Be my valentine
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時に詰まりながら、じっくり言葉を選びながら、いっくんはいろんなことを話してくれた。
あのとき、私を拒絶するつもりはなかったこと。言い方がまずかったと、ずっと後悔していたこと。今日はそれを謝るつもりでここまで来たこと。……突っぱねられるんじゃないかと、不安だったこと。
筋金入りの意地っ張りだったいっくんが、包み隠さず心を明かしてくれた。
そのことが嬉しくて──ほんとうに嬉しくて。
うっかり泣いたりしないよう、私は懸命に気を張っていた。正直、それでも危なかったけど。
「じゃあ、またね」
そう言って出ていくいっくんに「うん、気をつけてね」と手を振ったそのとき。
端正な顔に浮かぶ微笑みに見惚れながら、ふわふわと漂うような心地の中で、考えていた。
「あの日」のことが誤解だったなら、私。
無理していっくんを忘れなくてもいいのかな。
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