男の詫び状
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あれから
「今日の飯はワタシが作る。」
と言って彼は台所に立っている。
一応年下(年齢は定かではないが、見下され方から見ておそらく年上なのだろう。)
の女を泣かせてしまったという
後ろめたさがあるのかもしれない。
私も、急に泣き出してしまうなんて
大分気まずいけど。
親と大喧嘩をして家を出た時も、こんなに泣いたりしなかったのに。
全くの大失態である。
“##NAME1##。”
さっきのことを思い出す。
名前、呼ばれたの初めてだ。
そういえば私も名乗ってなかった。
私も大概礼儀知らずだ。
「それにしても、いいんですか。」
ベッドにもたれ掛かりながら彼に話す。
「何がか。」
彼は野菜的なものを刻みながら、聞き返す。
「確実に噂になりますよ。
この大学、ゴシップの飛びつきが尋常じゃありませんから。」
私はまだ標的になったことはないが、
そういう噂は山と言う程耳に入って来た。
まぁ、これから標的にされるかもしれないが。
「ハハ、そうみたいね。ワタシもさき、口説きかけられた。」
何かを煮る音が聞こえて、
いい匂いが部屋に漂う。
「でしょうね。みんな目がハートでしたし。」
「でも、あれでもう口説かれることはなくなるかもしれないね。」
そうしてニヤリとでこちらを見る。
「アレって、まさか私をダシに使ったとか‥。」
だとしたら本当に最悪だ。
あれ以上に怒ってやらなければ。
「違うね。心外ね。」
と言って
「味見しろ」と私の前におたまを差し出す。
「美味しいです。」
それで怒る気が削がれる。
何か海鮮系の味だ。
「よし。」と言って台所に戻っていく。
もしや、うまい具合にあしらわれてるのではないだろうか。
そうなるのは不本意なので、こう付け加える。
「まだ怒ってるんですからね。」
そう言って彼を睨む。
彼は一息吐いて、
「分かたよ。何かで詫びてやる。」
と言う。
「何かって何ですか。」
料理が完成したようで、
器に掬って盛っている。
私も手伝って出来上がったそれを運びながら答える。
中を見ると、海鮮粥だった。
「何かて何でも、言うこと一つ。
聞いてやる。」
あくまでも彼は上から目線だ。
それでも私は頭を働かせる。
何がいいだろう。
「あ、そうだ。」
「何か。」
いただきます。手を合わせ、机に並んだそれを口に運びながら答える。
「何歳なのか、教えてください。」