camera obscura
面白かった本を10冊紹介する〜海外文学編〜
2025/03/21 21:09そんな訳で今回は海外文学編です。
・ドリアングレイの肖像/オスカー・ワイルド/新潮文庫
・インド夜想曲/アントニオ・タブッキ/白水uブックス
・知と愛/ヘルマン・ヘッセ/新潮文庫
・消しゴム/ロブ=グリエ/光文社古典新訳文庫
・野生のアイリス/ルイーズ・グリュック/KADOKAWA
・喪の日記/ロラン・バルト/みすず書房
・神/フェルディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社
・すべての見えない光/アンソニー・ドーア/新潮社
・異国の女(ひと)に捧ぐ散文詩/ジュリアン・グラック/エディション・イレーヌ
・掃除婦のための手引き書/ルシア・ベルリン/講談社
どれを選ぶかかなり迷って10冊チョイスしてみました。
「ドリアングレイの肖像」は初めて読んだ時、あまりにもお耽美で痺れました。私の癖にどストライク。明治の昔、写真に撮られると魂が抜かれるという怪しい噂が出回ったらしいけれど、肖像画こそが描かれた人の魂を抜いてしまうんじゃなかろうか。あと画家とモデル、見る/見られるという眼差しのエロティシズムを私は感じます。
「インド夜想曲」はあちらこちらで布教しまくってる本ですが、いやもう本当に素晴らしいので読んで欲しい。友人を探してインドを旅する話なのですが、全編詩のように美しい。翻訳した須賀敦子の文が凄く良いんだろうな。須賀敦子のエッセイも幾つか読んだことあるけど、こちらも素晴らしいです。
「知と愛」はもうこんなに泣く小説はないんじゃないかっていうくらい、ボロ泣きしました。知に生きる人・ナルチスと愛に生きる人・ゴルトムントの物語で、ゴルトムントを一生を追う形で物語が進んでいきます。語ると長くなるので控えるけど、ナルチスとゴルトムントが再会を果たす場面で大号泣しました……愛に生きたゴルトムント、凄い。
「消しゴム」はヌーヴォーロマンの旗手、ロブ=グリエの傑作。ある殺人事件を調査する話なんだけど、回想と妄想が入り組みつつ進んでいく様は鏡の迷路に迷い込んだよう。それでも読者は混乱することなく最後まで読めてしまうので、書き手の技量の凄さが判ります。しかも冒頭と結末の時刻が同じというのがまたこの物語の凄さを物語っています。
「野生のアイリス」は詩集です。全編を読むとそれで1つの物語になっているような印象を受けます。美しい静寂、というのがこの詩集にはぴったり。
「喪の日記」はロラン・バルトが母親を亡くしてからつけた日記です。淡々と書かれた文章は変な感傷には染まらず、深い自己洞察を展開。悲しみとは本来、こんなにも静かなものなのではないのかなと思わせられます。
「神」は安楽死テーマにした戯曲。どこを見てもまるきり健康な男性が「もう生きる理由がない」と安楽死を求めて医者や弁護士、教会の祭司とディスカッションをしていく。答えは読者に委ねられている点がミソ。シーラッハはデビュー当時から読んでるけど、いつもあっと驚かされてます。
「すべての見えない光」は第二次世界大戦が舞台。ユダヤ人の盲目の少女とナチスに科学的な才能を見出された少年が出会って別れるまでの物語。この作品を読むといかに戦争が愚かであるか、そして善良な人々が簡単に加害者になっていく様子が分かって辛くなります。この本も読んで泣きました。
「異国の女に捧ぐ散文詩」はとても素晴らしい作品。降り注ぐ柔らかな陽光、地面に落ちる静かな影、川のせせらぎ、穏やかな昼と沈黙の夜、迸る恋情と滾る官能の血汐、愛しい人の残像、俤を何処までも追い求める……夢のような世界。挿画も美しいです。
「掃除婦のための手引き書」は短編集。まるでオシャレなショートムービーを見ているような感じです。文章のキレも良く、素早い感じでリズム感も楽しい1冊。
