File.01 戦国より半妖現る
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そのとりぷるふぇいすと言う人間の事を聞くと本名は降谷零で、それを隠して安室透として暮らしているらしい。
そして悪い組織に入っている時の名前がバーボンと言うらしく、ライと同じだとか。
ライの昔話も少し聞いて、その組織の中ではライはもう死んでいる事になっているとか。
それで姿を隠して沖矢昴として今を生きているらしい。
コナン曰くバーボンの前ではライの話はしない方がいいと言われ、バーボンとライの間には因縁のようなモノがあるようだ。
でも普段の安室さんは優しくて料理も上手くて物腰が柔らかいから安心してと褒めていた。
もう遅いからコナンは家に帰り、ライは庭の血を掃除してから就寝についた。
ここで寝ようと思ったのだが寝室に来いと言われたのでライに付いていき布団に入ったライの顔が見える位置に丸まったのだが、勿論寝るつもりはない。
目を閉じたり開いてライをじっと見たり。
「眠れないのか?」
「いや、一週間くらいなら飲まず食わずで寝なくても平気なんだよ」
「……警戒心か」
「まぁ、そんな生活だったから自然とそうなるかな…大丈夫、ライには恩があるし殺さないから…番犬くらいはするよ」
そうかと言って先に目を瞑る。
外ではケーサツの音は無くなったものの、まだ捜されてはいるのだろう。
いつまでもここにいる訳にはいかないし、そのうち消えるとしよう。
この人間は煙草を吸うようで会った時はそこまで臭わなかったけれど部屋に入るとそれは一層強まった。
そう考えると噎せた。
ゴホッと咳をすると大丈夫かと言われたが噎せた原因を本人は分かっていないようで、まぁいいかと今日起こった事を考えているとあっという間に朝日が昇った。
布団の擦れる音がしたので目を開けるとライは何も言わずに扉を開けて出て行った。
その後をついて行ったのだがどこの部屋に入ったのか分からず匂いで辿ろうにもこの家には彼の匂いでいっぱいなので中々に難しい。
音のする部屋に入ろうかとも思ったけれど、下に行ったのは確かなので階段の上で待つ事にした。
すると、暫くして玄関の扉がガチャりと音を鳴らし入って来たのはコナンだ。
「昴さんっ!警察の人来るよ!」
入って来るなりケーサツと言う。
まさかとは思うが家にまで押し入ってくるのかあの部隊は。
私の顔を見てからコナンは昴さん何処ー!と探している。
「ああ、ボウヤか」
「なんでそんな呑気なの…」
何処かの部屋から出て来たライはさっきまでの顔とは違っている。
階段を下りてライの傍まで行きじっと見てからクンクンと匂いを嗅ぐ。
匂いはライなのだがこの顔は面か何かか。
「これが沖矢昴の顔だ」
視線を合わせる為に屈んでくれた。
糸目の男は確かにライの声だ。
そして首元に手を置いたと思えばそこからはピッと音がなる。
「ここを押すと声も変わる」
どんな仕組みかは知らないけれど、現代は便利な物が沢山ある。
そんな時、家の呼鈴が響いた。
「不味いよ昴さん!」
「柚子、いいって言うまで上にいろ」
サッと階段を上がり先程いた部屋に戻って扉を口で閉める。
そして耳を澄ませると知らない男の声が聞こえた。
「……目撃情報があって一軒一軒廻ってまして、協力お願いします」
「どうぞ」
家にあげたのか。
複数人の足音が下から響いて来る。
ここまでは来ないのかとも思ったけれど一応と窓から外を確認する。
外にも同じ服を着た男共がうろうろしていた。
すると、トントンと階段を上がってくる音がして、慌てて元の姿に戻る。
犬の姿よりは小さく動きやすいので姿を変えたけれど、この耳はどうしようか。
そう考えているとコンコンと扉が音を立てる。
「あ、その部屋はっ」
コナンの声がして、咄嗟に後ろにあった押入れのような所に入ったけれど、ここはライの匂いでいっぱいだ。
服が沢山掛けてある。
チラッと部屋の様子を見ただけで男は出て行ったようだ。
そしてそこから出て、んーっと伸びをしてから首をコキっと鳴らす。
「すみません、ありがとうございました、まだ近くに潜んでいるかもしれませんので徒歩での外出はなるべく控えるようにお願いします」
帰ったかと思い部屋から出て階段の上から様子を窺うと丁度玄関が閉まった所だった。
ライとコナンが同じように振り向き、目が合って二人共固まっている。
なんだと首を傾げながら階段を下りるとコナンは指を差してあわあわとしている。
「なっ、なん、その姿っ」
「隠れるのには元の姿の方がいいと思って」
「ホー、これはこれは中々美人ですね」
「父親の血が強いからじゃないかな、髪色も一緒だし父は綺麗だったから」
勿論母も美人だったけれど。
お陰で馬鹿な弟より賢い兄に似て嬉しい限りだ。
それにしてもコナンは驚き過ぎじゃないか。
本来の姿は人型だと言ったのに…やっぱり人間から見ると化け物か。
「耳が垂れてるぞ」
ピッと音がしたと思えば声はライに戻っている。
頭に乗せられた手はこれでもかと言う程よしよしと撫でてくれて、そしてその手は優しく、耳を…。
「ひあっ!」
バッとその手を振り払って跳び上がり階段の上へと戻る。
「凄い身体能力だね」
「ホー、耳が弱いのか」
驚いてるコナンに対しニヤリと口角を上げているライ。
確かに耳は弱い。
触るのはやめてほしい。
それもふわっと触るのは駄目だ。
ガシッと引っ張るくらいでないと…耳は敏感なんだ。
