【Daiki Takao】 Beside Me, Her
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昼休みのざわめきが響く教室。
廊下から戻ってきた大毅は、ふと前方の席に目をやった。
机に突っ伏したまま動かない陽葵。
普段なら誰かに声をかけられれば顔を上げて笑うはずなのに、今日は違う。
「大丈夫?」と心配そうに覗き込むクラスメイトに、陽葵は顔を上げて「平気」と小さく笑って首を振る。
けれど、その笑顔はどう見ても力がなくて。
(嘘つけ。どこが平気だよ)
気づけば、大毅の足は勝手に彼女の席に向かっていた。
「……おい、水瀬」
「ん……? あ、高尾くん」
「お前、体調悪いんだろ」
陽葵は慌てて上体を起こし、笑顔を作る。
「大丈夫だよ。ちょっと寝不足なだけ」
その笑顔が、大毅の胸をざわつかせる。
無理してるのが見え見えなのに、周りは「なら大丈夫か」で済ませる。
でも、大毅だけは引っかかって仕方なかった。
「……何が大丈夫だよ。顔、真っ青だぞ」
「え、でも授業始まっちゃうし」
「授業よりお前が倒れるほうが問題だろ。行くぞ」
返事も聞かずに、大毅は彼女の腕を取った。
「ちょっ……!」と驚く声を無視して、そのまま歩き出す。
「ほら、保健室」
「……でも、迷惑じゃ……」
「迷惑とか言うな。俺が気になるから言ってんの」
思わず口にしてから、自分でハッとした。
(気になる? 俺が?)
けれど、その言葉を取り消す間もなく、陽葵はきょとんと目を瞬かせてから、小さく頷いた。
保健室のベッドに横になった陽葵は、頬が赤く、息も浅い。
先生が体温計を取りに行った隙に、大毅は腕を組んでベッドの横に立ち、じっと見下ろした。
「……ほらな。やっぱ熱があった」
「……ちょっとだけだから」
「ちょっとでも熱は熱だろ」
陽葵は布団の端を指でいじりながら、申し訳なさそうに笑う。
「高尾くんに心配かけちゃったね。ありがとう」
「……俺は別に。ただ、見てらんなかっただけ」
そう言いながら視線を逸らす大毅。
けれど胸の奥に広がっているのは、紛れもなく「見てられない」以上の感情だった。
やがて先生が戻ってきて体温を測ると、やはり発熱。
親に連絡がつき、迎えが来るまで休むよう告げられる。
「……じゃ、俺は教室戻る」
「うん……ごめんね。本当にありがとう」
「謝んな。……もっと自分のこと、大事にしろよ」
短くそう告げて、保健室を後にした。
ドアが閉まる。
廊下に出た瞬間、心臓の鼓動がやけに速く響いてきた。
(……何言ってんだ、俺。クラスメイトに言う台詞じゃねぇだろ)
けれど、それが建前でも気まぐれでもないことは、大毅自身が一番よくわかっていた。
廊下から戻ってきた大毅は、ふと前方の席に目をやった。
机に突っ伏したまま動かない陽葵。
普段なら誰かに声をかけられれば顔を上げて笑うはずなのに、今日は違う。
「大丈夫?」と心配そうに覗き込むクラスメイトに、陽葵は顔を上げて「平気」と小さく笑って首を振る。
けれど、その笑顔はどう見ても力がなくて。
(嘘つけ。どこが平気だよ)
気づけば、大毅の足は勝手に彼女の席に向かっていた。
「……おい、水瀬」
「ん……? あ、高尾くん」
「お前、体調悪いんだろ」
陽葵は慌てて上体を起こし、笑顔を作る。
「大丈夫だよ。ちょっと寝不足なだけ」
その笑顔が、大毅の胸をざわつかせる。
無理してるのが見え見えなのに、周りは「なら大丈夫か」で済ませる。
でも、大毅だけは引っかかって仕方なかった。
「……何が大丈夫だよ。顔、真っ青だぞ」
「え、でも授業始まっちゃうし」
「授業よりお前が倒れるほうが問題だろ。行くぞ」
返事も聞かずに、大毅は彼女の腕を取った。
「ちょっ……!」と驚く声を無視して、そのまま歩き出す。
「ほら、保健室」
「……でも、迷惑じゃ……」
「迷惑とか言うな。俺が気になるから言ってんの」
思わず口にしてから、自分でハッとした。
(気になる? 俺が?)
けれど、その言葉を取り消す間もなく、陽葵はきょとんと目を瞬かせてから、小さく頷いた。
保健室のベッドに横になった陽葵は、頬が赤く、息も浅い。
先生が体温計を取りに行った隙に、大毅は腕を組んでベッドの横に立ち、じっと見下ろした。
「……ほらな。やっぱ熱があった」
「……ちょっとだけだから」
「ちょっとでも熱は熱だろ」
陽葵は布団の端を指でいじりながら、申し訳なさそうに笑う。
「高尾くんに心配かけちゃったね。ありがとう」
「……俺は別に。ただ、見てらんなかっただけ」
そう言いながら視線を逸らす大毅。
けれど胸の奥に広がっているのは、紛れもなく「見てられない」以上の感情だった。
やがて先生が戻ってきて体温を測ると、やはり発熱。
親に連絡がつき、迎えが来るまで休むよう告げられる。
「……じゃ、俺は教室戻る」
「うん……ごめんね。本当にありがとう」
「謝んな。……もっと自分のこと、大事にしろよ」
短くそう告げて、保健室を後にした。
ドアが閉まる。
廊下に出た瞬間、心臓の鼓動がやけに速く響いてきた。
(……何言ってんだ、俺。クラスメイトに言う台詞じゃねぇだろ)
けれど、それが建前でも気まぐれでもないことは、大毅自身が一番よくわかっていた。