥29歳ですか。」

「何度も言うなね。」

「29‥辰年‥。」

「だからやめろて。」

何だか‥。

「微妙‥ですね。」
と言って笑う。

「だから言うの嫌だだね。」
そう言ってから不服そうに粥を啜った。

私と８つ違いか。

「驚く程でもないけど、割と意外っちゃ意外」
思ったことを言ってみた。

「だから‥」
となにか言いかけて彼は頭を抱える。

それがまた面白くて声を立てて笑った。

そしたら机の下から「黙れ」
と言って軽く蹴られた。