鍋はあごだしに限る
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「香港ー!?」
「そうよ。
その前に台湾、あと大陸、いろいろよ。」
アパートの廊下でずっと突っ立っているわけにもいかず、
私達はとりあえず彼の部屋に入った。
あの本以外なにもなかった部屋に無造作にしかれた布団とストーブが、
まるで彼の不在など噓みたいにそこにある。
驚きつつ呆れている私をよそに、
彼はストーブをつけた後その場にドサっと座り
土産だ何だと軽く口にしながら
ボストンバッグから菓子やら茶やらを大量に取り出す。
「ちょっと待ってください!
いきなりすぎて何がなんだか。
だいたい連絡もなしに何処かに行くなんて‥」
今の私は聞きたいことが多すぎる。
そして言いたいことも。
「だからすまんて。
それに一応伝えたね。
時間かかるから待てろて。」
「あれじゃわかりません!
…後から分かりましたけど。」
彼の不在、宿題、涙、友人
その他諸々を私は思い出す。
「‥心配だたのか?」
その表情と声は、
質問とは違う色合いをもっていた。
あり得ない、そんなことは存在し得ない。
まるで自分の存在なんてあってもなくても変わりないという眼差しだった。
ーこの人は、
自分を愛することができないんだ。
‥私に似てる。
すくなくとも、宿題に気づく前の私に。
「気にするにきまってるでしょう!?
あんな顔で、あんな最後で…」
「死ぬとでも思たか。」
さっきの心細そうな顔と打って変わり、
意地悪そうに笑う彼。
でもその声は、どこか真剣味をおびている。
馬鹿野郎。
フィンクスさんの言葉を心の中で真似てみる。
「‥どれだけ心配したと思ってるんですか。」
そうやって彼を睨むつもりが、
私はまた泣いてしまっていた。
だって、生きてた。また会えた。
大袈裟かもしれないけど、でも。
「ほんとに、よかった…。」
「馬鹿ね。」
顔を両手で覆って座り込む私を彼は抱き寄せた。
ああ、もう駄目だ。
彼の匂いが、彼の感触が。
その力強い腕に、
私は息が止まるような感覚に襲われる。
「誰の為に国帰たと思てるか。」
“え?”と声を発したけれど、
彼の胸元でそれはくぐもって消えてしまう。
その他に彼はもう何も言わなかった。
しばらく抱きしめ合う。
「泣き止んだか?」
「…誰のせいだと思ってるんですか。」
「ハハ、何か久し振りね。それ。」
彼の声があたたかい。
久しぶり…
本当に久しぶりだ。
「宿題、ちゃんと出来てたな。」
「え?」
「ワタシみたいにならずに、
ちゃんと見つけたね。色々。」
「‥はい。」
私は彼の腕の中で言葉を返す。
「ワタシもしてきたね。宿題。」
そうして静かにポツポツと、
彼は少しづつ話し始めた。
「そうよ。
その前に台湾、あと大陸、いろいろよ。」
アパートの廊下でずっと突っ立っているわけにもいかず、
私達はとりあえず彼の部屋に入った。
あの本以外なにもなかった部屋に無造作にしかれた布団とストーブが、
まるで彼の不在など噓みたいにそこにある。
驚きつつ呆れている私をよそに、
彼はストーブをつけた後その場にドサっと座り
土産だ何だと軽く口にしながら
ボストンバッグから菓子やら茶やらを大量に取り出す。
「ちょっと待ってください!
いきなりすぎて何がなんだか。
だいたい連絡もなしに何処かに行くなんて‥」
今の私は聞きたいことが多すぎる。
そして言いたいことも。
「だからすまんて。
それに一応伝えたね。
時間かかるから待てろて。」
「あれじゃわかりません!
…後から分かりましたけど。」
彼の不在、宿題、涙、友人
その他諸々を私は思い出す。
「‥心配だたのか?」
その表情と声は、
質問とは違う色合いをもっていた。
あり得ない、そんなことは存在し得ない。
まるで自分の存在なんてあってもなくても変わりないという眼差しだった。
ーこの人は、
自分を愛することができないんだ。
‥私に似てる。
すくなくとも、宿題に気づく前の私に。
「気にするにきまってるでしょう!?
あんな顔で、あんな最後で…」
「死ぬとでも思たか。」
さっきの心細そうな顔と打って変わり、
意地悪そうに笑う彼。
でもその声は、どこか真剣味をおびている。
馬鹿野郎。
フィンクスさんの言葉を心の中で真似てみる。
「‥どれだけ心配したと思ってるんですか。」
そうやって彼を睨むつもりが、
私はまた泣いてしまっていた。
だって、生きてた。また会えた。
大袈裟かもしれないけど、でも。
「ほんとに、よかった…。」
「馬鹿ね。」
顔を両手で覆って座り込む私を彼は抱き寄せた。
ああ、もう駄目だ。
彼の匂いが、彼の感触が。
その力強い腕に、
私は息が止まるような感覚に襲われる。
「誰の為に国帰たと思てるか。」
“え?”と声を発したけれど、
彼の胸元でそれはくぐもって消えてしまう。
その他に彼はもう何も言わなかった。
しばらく抱きしめ合う。
「泣き止んだか?」
「…誰のせいだと思ってるんですか。」
「ハハ、何か久し振りね。それ。」
彼の声があたたかい。
久しぶり…
本当に久しぶりだ。
「宿題、ちゃんと出来てたな。」
「え?」
「ワタシみたいにならずに、
ちゃんと見つけたね。色々。」
「‥はい。」
私は彼の腕の中で言葉を返す。
「ワタシもしてきたね。宿題。」
そうして静かにポツポツと、
彼は少しづつ話し始めた。