File.06 漆黒の特急に乗車します
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無事事情聴取も終わり、ベルモットに鞄を返してもらい彼女はタクシーで帰って行った。
そして同じくバーボンとタクシーに乗り、東京駅で降ろしてもらってからはRX-7へと乗り込む。
久しぶりに乗ったバーボンの相棒にふぅと息を吐いた。
「疲れましたか?」
「疲れないわけがない」
と言っても私は車内では何もしてないけど。
あれだけなら全然良かったけど、コナン君とライは誤算だ。
学校へ行けばもっと疲れるだろうな。
授業を受けながらもコナン君とシェリーからの不穏なオーラに当てられなければいけないのか。
「バーボンは今日本庁?」
「ええ、後始末があるので」
ヘリコプターとかも出しちゃったし始末書が大変だろうな。
結局シェリーは死んだ事になっただろうし今晩は家に帰って来れないのかな。
私は朝まで熟睡しそうだ。
「今からお昼食べに行きます?」
「行かない、家で何か食べるから気にしないで仕事して来て」
「だったら風見でも寄越しましょうか」
「結構。あの人いたらマイナスだよ」
逆に手が掛かる。
私が一人分作るのに対して気遣わないといけないし風見の分のご飯も作らないといけないなら無駄な時間を使ってしまう。
俺がやるとか言いそうだけど私の命令には従わないから話が進まない。
勿論それは、どちらも譲らないからだけど。
「風見の事は嫌いですか?」
「いや、面白いから好きだよ」
「面白い、ですか」
はっきり言ってあげたら可哀想だから口には出さないけど、とても使える部下だとは思わない。
まぁそれも出来る上司だからそう思うのかもしれないけど……そう思うと私の周りは出来る人ばかりだな。
風見の場合まず、一般人ではないけどこんな子供に銃を抜き取られるという失態をしてるんだ。
「風見って彼女いるのかな?」
「気になるんですか?」
「んー、まぁ…女性関係どうなんだろうと」
「本人に聞いたらどうです?」
「教えてくれないの?」
「そうですね、他人が口を挟んでいい話ではないので」
真面目か。
それとも単に部下の色恋は語りたくないのかな。
それともそんな話はしない、とか。
風見から降谷さんに恋愛トークをするとか……考えられないか。
私もたまーに恋の話を聞きたいな。
キュンとするような恋愛はどこかに転がってないだろうか。
年齢が年齢なだけにこの人の所はドロドロしてそうだし、同級生の恋愛なんて子供過ぎて聞いてられないし。
はぁと溜め息が漏れた。
「どうしたんです?」
「いや、私って元の姿に戻れないのかなぁーって」
「やっぱり戻りたい、ですか」
「若くありたいって思う時もあるけど、やっぱり本来の姿の方がね」
思わず苦笑いになる。
シェリーに言えば解毒剤なんてものがあるかもしれないけど、それはバーボンには言えない。
縮む薬を作ったんだ。
元に戻る薬も必ず持っている筈。
近々交渉してみるか。
「バーボンって私の元の姿知ってたっけ?」
「写真でしか見た事ないですね」
ああ、そうか。
本名言った時に調べると本来の姿の写真が出て来たんだっけ。
そこでふと思う。
「バーボンが縮んだら可愛いだろうね、もしそうなったら同級生になれるかな?」
ふふっと笑う。
だって想像すると凄く面白い。
この喋り方でコナン君やシェリーと同級生になれたなら絶対楽しいだろうな。
小さくなってもイケメンだよね。
なんならジンやライも縮んでしまえばいい。
絶対可愛い。
「何か良からぬ事を想像してます?」
「そんな事ないよ、バーボン可愛いなって思っただけ」
車はゆっくりと駐車場へと着いた。
元の姿に戻るとこの家ともさよならしないといけないのか。
そう思うと少し寂しくなる。
もうすっかり馴染んだこの家には沢山のバーボンとの思い出がある。
もう、戻れないかもしれない。
(着替えたら出ますね)
(行ってらっしゃい)
(おや、見送ってはくれないんですか?)
(お昼寝してからご飯するから、おやすみ)
(相変わらずのツンデレですね)
(早く行きなよ、バカ)
