act.04 体調不良持続力
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ただの盗聴器とイヤホンだよ」
「バーロー、どこがただの盗聴器だよ」
そんなある日、盗聴器とイヤホンとパソコンと携帯を繋いでいた時、丁度呼鈴が鳴った。
最新式の盗聴器で仕組みがややこしく、結構時間が掛かってしまっていた。
おまけにイヤホンもだと思うとさらに作業が難航している。
どうやら来客者はコナン君と沖矢さんだったようでエントランスのロックを外し、11階にある部屋に招いた。
すると、入って来た二人は机に転がっているモノに興味津々で、じーっと眺めては優しく触ってを繰り返していた。
「コレ盗聴器か?」
「ん?ああ、ジンに貰ったやつ」
「ホー、あのジンに?」
そして文頭に戻る。
連絡も無しに来たと思えばどうやらこの前のジンからの贈り物が気になっていたようだ。
それだけの為に沖矢さんを呼んだのか。
この人も暇だな。
そして言われたコナン君の言葉。
どこがただの盗聴器だよ、とは。
おそらく、何故解体する必要があるのかと。
「携帯でも聞こえるようにしたくてね」
解体と言っても蓋を開けてちょっと弄っただけで、イヤホンも同じくちょっと中身を見ただけ。
そこまで機械には詳しくないのであまり弄らない。
弄るのはパソコンだ。
カタカタとパソコンのキーを打つとピピピッと機械音がしてなんとか思うようにインプットされた。
「ホー…」
「すげぇ…」
一部始終を見ていた二人は同じような体勢のまま声を漏らした。
前々から思ってたけど本当二人って似てるよね。
どっちが寄せていってるんだ。
「もっと凄い人工藤邸の隣に住んでるでしょ」
「いやまぁそうだけどよ」
「それよりコナン君から聞いたんですけど、ジンとは恋人だとか」
「いやいや、何故そうなる」
「あん時おめぇ否定しなかっただろ」
否定?何の事だと首を傾げる。
キッチンでコーヒーとお茶を入れて片付けた机の上に置いた。
そして今し方貰った手土産もいくつか置いた。
「園子に言われてただろ、ジンと付き合ってんのかって。あれだけ安室さん安室さん言ってたのにやけにあっさりいっちまったんだなって思ったけど…」
あれ、あの時否定しなかったっけ?
なんせあのメンバーでいる時にジンと言う単語だけでも焦るのに本人現るだもんね。
焦り過ぎてポアロに戻ってからの記憶が曖昧だ。
「私は安室さん一途です!いつでもどこでも安室さんがいれば生きていけるっ!」
「でも抱き着いてたじゃねーかよ」
「あれは嬉しさとお礼だよ、ありがとーって」
こんな風にとコナン君を抱き締める。
「ボウヤはいいとしてジンはどうかと思うがな」
おっと、変声器切ったな。
赤井さんからも批判の声。
「じゃあ赤井さんは?ありがとーって別に普通じゃない?」
役得っと脳の片隅で思って座っていた彼にもぎゅーっと抱き着いた。
あ、いい匂いする。
煙草の匂いもするけど柔軟剤と赤井さんの匂いもする。
「どうだろうな、相手に好意を抱いていなかったら何もないだろうが…」
「じゃあ何もないよ」
赤井さんから離れて床に置いていた盗聴器の蓋をドライバーで絞めていく。
同じようにイヤホンも。
「あまり男にする事は勧めんな」
赤井さんの事はお兄ちゃんくらいかな、なんて思っていたけどお父さんかもしれない。
完成した盗聴器を鞄に一つと、イヤホンを入れる。
「そう言えばね安室さんにも中身何か聞かれて……」
そこまで言ってから思い出してしまった。
その中身…教えて下さい………って、うわあああ!ダメだ。
耳が幸せだったと叫んでる!
「盗聴器なんて別に言ってくれたらすぐに見せるのにさ、耳元で囁くなんて狡い!ハニートラップ引っ掛かる自信100%あるのにっ、あんな耳元でっ!殺す気ですか!」
バッと両手で顔を覆う。
「…いつもああなのか?」
「うん、大体は……」
ははっ、いつもの事だからとコナン君には呆れられている。
買って来てくれた可愛くラッピングされてる星型の一口サイズのバームクーヘンに手を伸ばす。
袋を開けて口に入れると程よい甘さが口に広がった。
あれ?なんで赤井さん開眼してるの。
「なに…?」
「いや、食べるんだなと思ってな」
「椿さん偏食だから?」
「前に癖で食べれないと言っていたから食べないと思ったんだが」
「ああ…うん、大丈夫赤井さんの事は信じてるから」
食べないと思ってても持って来てくれる所が嬉しい。
これ持って来られたら間違いなく女は落ちてるよ。
だって凄くSNS映えの袋に入っていて形もハートと星になっている。
赤井さんがこれをチョイスしたのは意外だけど、女性受けは抜群だ。
しかし私には降谷さんがいるので落ちることはない。
「じゃあボクそろそろ帰るね」
「それでは僕も帰ります」
一瞬で沖矢さんに切り替わった。
流石、仕事出来る人は違うわ。
下まで見送ると言ったけどここでいいと言われたので玄関でエレベーターに乗るまで見送った。
沖矢さんとコナン君でも親子に見えるよね。
この二人好き。
赤井さんとコナン君ならもっと好き。
赤井さんと降谷さんならもっと好き。
あ、止めよう。
もう鼻血じゃ済まなくなる。