どちらもあるからそれが有る
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部屋に戻ってから数時間。
まだご飯を作る気にはならないし、課題もないしで、今日借りてきた本を読むことにした。
わかったことは、中国哲学には様々な派がありそれぞれ違う思想があると言うことだけ。
それ以外はやっぱり何を言っているのかわからない。
もっと初歩的な本を探した方が良かったのかもしれない。
文字の羅列を眺めていると、何だか眠たくなってきてしまった。
ちょっと眠ろう。そう思って瞼を閉じる。
一人きりの時間。
そういえば、
ここのところ1人で部屋を過ごしていない。
あの歌を、うろ覚えで鼻歌してみる。
「やっぱり落ち着く。」
子守唄かもしれないな。
でも、何で泣いていたのだろう。
何で。
ベットに仰向けになってそう考える。
静かな時間。
それも束の間ガタガタっと大きな音が聞こえ
静寂が打ち消される。
「なんだろう。」と起き上がるや否や、扉がガチャンと開いた。
「お前、張り紙読まなかたのか。」
彼は何やら大きな手荷物をつっさげて、私の部屋に入ってくる。
いきなりのことで驚く。
私は何回この人に驚かされなきゃならないんだろう。
「読みましたけど。
部屋にいなかったですよね。」
「いや、寝てた。」
「そんなの知りませんよ。」
なんだ、居たんだ。
見れば彼の頭には寝癖がついている。
長めの髪に跳ねた毛が踊っている。
不機嫌そうな彼の顔には不釣り合いでおかしくなる。
彼は畳の上にドサドサとそれを置き、
「ん。」と言う。
「これ‥何。」
「本。」
数冊だけだと思っていたが、それは何十冊分も入っていた。
「これ‥全部ですか?」
「そりゃそうよ。ちゃんと読め。」
と言いながらその場に座り込む。
「はぁ。」
本を手に取ると、それは茶色く日焼けして、
随分前から持っていた本だとわかる。
「お前。」
ベットの方に顔を向けながら彼が言う。
すぐに立ち上がり、一冊の本を手に取った。
あの本だ。
「あ。」
しまった。
なにがしまるのか分からないが、何かいけないことをしている気がしたのだ。
黙って固まっていると、パラパラとそれをめくる。
どうしよう、何か言われるかな。
だかそれは危惧に終わった。
彼はバサッとその本を投げ呟く。
「これはダメね。分かりにくい。」
そういいながら窓に近寄り、それを開け、タバコを取り出して一服する。
だから禁煙なんだって
とはもう言わない。
面倒だからだ。
その代わりに私は尋ねる。
「あの、詳しいんですか‥それ。」
フーッと煙を吐き
「詳しいも何も‥。」と濁すように呟いた。
それから私を見て
「気になるのか?」
と聞く。
その顔にまた心臓が縮小する。
何でだ。
「いえ‥はい。いや、まぁ。」
「どちか。」
「‥気になります。少し。」
目線を外してそう言うと
「よし。」
と何か意を決したように言う。
「何がよしですか。」
「教えてやるね。その代わり。」
と言って私の目の前にしゃがみ込む。
「何でしょうか。」
嫌な予感がする。
「夕飯、お前毎日作れ。」
「はぁ!?」
予感的中。
「何でですか。今日教えてくれればいいじゃないですか。」
私は全力で否定する。
彼は嘲笑し、
「お前馬鹿か。
1日で教えきれる話じゃないね。」
「馬鹿ではありません。」
何か面倒なことに足を突っ込んでしまった気分になる。
「知りたくないのか?
