act.04 体調不良持続力
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降谷side
今日は探偵の仕事だ。
依頼人の家へと向かっている途中、携帯が震えた。
登録されていない番号だったが、この番号は知っている。
と言うより覚えたと言った方がいいか。
インカムをして通話を押す。
「はい」
『あのですね、今風見といるんですけど、借りても?』
「は?風見と?」
案の定彼女からだった。
何故風見といるんだと頭を抱えそうになったが風見には近付くなと言ってある筈だ。
『日比谷公園行こうと思ったら居たので掴まえました』
まさかまたあのコンビニか?
風見にはあそこには近付くなと言っておこうか。
すると、彼女の気配は無くなり、代わりに風見の声が聞こえた。
『すみません、接触してしまいました』
「いや、今日は一日休暇を取ってたな?」
『はい、特に予定もないのですが…』
布の擦れる音や雑音が聞こえてくる。
「だったら付き合ってやれ」
『いや、でも……降谷さん…』
『風見ー!行こーよ!そこの公園行くだけだから銃ぶっぱなさないからー、ねぇ風見ー、風見ー』
雑音が酷いが声ははっきりと聞こえる。
何か物騒な言葉が出て来たがまぁいい。
きっと今頃風見の眉間の皺は三割増しだろうな。
「……行ってやれ…」
『……はい…分かりました。彼女に替わります』
車を移動させて来るから待ってろと飼い犬か何かに言うかのように対応をして風見の気配は無くなった。
そして聞こえたのは彼女の声。
『降谷さん、ひどいですよ近付くなって風見に言ったんですか?』
「まぁまだ疑ってる段階ですからね」
『はっきり言いますね、でもそっちの方が好きです』
疑わない理由こそないだろう。
あのジンと繋がってるんだ、信じられるわけがない。
命に関わるような情報は組織に渡していないとは言っていたが、そもそも彼女は何故組織に肩入れするような真似をしているのか。
「椿さんの目的を聞いても?」
『目的…?』
「何の為に組織の情報を嗅ぎ回ってるんです?」
『嗅ぎ回ってるつもりないですけど……』
単にジンと仲がいいから、いや前にポアロで付き合ってるとか彼氏だとか何とか…今はまぁいい。
そもそも彼女は前にこちらの味方だと言った。
なら何故……。
『降谷さんは、私がなんて言えば疑わないんですか?なんて言えば信じてくれます?』
「それは難しい質問ですね」
きっと何を言われても疑わない自信はない。
『私降谷さんになら何でも話せますよ』
「……何故そこまで俺の事が信用出来る」
『信用出来る出来ないじゃなくて、私は信用したいです。降谷さんの守りたいものを守ってる降谷さんを守りたい』
よくそこまでストレートに言えたものだ。
何故彼女はそうまでして…。
それに、ジンの事もそうだが、全く疑わないのは何故だ?
こっちは公安、彼女は銃刀法違反の上にクラッキングをしている…捕まらないとでも思っているのか?
そこまで馬鹿ではないだろう。
なら、捕まえないと確信しているのか?
なんてやつだ。
そう思うと可笑しくなって来た。
一応堪えてはいるが、笑った声は聞こえてしまったようで、遊ばれてますか?と聞かれた。
「椿さんも風見で遊びましたよね?」
おあいこだ。
「嘘偽りないんですか?今の言葉に」
『はい、私そういった嘘は吐きませんよ、多分』
多分か。
どこまでも素直だな。
くくっとまた笑ってしまった。
俺の事を信用したくて、俺の事を守りたいか。
変な女だ。
『私は降谷さんの味方と言った筈です』
普段はふわふわしていて押しに負けそうな所もあるのに、意外と芯はしっかりしていて、強いな。
『私個人として降谷さんの味方ですし、その上頼まれたので、ゼロの事宜しくなって』
「……っ…」
それはどう言う事かと聞こうとしたが、それより早く切断された電話に舌打ちが漏れた。
もう一度掛け直すも、機械音声が流れるだけで、応答はない。
「ちっ、電源を切られたか」
今のあの言い方は…。
そして宜しくとは…。
彼女は知り合いだったのか?
だとすると前にポアロで話してた潜入捜査中に自殺したと言うのはやはり…。
ついさっき「降谷さんになら何でも話せますよ」と言っていた彼女。
だが、通話を切った上に電源を落とした事からおそらくあまり聞いてほしくはない話なのだろう。
アイツが、俺の事を頼んだと言うからには彼女を疑うのはきっと時間の無駄なんだろうな。