camera obscura

読んだ本の抜粋

2025/04/26 11:33
ロバート、男の方には自分より劣ったものでも愛することがおできになる――とるに足らないもの、汚れたもの、不名誉なもの、そんなものまで愛することがおできになる。でも私たち女は、愛している時はその人を尊敬しているのです。もしその尊敬を失ってしまったら、私たちは何もかも失ってしまうのです。ああ!どうぞ私のあなたに対する愛を殺してしまわないで下さい。どそう殺してしまわないで!
(理想の夫/オスカー・ワイルド p63-64)

神は人間を罰しようと思召す時には、人間の願いを叶えておやりになる。
(p79)

人生というものは充分な慈愛の心なしには理解することができない、人生というものは充分な慈愛の心なしには生きて行くことができない。
(p94)

愛を必要とするのは、完璧な人間じゃない、不完全な人間こそ、愛を必要とするのだ。自分の手で、自分自身を傷つけた時こそ、あるいは他人の手で傷を負った時こそ、愛というものがその傷をいしやしてやらなくちゃならない――さもなけりゃ、いったい愛なんて何の役に立つというんだ?
(p122)

流行というものはね、自分自身が身につけているものなんだ。流行おくれっていうのは、他の奴らが身につけてるもののことさ。
(p127)

「私がほんとになにかをあげたくて、いろいろ考えたり、計画するのがたのしいその相手が、いないの。そうだわ。プレゼントは、あげるものなのね。その、あげることがよろこびになる相手だけが、そのひとの、本当に必要な人間なんだわ。本当に愛する人なんだわ」
(一人ぼっちのプレゼント/山川方夫 p72)

「夫婦ってきっとおたがいに自分の一人ぼっちをプレゼントしあうものなのね」
(p83)

孤独とは、だれも手を下して自分を殺してはくれないということの認識ではないのか。
(煙突/山川方夫 p140)

REST IN PEACE.不意に墓地の石に刻まれていた字を私は思い出した。それを読んで、私は、平和というやつが墓石の下にしかないこと、平和とは、つまり死の同義語だとさとった記憶がある。
(山川方夫 海岸公園 p175)

死なない限り人間は、平和なんて得られないのだ。
(p176)

癒着しあわないで愛しあうこと、それはいまもおれの理想なのだ。
(p181)

かれらへの屈辱に似た感情、赤黒く光る熱いどろどろとしたもの、私は、それが私たちを繋げている血の環であり、腐った腸のような血の連繋こそ、私の憎しみであり、私の「愛」であるのだ、と思った。だが、それこそがおれに殺人を要請する。
(p202)

嫉妬 五つの感情 その四 谷川俊太郎
私は王となってあなという領土の
小川や町はずれのすみずみまで
あまねく支配したいと願うのだが
実はいうとまだ地図一枚もってはいない
通いなれた道をあるいてるつもりで
突然見たこともない美しい牧場に出たりすると
私は凍ったように立ちすくみ
むしろそこが砂漠である事を
心ひそかにのぞんだりもするのだ
支配はおろか探検すら果たさずに
私はあなたの森に踏み迷い
やがて野垂れ死にするかもしれぬが
そんな私のために歌われるあなたの挽歌こそ
他の誰の耳にもとどかぬものであってほしい

時間と記憶は溶解しあっている。これらは、一枚のコインのふたつの面に似ている。時間がなければ、記憶もまた存在しえないということは、まったく明らかである。(中略)記憶を欠くと人間は虚妄の存在のなかに囚われてしまい、時間から脱落し、自分に固有な外部世界との関係を確立することができなくなる。つまり彼は狂気を運命づけられてしまうのだ。
(映像のポエジア/タルコフスキー)

世界は一冊の美しい書物に近付くべく出来ている。
LE MONDE FAIT POUR ABOUTIR A UN BEAU LIVRE.
(マラメル)

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