【Daiki Takao】 Beside Me, Her
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チャイムの余韻が消えて、廊下はすっかり夕焼け色に染まっていた。
鞄を肩に掛け直しながら歩く大毅は、補習の終わる時間が誰よりも遅いことに小さくため息をつく。
(……水瀬は、さすがにもう帰ってるよな)
そう思いながらも、足は自然と教室の前で止まっていた。
ほんの出来心で覗き込む。
「……あ」
窓から差し込むオレンジの光の中、机にプリントを広げてペンを走らせる姿があった。
陽葵だった。
「……まだいたのかよ」
思わず漏らした声に、陽葵が顔を上げる。
「高尾くん? 補習終わったんだ」
彼女は驚いたあと、ふっと微笑む。
(……なんで安心してんだ、俺)
ただのクラスメイトなのに。顔を見ただけで胸の奥が軽くなるなんて。
「……何してんの」
「係の仕事。プリントまとめとかね」
「……ほんと、真面目だな」
「そうかな?みんな忙しいから、できるときにやっといたほうがいいでしょ」
「それで、いつも押しつけられてんだろ」
「押しつけっていうより……頼まれたら断れないんだよね」
「……お人好し」
「ふふ、よく言われる」
肩をすくめて笑う横顔がやけに眩しくて、大毅は視線をそらす。
「……帰んねぇの?もう暗くなる」
「あとちょっとで終わるから大丈夫。高尾くんこそ、疲れてない?」
「別に」
「そっか」
またペンが走る音が戻ってくる。
静けさに妙に落ち着いてしまう自分がいて、無性に苛立つ。
「……チッ」
「なに?」
「……なんでもねぇ」
陽葵は首をかしげて、すぐに作業へ戻った。
気づけば大毅は前の席に腰を下ろし、机に肘をついて彼女を眺めていた。
「……え?」
「何」
「いや、どうしたのかなって」
「……暇」
「ふふ、正直」
陽葵は笑ってまた手を動かす。
紙の音とペン先の走る音だけが、静かに積み重なっていく。
「……遅くなるぞ」
「うん、あと少し。……心配してくれてる?」
「してねぇ」
「そっか」
にこっと笑うその顔に、思わず視線を逸らした。
窓の外の夕焼けを見つめながら、鼓動だけがやけに速い。
(……何なんだよ、これ)
やがて陽葵がプリントをまとめ終え、軽く手を振る。
「じゃあね、高尾くん」
「……ああ」
ドアが閉まる音がして、教室にひとり残された。
静まり返った空気の中で、つい彼女が座っていた机に視線が吸い寄せられる。
置かれていたノートや筆箱の位置まで、なぜか焼きついて離れない。
「……ほんと、何やってんだ俺」
ぽつりと声が零れる。
余計な感情に振り回されてる場合じゃない。
そう分かっているのに、頭の中では彼女の笑顔や仕草ばかりが繰り返される。
机に肘をつき、ぐしゃりと前髪をかき上げた。
「……バカかよ」
夕焼け色の静けさの中、胸の奥に熱だけが残っていた。
鞄を肩に掛け直しながら歩く大毅は、補習の終わる時間が誰よりも遅いことに小さくため息をつく。
(……水瀬は、さすがにもう帰ってるよな)
そう思いながらも、足は自然と教室の前で止まっていた。
ほんの出来心で覗き込む。
「……あ」
窓から差し込むオレンジの光の中、机にプリントを広げてペンを走らせる姿があった。
陽葵だった。
「……まだいたのかよ」
思わず漏らした声に、陽葵が顔を上げる。
「高尾くん? 補習終わったんだ」
彼女は驚いたあと、ふっと微笑む。
(……なんで安心してんだ、俺)
ただのクラスメイトなのに。顔を見ただけで胸の奥が軽くなるなんて。
「……何してんの」
「係の仕事。プリントまとめとかね」
「……ほんと、真面目だな」
「そうかな?みんな忙しいから、できるときにやっといたほうがいいでしょ」
「それで、いつも押しつけられてんだろ」
「押しつけっていうより……頼まれたら断れないんだよね」
「……お人好し」
「ふふ、よく言われる」
肩をすくめて笑う横顔がやけに眩しくて、大毅は視線をそらす。
「……帰んねぇの?もう暗くなる」
「あとちょっとで終わるから大丈夫。高尾くんこそ、疲れてない?」
「別に」
「そっか」
またペンが走る音が戻ってくる。
静けさに妙に落ち着いてしまう自分がいて、無性に苛立つ。
「……チッ」
「なに?」
「……なんでもねぇ」
陽葵は首をかしげて、すぐに作業へ戻った。
気づけば大毅は前の席に腰を下ろし、机に肘をついて彼女を眺めていた。
「……え?」
「何」
「いや、どうしたのかなって」
「……暇」
「ふふ、正直」
陽葵は笑ってまた手を動かす。
紙の音とペン先の走る音だけが、静かに積み重なっていく。
「……遅くなるぞ」
「うん、あと少し。……心配してくれてる?」
「してねぇ」
「そっか」
にこっと笑うその顔に、思わず視線を逸らした。
窓の外の夕焼けを見つめながら、鼓動だけがやけに速い。
(……何なんだよ、これ)
やがて陽葵がプリントをまとめ終え、軽く手を振る。
「じゃあね、高尾くん」
「……ああ」
ドアが閉まる音がして、教室にひとり残された。
静まり返った空気の中で、つい彼女が座っていた机に視線が吸い寄せられる。
置かれていたノートや筆箱の位置まで、なぜか焼きついて離れない。
「……ほんと、何やってんだ俺」
ぽつりと声が零れる。
余計な感情に振り回されてる場合じゃない。
そう分かっているのに、頭の中では彼女の笑顔や仕草ばかりが繰り返される。
机に肘をつき、ぐしゃりと前髪をかき上げた。
「……バカかよ」
夕焼け色の静けさの中、胸の奥に熱だけが残っていた。