本当に頭に来た。

きっと私は次の授業から
好奇の目に晒されることだろう。

せっかく親しい友人はいなくとも、
平穏に平凡に過ごすよう努めていたのに。

彼のせいで何もかも台無しだ。

「もうやめやめ！」

彼のことを思い出す気持ちも、このイライラする気持ちも何もかももうどうでもいい。

教務室なんて誰が行くもんか！

その思い、腹が立つ気持ちを何とか鎮めようと食堂に向かう。

食欲なんかひとつもないけど、何か温かい飲み物を飲めば少しは気分も落ち着くだろう。

そうして、食堂に向かう。

券売機に小銭を突っ込み「ホットカフェオレ」のボタンを押そうとする。

その時、端っこの方に「ライスメガ盛りはカウンターにて」という小さな張り紙が目に入る。

あの時のことがフラッシュバックする。

あの笑顔、タバコ、涙。

まただ、振り払おうとしてるのに、
もう考えたくなんかないのに。

「何だっていうの‥。」

“おつり”のレバーを下に引く。

250円がそのままそっくり
ジャラジャラと落ちる。

「何だっていうのよ。」

知れるなら知りたい。

それだけなのに。

どうしていいかが分からない。