初恋のあの子
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窓の外で白い光が瞬くと、思い出すのはゆいかのこと。
「ゆいかちゃんって雷が苦手なの?」
「昔はね。今は、さすがに克服してるかもしれないけど。もう大人だし」
まだ、ほんのガキだった頃。
酷い悪天候の日、スタジオが停電になったことがあった。その時は、俺も一緒にいたんだけど……また別の日、野外撮影での突然の雷雨がとどめになって、あいつは、俺が知ってる限りではずっと雷が苦手だった。
疎遠になってた間ですら埋もれもしなかったんだから、我ながら一途だよねぇ? 今となっては通用するかも怪しい、古い情報だっていうのに。
そんなことを考えながら、メッセージアプリに文字を打ち込む。
──こっち雷鳴ってるけど、平気?
五秒と待たず、いかにもゆいかが好きそうな、かわいい黒猫が画面上に現れる。シンプルなアニメーションがついたそれは、怯えた様子で震えていた。
「なんか、まだ駄目っぽい」
「あら可愛い」
『昔と比べれば、だいぶ平気になったんだけど』
『こんなに近いの久しぶり』
『だから』
まるで申し開きでもするように、いくつか続けてメッセージが届く。
こういう態度を取られると、からかいたくなるのは人の性ってものだよねぇ。
どういう返しをしてやろうか。思案する一瞬の間に、また文章が追加された。
『いっくんが心配してくれて嬉しい』
……こんなこと言われたら、意地の悪い真似なんてできないじゃん。
「ゆいかちゃんって雷が苦手なの?」
「昔はね。今は、さすがに克服してるかもしれないけど。もう大人だし」
まだ、ほんのガキだった頃。
酷い悪天候の日、スタジオが停電になったことがあった。その時は、俺も一緒にいたんだけど……また別の日、野外撮影での突然の雷雨がとどめになって、あいつは、俺が知ってる限りではずっと雷が苦手だった。
疎遠になってた間ですら埋もれもしなかったんだから、我ながら一途だよねぇ? 今となっては通用するかも怪しい、古い情報だっていうのに。
そんなことを考えながら、メッセージアプリに文字を打ち込む。
──こっち雷鳴ってるけど、平気?
五秒と待たず、いかにもゆいかが好きそうな、かわいい黒猫が画面上に現れる。シンプルなアニメーションがついたそれは、怯えた様子で震えていた。
「なんか、まだ駄目っぽい」
「あら可愛い」
『昔と比べれば、だいぶ平気になったんだけど』
『こんなに近いの久しぶり』
『だから』
まるで申し開きでもするように、いくつか続けてメッセージが届く。
こういう態度を取られると、からかいたくなるのは人の性ってものだよねぇ。
どういう返しをしてやろうか。思案する一瞬の間に、また文章が追加された。
『いっくんが心配してくれて嬉しい』
……こんなこと言われたら、意地の悪い真似なんてできないじゃん。
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