File.07 夏風邪ですか?
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家に帰って肘の怪我の心配をしていたバーボンだったけど、これからまた仕事だから出ないといけないらしく、夕飯は冷蔵庫に作ってあるとの事。
行ってらっしゃいと見送って数分、携帯が震えたので画面を見るとジンからだった。
『よぉ、生きてるか?』
「死んでたら出ると思う?」
『ああ、違う奴がな』
それもそうかと納得してしまった。
「それで?どうしたの?」
『いや……てめぇの体が元に戻んのか気になっただけだ』
元に……。
解毒剤があれば戻ると思ってるんだけど、あまい考えかな。
この姿から成長しないって事はないだろうし、人生を六歳からやり直すと思えば別段戻れなくてもいいかな、なんて思ったりもする。
「ジンが気にするような事?」
珍しいな。
そこまで私の事を心配してくれているのか。
まぁベルモットには、私がいなくなって寝る間も惜しんで探してくれていると聞いていたからそれが本当だとかなり嬉しい。
『気にしてねぇ』
「嬉しいありがとう」
『あ?聞いてんのか』
えへへっと笑えば、笑ってんなと言われたけどジンの照れ隠しだと知っている。
顔に似合わず可愛いんだから。
『本題に入る』
「え、今のが本題じゃなかったの?」
『んなわけねぇだろ』
全力で心配してくれてると思ったのに残念。
そうだよね、ジンがそれだけで電話なんてしてくる筈がない。
なんだろうと電話越しなのに首を傾げると、ジンには伝わったのか口を開いた。
『仕事だ』
「仕事……?私が?」
『ああ、簡単な監視だ』
「ああ、だから小学生の私にも出来るよと」
いいように遣われているではないか。
まぁジンだからいいんだけどね。
変な仕事は回さないから。
それにしても、これは上には秘密なのかな。
私的にもうこの姿がバレてもいいんだけど……。
『内密に動け』
心を読んだのか。
流石長年一緒に居ただけあるなぁ。
取り敢えずその監視をして私である事がバレなければいいのか。
そんなの簡単じゃない。
「それっていつ?」
『来週の予定だが、また連絡する』
「夜だよね?」
『ああ、抜けられるか?』
「うん、友達の家に泊まるとでも言っとくよ」
バーボンには本当の事を言おうか悩むな。
組織の仕事だと言えばなんて言うだろうか。
行くなとか関わるなとか言われるだろうか。
それとも、何とも思わず行ってらっしゃいと手を振るだろうか。
嘘を吐いて友達の家に泊まってくると言ってもきっとバレる。
私にそんな友達がいるとも思わないだろうし。
『桜……、今度ドライブ行くか?』
「え……うん、ドライブか……うん、行く!」
変な誘いに驚いてしどろもどろになっちゃったけど、ジンからドライブに誘ってくれるなんて思いもよらなかった。
態々口にして言われるとなんとなくむず痒い。
私のその返事を聞いてジンはフッと笑ってから電話を切った。
機嫌良さそうで何よりだ。
ジンとドライブなんて、一体何処行くんだろう。
(只今帰りました)
(おかえりバーボン)
(嬉しそうですね)
(そんな事ないよ)
(尻尾があるなら振ってますよ)
(可愛い尻尾がいいね)
(そういう問題なんですね)
