File.05 家出しますねバーボン
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降谷side
やってしまった。
ついカッとなって子供に手をあげてしまった。
本来成人しているとはいえ今は子供だ。
それに、まだ真実かも分からない疑っている状態の彼女の首を掴むとは。
一言謝ったが彼女の性格上そう簡単には許してくれないだろう。
そして、日付を跨いだ頃に家に帰るといつものように電気は真っ暗だ。
いや、いつもと違うのは寝室のサイドライトもついていなかった。
俺がまだ帰って来ていない時は必ず彼女はあれを点けて寝ているのだが、それが消えているという事はこの家に彼女はいないという事。
はぁーっと長い溜め息を吐いてからシャワーを浴びて冷蔵庫に入れてあった夕飯を取り出す。
まだ二人分あるという事は夕飯を食べずに出て行ったので大体の時間帯が分かる。
彼女の私物も少なからず無くなっていたし、ベレッタも持って行ったようだ。
そしてご飯を食べながらふと思う。
この家は狭い筈なのに、いつもよりも広く感じる。
寂しいと柄にもなく思ってしまった。
そんな感情に至るのはいつぶりだろうか。
食べ終えた食器を片付け、パソコンと少しだけ向き合ってから床に就いた。
朝起きてまず初めに携帯を確認したが、夜に彼女へ送っておいたメールの返信はない。
そして次の日も何の連絡もない。
これは、おそらく迎えに行かないと戻っては来てくれないな。
いや、でも出て行ったのなら態々呼び戻すのもどうかと思う。
だが、いつも隣にいてくれた彼女にはすっかり安心しきっている自分がいて、いつの間にか傍にいてほしいと思う存在になっていた。
『あら、どうしたの?あなたから掛けて来るなんて珍しいじゃない、バーボン』
「いえ、少しミステリートレインの事で……」
ベルモットに掛けた電話は本当に仕事の事だ。
特に盗聴されても不味くない程度の話であり、ベルモットに彼女の事を聞きたいと思ったが、やめた。
彼女が身を寄せるとすれば後はジンの所しか思い浮かばない。
聞きたいが聞けない相手ともあり、本人に電話を繋ぐ事にした。
今日は休日だ。
この真っ昼間でも出るはずだ。
『はい……何か用?』
意外とあっさり声が聞けて頬が緩んだ。
怒っているのかと思ったが声色からそうではなさそうだ。
「今、何処にいます?迎えに行きたいので場所を教えてください」
『米花デパート……』
意外と近くにいて安心した。
彼女が戻って来てくれるのなら何だってする。
出来る事ならなるべくはやってあげたい。
プライドなんて今はあってないようなものだ。
早速車を飛ばそうと残りの仕事を風見に押し付けて彼女の待つデパートへの道を走行した。
今日はもう仕事は入っていない。
本庁で書類を纏めようと思っていたので遅くても19時には帰れる予定だったのだ。
それを風見に押し付けたのだから彼女の所へは16時には着ける。
それから少し買い物をして、家に帰って、それから今日は彼女の大好きなオムライスでも作ってやろう。
(降谷さん嬉しそうでしたね)
(最近コロコロ表情変わりますよね)
(何か知ってますか?風見さん?)
(いや……俺は何も……)
