欠片
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今日は日曜日、
何もすることがないと押し消していた感情に
もまれそうで困った。
しばらくは呆然と部屋で座り込み、
疲れをもてあそんでみたりしていたが、
その目線の先に映った
彼から借りたままの漫画に
何かの答えを求めるみたいに手を伸ばす。
まだ読んでいない巻数に手に取ると、
何かしおりの様なものが挟まっている事に気がついた。
何だろう。
ちょうど本の間のページ辺りを開く。
「あ。」
それは写真だった。
そこには少しピントのずれた彼の横顔と、
隣に笑顔の老人が映っていた。
老人が自ら撮ったのだろうということは、写真にうつる少し無理をした体勢から想像がついた。
写真の中で、
彼は不機嫌そうに本を読んでいる。
髪が今よりも短く、
前髪がアシンメトリー風に片方に向かって長くなっている。
その顔つきは、
今の彼の面影は残しているが、
なんというか、鋭さが段違いという感じ。
きっと、日本に来る前だろう。
ここに来る前の彼。
どのぐらいの苦労を味わったのか、
私には計ることができない。
けれど、この写真の中の彼は
笑顔でないこそあれ、
穏やかな空気が流れているように思う。
しかし、
彼とこの老人は一体どういう関係なのだろう。
祖父…なのだろうか
ぼうっとその写真を眺めていると、
私の携帯がブブブと振動した。
ディスプレイを見ると、
そこには「フィンクスさん」の文字が真ん中に出ている。
そういえば、この前に登録し、
その時に自分の番号も教えたんだった。
フィンクスさん。
もしかしたら
彼の居場所を知っているのかもしれない。
そう思い、
期待を焦らせながら携帯を耳に当てる。
「ーもしもし。」
というが早いかフィンクスさんが焦った声で私に話す。
「嵐!
お前あいつどこに行ったか知ってっか!?」
その台詞に少し失望する。
彼さえも、あの人の居場所を知らないのだ。
いや、知るはずがない。
彼が誰かに何処かに行くなんて絶対に伝えるはずがないのだ。
まるで猫のようだ。
死に際、誰にも悟られぬよう一人で去ってしまう猫。
私は自分の考えにぞっとする。
あの馬鹿野郎
とフィンクスさんの悔しげな声に現実に引き戻される。
それからフィンクスさんは
「お前今から暇か?
車出すからよ、飯でも食おうぜ。」
と声をかけた。
さっきとは違うあたたかい声
それでも電話の向こうの焦燥した雰囲気は
完全には消えていない。
「私‥」
「ろくなもん食ってねぇだろ。
とにかく待ってろ。な?」
誘いを断る油断も与えぬまま、
早々に電話は切れた。
私は期待と失望にいきなり覚醒し多分体に
急に疲れを覚え、ベッドに倒れこむ。
あの人は、今どこにいるのだろう。
あの人はー
ぐるぐると同じことを考え、
脳裏にはあの彼の笑顔が揺れていた。
何もすることがないと押し消していた感情に
もまれそうで困った。
しばらくは呆然と部屋で座り込み、
疲れをもてあそんでみたりしていたが、
その目線の先に映った
彼から借りたままの漫画に
何かの答えを求めるみたいに手を伸ばす。
まだ読んでいない巻数に手に取ると、
何かしおりの様なものが挟まっている事に気がついた。
何だろう。
ちょうど本の間のページ辺りを開く。
「あ。」
それは写真だった。
そこには少しピントのずれた彼の横顔と、
隣に笑顔の老人が映っていた。
老人が自ら撮ったのだろうということは、写真にうつる少し無理をした体勢から想像がついた。
写真の中で、
彼は不機嫌そうに本を読んでいる。
髪が今よりも短く、
前髪がアシンメトリー風に片方に向かって長くなっている。
その顔つきは、
今の彼の面影は残しているが、
なんというか、鋭さが段違いという感じ。
きっと、日本に来る前だろう。
ここに来る前の彼。
どのぐらいの苦労を味わったのか、
私には計ることができない。
けれど、この写真の中の彼は
笑顔でないこそあれ、
穏やかな空気が流れているように思う。
しかし、
彼とこの老人は一体どういう関係なのだろう。
祖父…なのだろうか
ぼうっとその写真を眺めていると、
私の携帯がブブブと振動した。
ディスプレイを見ると、
そこには「フィンクスさん」の文字が真ん中に出ている。
そういえば、この前に登録し、
その時に自分の番号も教えたんだった。
フィンクスさん。
もしかしたら
彼の居場所を知っているのかもしれない。
そう思い、
期待を焦らせながら携帯を耳に当てる。
「ーもしもし。」
というが早いかフィンクスさんが焦った声で私に話す。
「嵐!
お前あいつどこに行ったか知ってっか!?」
その台詞に少し失望する。
彼さえも、あの人の居場所を知らないのだ。
いや、知るはずがない。
彼が誰かに何処かに行くなんて絶対に伝えるはずがないのだ。
まるで猫のようだ。
死に際、誰にも悟られぬよう一人で去ってしまう猫。
私は自分の考えにぞっとする。
あの馬鹿野郎
とフィンクスさんの悔しげな声に現実に引き戻される。
それからフィンクスさんは
「お前今から暇か?
車出すからよ、飯でも食おうぜ。」
と声をかけた。
さっきとは違うあたたかい声
それでも電話の向こうの焦燥した雰囲気は
完全には消えていない。
「私‥」
「ろくなもん食ってねぇだろ。
とにかく待ってろ。な?」
誘いを断る油断も与えぬまま、
早々に電話は切れた。
私は期待と失望にいきなり覚醒し多分体に
急に疲れを覚え、ベッドに倒れこむ。
あの人は、今どこにいるのだろう。
あの人はー
ぐるぐると同じことを考え、
脳裏にはあの彼の笑顔が揺れていた。