【Gakuto Haruka】 In Every Note, You
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すみれの東京旅行はあっという間の時間だった。
流れるアナウンスが、胸の奥を急き立てるように響いた。
キャリーケースのハンドルを握るすみれの手は、じんわりと汗ばんでいる。
「……じゃあ、がっくん。本当にありがとう。私、すごく楽しかった」
「俺も! めちゃくちゃ楽しかった!」
笑い合った瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
このまま「またね」と手を振るだけじゃ、何かが足りない。
そんな予感が、楽翔の心を押し出した。
「……すーちゃん」
呼び止められて振り返ったすみれの目に映ったのは、今までに見たことのない真剣な楽翔の表情だった。
「東京で、いろんな人に会ったよ。綺麗な人も、可愛い子も、いっぱい見てきた。でもさ、俺、何も思わなかった」
声が震えていないのが不思議なくらい、まっすぐな言葉。
「やっと分かった。俺には、ずっとすーちゃんしかいなかったんだ」
すみれの呼吸が一瞬で止まる。
ざわめく人の声も、アナウンスも、全部遠ざかって――耳に届くのは彼の言葉だけ。
「……俺にとって、すーちゃんは一番大事な人。だから……ずっと、一緒にいてほしい」
胸が痛いほど高鳴って、声が出ない。
やっとの思いで、すみれは絞り出した。
「私……わたしが東京まで来たの、何のためだと思って……」
「えっ……」
「最後にしようと思ったの。がっくんと離れるために、ケジメをつけようって……でも、言えなかった……!」
こらえきれず、涙がすみれの頬を伝う。
「すーちゃん、なんでそんな――」
「だって……もう、私とは違う道を歩いてる人だから。昔とは違うんだって……」
「違う!」
強く遮る声。
楽翔は一歩踏み出し、すみれの手を力強くつかんだ。
「俺、すみれじゃなきゃいやだ。他の誰でもない、すーちゃんがいい」
鼻を啜りながら、すみれが震える声で問う。
「ほんとに……いいの? これからも、がっくんと一緒にいたいって思っても」
「俺がそうしてほしいって言ってるんだから、いいに決まってるよ」
そう言って、彼は迷わず抱きしめた。
今度は衝動なんかじゃない、互いの心を確かめるように。
大勢の人が行き交う空港の真ん中で、二人はぎゅっと抱き合った。
「ねえ、笑ってお別れするつもりだったのに、涙でぐちゃぐちゃ……」
「すーちゃん、泣いてても最強にかわいい!」
「も〜!」
涙と笑顔が入り混じったまま、ようやく二人は離れた。
「……行かなきゃ」
「行ってほしくない〜!」
「わがまま言わないでよ、私明日学校なの」
「……いっぱいメッセージ送るね!電話もする!たまにはビデオ通話もしよ!」
楽翔はすみれの手をぎゅっと優しく握って、笑った。
「離れてても、忘れないで。俺はすーちゃんのことが世界で一番大好きだってこと!」
その笑顔は今まで見た彼の笑顔の中でもとびきりキラキラしていて、やわらかい。
すみれは幼馴染とは違うその"特別"を握りしめて、「またね」と手を振るのだった。
流れるアナウンスが、胸の奥を急き立てるように響いた。
キャリーケースのハンドルを握るすみれの手は、じんわりと汗ばんでいる。
「……じゃあ、がっくん。本当にありがとう。私、すごく楽しかった」
「俺も! めちゃくちゃ楽しかった!」
笑い合った瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
このまま「またね」と手を振るだけじゃ、何かが足りない。
そんな予感が、楽翔の心を押し出した。
「……すーちゃん」
呼び止められて振り返ったすみれの目に映ったのは、今までに見たことのない真剣な楽翔の表情だった。
「東京で、いろんな人に会ったよ。綺麗な人も、可愛い子も、いっぱい見てきた。でもさ、俺、何も思わなかった」
声が震えていないのが不思議なくらい、まっすぐな言葉。
「やっと分かった。俺には、ずっとすーちゃんしかいなかったんだ」
すみれの呼吸が一瞬で止まる。
ざわめく人の声も、アナウンスも、全部遠ざかって――耳に届くのは彼の言葉だけ。
「……俺にとって、すーちゃんは一番大事な人。だから……ずっと、一緒にいてほしい」
胸が痛いほど高鳴って、声が出ない。
やっとの思いで、すみれは絞り出した。
「私……わたしが東京まで来たの、何のためだと思って……」
「えっ……」
「最後にしようと思ったの。がっくんと離れるために、ケジメをつけようって……でも、言えなかった……!」
こらえきれず、涙がすみれの頬を伝う。
「すーちゃん、なんでそんな――」
「だって……もう、私とは違う道を歩いてる人だから。昔とは違うんだって……」
「違う!」
強く遮る声。
楽翔は一歩踏み出し、すみれの手を力強くつかんだ。
「俺、すみれじゃなきゃいやだ。他の誰でもない、すーちゃんがいい」
鼻を啜りながら、すみれが震える声で問う。
「ほんとに……いいの? これからも、がっくんと一緒にいたいって思っても」
「俺がそうしてほしいって言ってるんだから、いいに決まってるよ」
そう言って、彼は迷わず抱きしめた。
今度は衝動なんかじゃない、互いの心を確かめるように。
大勢の人が行き交う空港の真ん中で、二人はぎゅっと抱き合った。
「ねえ、笑ってお別れするつもりだったのに、涙でぐちゃぐちゃ……」
「すーちゃん、泣いてても最強にかわいい!」
「も〜!」
涙と笑顔が入り混じったまま、ようやく二人は離れた。
「……行かなきゃ」
「行ってほしくない〜!」
「わがまま言わないでよ、私明日学校なの」
「……いっぱいメッセージ送るね!電話もする!たまにはビデオ通話もしよ!」
楽翔はすみれの手をぎゅっと優しく握って、笑った。
「離れてても、忘れないで。俺はすーちゃんのことが世界で一番大好きだってこと!」
その笑顔は今まで見た彼の笑顔の中でもとびきりキラキラしていて、やわらかい。
すみれは幼馴染とは違うその"特別"を握りしめて、「またね」と手を振るのだった。
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