File.01 戦国より半妖現る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ?その服……じゃああなたが?」
「そ、そうなんだー、この人が柚子さんで日本に来て早々家が火事になっちゃって…」
日本に来て火事?そういう設定なのか。
つまりはこの服を貸してくれた女の子には嘘を言わないといけないという事でいいのだろうか。
ん?と首を傾げると肘でドンとコナンからの攻撃を受ける。
「私毛利蘭と言います、父が上の探偵事務所をしていて、その娘です」
そこでハッとする。
私も自己紹介をしなくてはと。
丁寧に言っていただいたのでと椅子から降り床に三本指をついて正座をした。
「お初にお目に掛かりま…「ああああの!やめてください!」」
全力で止められた。
キョトンとして女、蘭を見ると私を立ち上がらせようと必死だ。
どうしたらいいのかとコナンを見ると呆れた顔をしていたのでここまでの挨拶はいらないのかと立ち上がり、そして口を開く。
「名前……柚子……」
「凄い差ですね…」
まさかのバーボンに突っ込まれてムッとした。
仕方ないじゃないか。
こっちの世界の常識が分からないのだから。
「蘭姉ちゃん、柚子さん日本に慣れてないから言葉とかも伝わらない所あると思うけど教えてあげて?」
宜しくと言えば私でよければと優しい言葉をもらった。
そして蘭はこの近くの学校という所に通っていて武術が出来るとか。
人間の女が武術だなんて珍しいな。
いや、ここではそれが普通なのか。
「安室さん、アイスティー貰えますか?」
隣に座った蘭に、はいとにこりと笑ったバーボンは凄く綺麗な顔をしている。
そこでふと思った事を口にしてみる。
「あいすてぃ?」
「えっ……?」
「ら、蘭姉ちゃん、柚子さんは英語の使わない所にいたから、その辺も苦手で…あははは…」
えいごとは…。
コナンの慌てようからあまり口を開かない方がいいのかもしれない。
聞かないでおこう。
お品書きを手にして適当なものでいいかと口を開く。
「バーボっ「柚子さん!ボクと同じのにしなよ!」」
「え?でもライが「柚子さん!ほらっ、飲み物はお茶でいいよね?」」
話してはいけないのか。
バーボンの表情を見ると眉が寄っている。
そしてチラッと隣にいる蘭に視線を向けたけれど彼女はキョトンとした顔をしていた。
バーボンは炒め物を作り始めたのでそれを眺めていると蘭から声が掛かった。
恋人とかいないんですか、と。
「恋とか興味ないかな」
「えぇーじゃあ好みのタイプとかはどんな感じの人ですか?」
「…………」
「好きな異性はどんなのだって」
たいぷとはなんだと思っていると隣のコナンからボソッと聞こえた声にありがとうと心中でお礼を言ってから考える。
慕うくらい好きになれる異性が現れたらいいけれど、二百年以上は生きて来て一向に現れる気配はない。
「兄みたいな……」
「お兄さんいるんですね、どんな方なんですか?」
「え、見た目?中身?」
「どっちも教えてください」
「見た目は美人で、中身は基本的に口数が少なくて静か、かな。あと強い」
「クールなんですね」
くーる。
もうそろそろ頭が痛くなってくる。
そう思っているとバーボンがコトっと目の前に湯気の立つモノを置いた。
それを見て臭いを嗅ぐと隣のコナンからまた肘でドスッとやられた。
「クリームドリアです」
いい匂いがする。
添えてあった確かスプーンという物で一口食べてみる。
「……美味しい…」
思い切り胃袋を掴まれた。
男だというのにこの料理の腕前は素晴らしい。
見事だ。
