ハビバノンノ
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「ゆ」と大きく書かれた扉を開けて、店の中に入る。
靴を脱いで、木の棚にそれぞれ入れる。彼の靴は黒いスニーカーで、もう何年も履き古していることが分かる。
部屋の真ん中には受付の台があって、左右には「女」「男」と書かれた暖簾が下がっている。
隅には大きな本棚に、年季の入った漫画本がずらりと並ぶ。
その隣はジュースの入った冷蔵庫。
どこの銭湯にもありそうな光景。
「じゃ、適当にあがりますから。
もし先に上がったらそこらへんで待っててください。」
「ん。」と彼は頷いて
お互い別々の暖簾をくぐる。
この時間でも、割とお客は沢山いる。
衣服を脱いで、お風呂に入る。
ここの銭湯はタオルも無料で貸し出してくれるし、乾燥付洗濯機も付いているので毎日利用している。
料金も安いし。
かけ湯をして、先に少しだけ湯船に浸かる。
「はー。」冷えた体にヒリヒリとした感覚がして、湯が肌になじむ瞬間。
私はこの時間が1番好きだ。
それにしても。
彼は一体どういう人なんだろう。
知らなくてもいいし、自分には関わりがない。
だが、ふとした瞬間考えてしまう。
「なんでだろ。」
湯気が天井までふわふわと上がり、
それから消えていく。
しばらく湯船に体を委ね、それから体を洗う。
電気風呂、泡風呂、露天風呂と一巡し、
もう一度最初の湯に入って風呂場から出る。
随分と長湯してしまった。
髪を乾かし、広間へ出る。
彼の姿を探したが、どこにもいなかった。
「まだなのかな。」
そう思って、なにもすることがないので本棚の前のソファーに座る。
「本は読んだ方がいいね。」
彼の言葉を思い出して、冷やかし気分で本棚を眺める。
数冊の漫画をパラパラめくり、こんなのどこが面白いんだと思い、読むのをやめる。
もう一度ソファーに戻り、背もたれに頭を存分に預け上をみる。
ペタッと頬に冷たい感触。
「ひゃっ!!」
びっくりして慌てて起き上がる。
「ハハ、良い反応ね。」
と言って、私にフルーツ牛乳を手渡す。
さっきと全く同じ格好で、彼が立っている。
「銭湯と言たらこれ飲まないとね。」
「どうも。」
2人でそれを飲む。
冷たくて甘くて、すぐ飲み干してしまう。
「お前、漫画読むか。」
私の手元に視線を落とす。
「いや、これは試しに見ただけで。」
「それは面白くないね。読むならこち。」
と言って違う本を棚から取って寄越す。
「いや、だから。」
「今、読まないなら今度貸してやるね。」
「嫌だ」と突っぱねるはずが、彼の顔を見ていると何故だが断れきれなくて。
気づけば「はい。」
と言ってしまっていた。
靴を脱いで、木の棚にそれぞれ入れる。彼の靴は黒いスニーカーで、もう何年も履き古していることが分かる。
部屋の真ん中には受付の台があって、左右には「女」「男」と書かれた暖簾が下がっている。
隅には大きな本棚に、年季の入った漫画本がずらりと並ぶ。
その隣はジュースの入った冷蔵庫。
どこの銭湯にもありそうな光景。
「じゃ、適当にあがりますから。
もし先に上がったらそこらへんで待っててください。」
「ん。」と彼は頷いて
お互い別々の暖簾をくぐる。
この時間でも、割とお客は沢山いる。
衣服を脱いで、お風呂に入る。
ここの銭湯はタオルも無料で貸し出してくれるし、乾燥付洗濯機も付いているので毎日利用している。
料金も安いし。
かけ湯をして、先に少しだけ湯船に浸かる。
「はー。」冷えた体にヒリヒリとした感覚がして、湯が肌になじむ瞬間。
私はこの時間が1番好きだ。
それにしても。
彼は一体どういう人なんだろう。
知らなくてもいいし、自分には関わりがない。
だが、ふとした瞬間考えてしまう。
「なんでだろ。」
湯気が天井までふわふわと上がり、
それから消えていく。
しばらく湯船に体を委ね、それから体を洗う。
電気風呂、泡風呂、露天風呂と一巡し、
もう一度最初の湯に入って風呂場から出る。
随分と長湯してしまった。
髪を乾かし、広間へ出る。
彼の姿を探したが、どこにもいなかった。
「まだなのかな。」
そう思って、なにもすることがないので本棚の前のソファーに座る。
「本は読んだ方がいいね。」
彼の言葉を思い出して、冷やかし気分で本棚を眺める。
数冊の漫画をパラパラめくり、こんなのどこが面白いんだと思い、読むのをやめる。
もう一度ソファーに戻り、背もたれに頭を存分に預け上をみる。
ペタッと頬に冷たい感触。
「ひゃっ!!」
びっくりして慌てて起き上がる。
「ハハ、良い反応ね。」
と言って、私にフルーツ牛乳を手渡す。
さっきと全く同じ格好で、彼が立っている。
「銭湯と言たらこれ飲まないとね。」
「どうも。」
2人でそれを飲む。
冷たくて甘くて、すぐ飲み干してしまう。
「お前、漫画読むか。」
私の手元に視線を落とす。
「いや、これは試しに見ただけで。」
「それは面白くないね。読むならこち。」
と言って違う本を棚から取って寄越す。
「いや、だから。」
「今、読まないなら今度貸してやるね。」
「嫌だ」と突っぱねるはずが、彼の顔を見ていると何故だが断れきれなくて。
気づけば「はい。」
と言ってしまっていた。