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おまけ
「えっ、いっくんとのゆいかの交際を反対してる人間……? 誰のものにもなってほしくない、きみのファンとかじゃない?」
『そうじゃなくて。そっちの身内に、そういうひとはいるのかって聞いてるの。あいつに聞いても、本当のことは教えてくれないだろうし』
「いないですね」
『……ちょっと、それはおかしくない? こんな、ひねくれてて、敵がおおくて、何よりゆいかを泣かせたようなやつ──パパやお兄ちゃんなら、反対するのが当然なんじゃないの』
「待って、話が見えない。えーと、いっくんは反対されたいの?」
『そうじゃないけど……そっちのパパの溺愛ぶりを見てたら、何か不思議に感じちゃって』
「あぁ、成る程。だってさ、そんなことしたら、ゆいかが実家を捨てちゃうかもしれないだろ」
『寝言は寝て言いなよねぇ。すっごい仲良し家族のくせに』
「確率は五分五分ってところかなぁ。あ、誰も反対してないっていうのは本当だから。冗談じゃない」
『…………』
「その沈黙は信用してないな~? まったく、ここ数年のあの子を、いっくんに見せてやりたいよ。当時を知ったうえで最近のゆいかを見てたら、仮にあっても失せるよ、そんなもの」
『えっ、そんなに……?』
「すくなくとも、いっくんの言う『ゆいかの身内』はね。うちの両親はむかしから、あの子にきみの良いとこ……いや、好きなところか。さんざん聞かされてるから、印象は悪くないんだよ。ふたりが別れたときも、本人以外はみんな『何らかの行き違いがあったな』って思ってたし」
『……わかってたんなら、ちょっとくらい手を貸してくれてもよかったじゃん』
「いっくんがアイドルを目指すなら、ゆいかは足枷になりねないと思ってさ。『身内』はみんな同じ意見だったし。それに……あの子をきみから離してみる良い機会だったから」
『はぁ? あんた、やっぱり本当は反対して──』
「ないってば。ほら、むかしのゆいかって『いっくんが世界の中心ですべて』って感じだったろ? もうすこし視野を広げたほうが良いんじゃないかとは、家族一同思ってたわけ。都合が良かったんだよ。世界はいっくんだけじゃないってわかっても、それでもいっくんがいいって言うなら、反対しない。これが現状。わかった?」
『何かびみょうに気に食わないけど……まぁ、いちおうは』
「それならよかった。あぁ、そうだ──」
『なに?』
「さっきの、『ひねくれてて、敵がおおくて』みたいなやつ。『素直じゃないけど本当はすごく優しくて、自分を偽れないひと』だって聞いてますよ、僕は」
『……あっそ。もう切るから。ばいばい』
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