File.06 漆黒の特急に乗車します
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「取り敢えず、一回死んどこうか」
鞄から出したベレッタのロックを外しコナン君へと向ける。
するとコナン君の背後から歩み寄ってくる人物に嫌気がさした。
「コナン君、大丈夫かい?」
ライだ。
大丈夫も何も今この銃を向けているのが目に入らないのか。
私が撃たないと思っての行動だろうけど。
「昴さんっ!?」
どうしてここにと言いたげだ。
次の瞬間にはグッと銃を掴まれ銃口を逸らされる。
この怪力男。
いや、私の力が子供過ぎるのか。
「ライ、邪魔するんなら撃つよ?」
「ホー殺れるもんなら殺ってみろ」
瞳を開きニヤリと口角を上げる。
「サイレンサーも着けてない銃を君がこの場で撃つとは思えんからな」
「待って、二人は知り合いなの?それに、ライって……」
ガコッとロックを戻され取り上げられる。
それをあろう事か懐へと直したではないか。
完全にパクられた状態に少なからず驚く。
だけどそれは返してもらわないといけない。
「彼女なら平気だ、俺の正体を知っていて組織に黙っているからな」
「それ私のじゃないから返して」
「ホー、だったら誰のだ」
再び銃を取り出し360度あっちからもこっちからも見ている。
そこまで珍しい銃でもないだろう。
ベレッタなんて主流も主流だ。
「俺の知ってる限り組織でこの銃を扱うのは奴だけなんだがな」
私も同じ事を考えてしまった。
そうだ、ベレッタを使うのはジンくらいだ。
墓穴を掘ったと舌打ちが漏れる。
「返してくれないなら奴に報告するけど?」
「それは勘弁してほしいな、一緒に寝た仲だろう」
「変な言い方しないで」
確かに寝たは寝たけどこの子供の姿で一晩一緒のベッドで眠っただけだ。
バーボンの元から家出をした一度きり。
なのに何故体の関係のような言い方をするんだ。
はぁーと溜め息を吐き、ライがコナン君に視線を移した隙を見て跳び掛かる。
その手からベレッタを奪い、更には反対の手で折り畳みの小型ナイフを出し切り掛かったけど、頬を掠った程度で変装のマスクの上からもあり血は出ていない。
ちぃっと舌打ちをしてナイフとベレッタを鞄へ仕舞った。
「殺ろうと思えばいつでも殺れるよ」
「まぁそうだな、それはお互い様と言っておこうか」
ギッと睨めば上から見下ろされる。
本当身長何センチだよコイツ。
眼鏡を上げたライの視線は鞄へと注がれている。
なんだと眉を寄せると口を開いた。
「銃は一丁じゃないのか」
「ああ、H&KのP7M8、バーボンのだよ」
鞄を開けた時に見えたのか。
事情聴取ももうすぐ終わるかなと人混みの方を見る。
すると、キョロキョロと辺りを見て何かを探しているバーボンが見えた。
探されてるのは私か。
「じゃあね、コナン君はまた学校で」
子供の笑顔で手を振りバーボンの所へと向かった。
すると彼もこちらに気付いたようで走り寄ってくる。
ベルモットが周りにいない事を確認してからにこりとバーボンに笑みを飛ばす。
「何処へ行っていたんですか」
「人混み疲れるからその辺で休んでた」
「全く……携帯くらい見てくださいよ」
言われてから確認すると着信が三件バーボンから来ていた。
それには素直に謝罪をして、事情聴取が終わったようなので鞄事バーボンへと預けようとしたけど、そこで降谷零とはこれから事情聴取をされるんだと気付き、ベルモットへと電話を掛ける。
「今何処にいる?あのね、鞄持ってて欲しいんだけど……」
『貸しにしとくわ』
この女は。
まぁ仕方ない。
助けてもらうんだし贅沢は言わない。
バーボンとは一旦別れ、ベルモットへ鞄を預けてから事情聴取へと臨む。
(それでは名前をお願いします)
(降谷零です、この子は親戚の子で今預かってるんですよ)
(イケメンパパ羨ましいでしょー?)
(あれ?さっき安室透と……)
(え、透もこの列車にいたんですか?)
(透お兄ちゃんに会いたいなー!)
(安室透とは親戚なんですよー)
(そっくりですね……)