以上、10冊でした。気になる本、または読んだことあるよ!っていう方はお気軽にコメントをください〜😊✨
・ドリアングレイの肖像/オスカー・ワイルド/新潮文庫
・インド夜想曲/アントニオ・タブッキ/白水uブックス
・知と愛/ヘルマン・ヘッセ/新潮文庫
・消しゴム/ロブ=グリエ/光文社古典新訳文庫
・野生のアイリス/ルイーズ・グリュック/KADOKAWA
・喪の日記/ロラン・バルト/みすず書房
・神/フェルディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社
・すべての見えない光/アンソニー・ドーア/新潮社
・異国の女(ひと)に捧ぐ散文詩/ジュリアン・グラック/エディション・イレーヌ
・掃除婦のための手引き書/ルシア・ベルリン/講談社
どれを選ぶかかなり迷って10冊チョイスしてみました。
「ドリアングレイの肖像」は初めて読んだ時、あまりにもお耽美で痺れました。私の癖にどストライク。明治の昔、写真に撮られると魂が抜かれるという怪しい噂が出回ったらしいけれど、肖像画こそが描かれた人の魂を抜いてしまうんじゃなかろうか。あと画家とモデル、見る/見られるという眼差しのエロティシズムを私は感じます。
「インド夜想曲」はあちらこちらで布教しまくってる本ですが、いやもう本当に素晴らしいので読んで欲しい。友人を探してインドを旅する話なのですが、全編詩のように美しい。翻訳した須賀敦子の文が凄く良いんだろうな。須賀敦子のエッセイも幾つか読んだことあるけど、こちらも素晴らしいです。
「知と愛」はもうこんなに泣く小説はないんじゃないかっていうくらい、ボロ泣きしました。知に生きる人・ナルチスと愛に生きる人・ゴルトムントの物語で、ゴルトムントを一生を追う形で物語が進んでいきます。語ると長くなるので控えるけど、ナルチスとゴルトムントが再会を果たす場面で大号泣しました……愛に生きたゴルトムント、凄い。
「消しゴム」はヌーヴォーロマンの旗手、ロブ=グリエの傑作。ある殺人事件を調査する話なんだけど、回想と妄想が入り組みつつ進んでいく様は鏡の迷路に迷い込んだよう。それでも読者は混乱することなく最後まで読めてしまうので、書き手の技量の凄さが判ります。しかも冒頭と結末の時刻が同じというのがまたこの物語の凄さを物語っています。
「野生のアイリス」は詩集です。全編を読むとそれで1つの物語になっているような印象を受けます。美しい静寂、というのがこの詩集にはぴったり。
「喪の日記」はロラン・バルトが母親を亡くしてからつけた日記です。淡々と書かれた文章は変な感傷には染まらず、深い自己洞察を展開。悲しみとは本来、こんなにも静かなものなのではないのかなと思わせられます。
「神」は安楽死テーマにした戯曲。どこを見てもまるきり健康な男性が「もう生きる理由がない」と安楽死を求めて医者や弁護士、教会の祭司とディスカッションをしていく。答えは読者に委ねられている点がミソ。シーラッハはデビュー当時から読んでるけど、いつもあっと驚かされてます。
「すべての見えない光」は第二次世界大戦が舞台。ユダヤ人の盲目の少女とナチスに科学的な才能を見出された少年が出会って別れるまでの物語。この作品を読むといかに戦争が愚かであるか、そして善良な人々が簡単に加害者になっていく様子が分かって辛くなります。この本も読んで泣きました。
「異国の女に捧ぐ散文詩」はとても素晴らしい作品。降り注ぐ柔らかな陽光、地面に落ちる静かな影、川のせせらぎ、穏やかな昼と沈黙の夜、迸る恋情と滾る官能の血汐、愛しい人の残像、俤を何処までも追い求める……夢のような世界。挿画も美しいです。
「掃除婦のための手引き書」は短編集。まるでオシャレなショートムービーを見ているような感じです。文章のキレも良く、素早い感じでリズム感も楽しい1冊。
以上、10冊でした。気になる本、または読んだことあるよ!っていう方はお気軽にコメントをください〜😊✨