心理学勉強してるなら、知といて損する話じゃないね。」
と意地悪そうに微笑む。
何か、丸め込まれている気がする。
でもそう言われては、気になってしまう。
「えっと、何日ぐらいかかりますか。」
私は彼の目を恐る恐る見ながら聞く。
「それはお前の理解力次第ね。」
と偉そうに言う。
「はぁ。」
「ま、知りたくないならそれでもいいね。」
もう一本と言って、また窓辺の方に立つ。
どうしよう。
でも、勉強になるみたいだし。
あのマークと彼の涙がリンクして、どうしようもない気持ちになる。
やっぱり、知りたい。
「‥お願いします。」
と彼の背中に向かって小さく言う。
振り返り、
「今日は魚が食いたいね」
またあの笑顔で笑うのだ。
まだご飯を作る気にはならないし、課題もないしで、今日借りてきた本を読むことにした。
わかったことは、中国哲学には様々な派がありそれぞれ違う思想があると言うことだけ。
それ以外はやっぱり何を言っているのかわからない。
もっと初歩的な本を探した方が良かったのかもしれない。
文字の羅列を眺めていると、何だか眠たくなってきてしまった。
ちょっと眠ろう。そう思って瞼を閉じる。
一人きりの時間。
そういえば、
ここのところ1人で部屋を過ごしていない。
あの歌を、うろ覚えで鼻歌してみる。
「やっぱり落ち着く。」
子守唄かもしれないな。
でも、何で泣いていたのだろう。
何で。
ベットに仰向けになってそう考える。
静かな時間。
それも束の間ガタガタっと大きな音が聞こえ
静寂が打ち消される。
「なんだろう。」と起き上がるや否や、扉がガチャンと開いた。
「お前、張り紙読まなかたのか。」
彼は何やら大きな手荷物をつっさげて、私の部屋に入ってくる。
いきなりのことで驚く。
私は何回この人に驚かされなきゃならないんだろう。
「読みましたけど。
部屋にいなかったですよね。」
「いや、寝てた。」
「そんなの知りませんよ。」
なんだ、居たんだ。
見れば彼の頭には寝癖がついている。
長めの髪に跳ねた毛が踊っている。
不機嫌そうな彼の顔には不釣り合いでおかしくなる。
彼は畳の上にドサドサとそれを置き、
「ん。」と言う。
「これ‥何。」
「本。」
数冊だけだと思っていたが、それは何十冊分も入っていた。
「これ‥全部ですか?」
「そりゃそうよ。ちゃんと読め。」
と言いながらその場に座り込む。
「はぁ。」
本を手に取ると、それは茶色く日焼けして、
随分前から持っていた本だとわかる。
「お前。」
ベットの方に顔を向けながら彼が言う。
すぐに立ち上がり、一冊の本を手に取った。
あの本だ。
「あ。」
しまった。
なにがしまるのか分からないが、何かいけないことをしている気がしたのだ。
黙って固まっていると、パラパラとそれをめくる。
どうしよう、何か言われるかな。
だかそれは危惧に終わった。
彼はバサッとその本を投げ呟く。
「これはダメね。分かりにくい。」
そういいながら窓に近寄り、それを開け、タバコを取り出して一服する。
だから禁煙なんだって
とはもう言わない。
面倒だからだ。
その代わりに私は尋ねる。
「あの、詳しいんですか‥それ。」
フーッと煙を吐き
「詳しいも何も‥。」と濁すように呟いた。
それから私を見て
「気になるのか?」
と聞く。
その顔にまた心臓が縮小する。
何でだ。
「いえ‥はい。いや、まぁ。」
「どちか。」
「‥気になります。少し。」
目線を外してそう言うと
「よし。」
と何か意を決したように言う。
「何がよしですか。」
「教えてやるね。その代わり。」
と言って私の目の前にしゃがみ込む。
「何でしょうか。」
嫌な予感がする。
「夕飯、お前毎日作れ。」
「はぁ!?」
予感的中。
「何でですか。今日教えてくれればいいじゃないですか。」
私は全力で否定する。
彼は嘲笑し、
「お前馬鹿か。
1日で教えきれる話じゃないね。」
「馬鹿ではありません。」
何か面倒なことに足を突っ込んでしまった気分になる。
「知りたくないのか?
心理学勉強してるなら、知といて損する話じゃないね。」
と意地悪そうに微笑む。
何か、丸め込まれている気がする。
でもそう言われては、気になってしまう。
「えっと、何日ぐらいかかりますか。」
私は彼の目を恐る恐る見ながら聞く。
「それはお前の理解力次第ね。」
と偉そうに言う。
「はぁ。」
「ま、知りたくないならそれでもいいね。」
もう一本と言って、また窓辺の方に立つ。
どうしよう。
でも、勉強になるみたいだし。
あのマークと彼の涙がリンクして、どうしようもない気持ちになる。
やっぱり、知りたい。
「‥お願いします。」
と彼の背中に向かって小さく言う。
振り返り、
「今日は魚が食いたいね」
またあの笑顔で笑うのだ。