camera obscura

面白かった本を10冊紹介する~人文・ノンフィクション編~

2025/03/20 14:42
面白い本いっぱいあって全ジャンルから10冊だけ選ぶことはできないので、ジャンル別に紹介していきます。
そんな訳で今回は人文・ノンフィクション系の本を紹介。

・自殺の思想史/ジェニファー・マイケル・ヘクト/みずず書房
・SMの思想史/河原梓/青弓社
・宗教の起源 私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか/ロビン・ダンバー/白揚社
・暗闇の効用/ヨハン・エクレフ/太田出版
・サピエンス全史/ユヴァル・ノア・ハラリ/河出文庫
・セックスロボットと人造肉/ジェニー・クリーマン/双葉社
・統合失調症の一族/ロバート・コルカー/早川書房
・アナトミカル・ヴィーナス 解剖学の美しき人体模型/ジョアンナ・ベンステイン/グラフィック社
・書きたがる脳 言語と創造性の科学/アリス・W・フラハティ/ランダムハウス講談社
・葬送の仕事師たち/井上理津子/新潮文庫

本当はこれも入れたい! って言う本が他にもあったんだけど、今回は比較的最近読んだ(と言っても去年のものが大半だけど)ものを選びました。

「自殺の思想史」は「自殺に打ち克つための本」だとして書かれたもので、人類史の中で自殺はどのように扱われてきたのか、自殺の意味とは? を様々な文献を参照・引用して考察しています。

「SMの思想史」は昭和初期に作られた所謂「カストリ雑誌」の歴史を追いながら、そこに掲載された文学やイラスト、写真についても解説。 日本のSMはフェミニズムのはしりだという記述に驚きました。 また当時は世界の中で日本はSM先進国だったそう。

「宗教の起源」はタイトル通り、人類がどうやって神というものを獲得したのか、宗教の役割とは? というのを考察しています。 人類が進化の過程で高次な想像力を獲得してから神という概念を得たらしい。 だから聖書のヨハネの福音書第一章第一節「初めに言があった。言は神と共にあった。 言は神であった。」はある意味正しい。

「暗闇の効用」は環境問題の話。 夜、街中が明るいことで夜行性の虫が異常行動を起こして大量死、植物の受粉が上手くいっていない現状や渡り鳥も進路を間違えて死んでしまうことなども書かれています。 昔に比べて昆虫も鳥も激減しているのだとか。 巡り巡っては作物が全然取れなくなる危険性も……。

「サピエンス全史」は文庫上下巻の壮大な人類史。 特に上巻が面白いです。 こういう人類の歴史を見るととてもロマンを感じます。 我々はどこからやって来て、そしてどこへゆくのか? ーーこんな問いが浮かびます。

「セックスロボットと人造肉」は現代のテクノロジーの話。 実際にセックスロボットや人造肉を作っている会社などを取材しています。 巻末のあとがき「ここにとりあげたもの殆ど全てが男性の慾望を充たすものである」という文言に納得しつつ、なんかぞっとするものを感じました。

「統合失調症の一族」は息子・娘の殆どが統合失調症を患っているある家庭についての記録と考察。 統合失調症は果たして遺伝なのか環境なのか。 1950年~1960年代の精神医療界の事情も垣間見えます。 今は良い薬がたくさんあるから治療も進めやすいけど、この本の中に出てくる事例は半世紀近く昔のことなので治療するにもかなり大変だったと思うし、病気を患った子供達の末路が悲惨すぎて胸が痛くなります。 今でも統合失調症の明確な原因って判ってないしね。

「アナトミカル・ヴィーナス」はフルカラーの写真や図版が豊富な本。 解剖や解剖模型の歴史を知ることができます。 グロテスクな内臓を晒しながらもその表情は眠るように美しい解剖模型たち。 見ているだけで楽しいです。

「書きたがる脳」は脳科学の話。 がんがん文章を書く人(状態)をハイパーグラフィリア、逆に全く書けない人(状態)をライダーズロックと呼ぶ。 ハイパーグラフィリアはどうやら癲癇(てんかん)と関係があるらしく、ドストエフスキーがそうだったようです。

「葬送の仕事師たち」は葬儀や人の死に立ち会うことを仕事としている人たちを取材してまとめたもの。 本書を読むと人ひとり亡くなるということがいかに大変なのかが分かる。 その人らしく厳かに送り出せるのは葬送のプロがいるからなんだと本当に頭が下がる思いです。

以上、10冊の紹介でした。 1冊でも興味を持ってくれたら嬉しいです。

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