【Gakuto Haruka】 In Every Note, You
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すみれは、机の上に置いたタブレットの画面をじっと見つめていた。
配信画面には、開演前のライブ会場の様子が映し出されている。客席を埋め尽くすサイリウムの光が波のように揺れて、まだ始まってもいないのに胸が高鳴った。
今日は、JAXX/JAXXの所属するsMiLeaプロダクションの合同ライブ。
新人ながら見事一位を勝ち取ったPROTOSTARが総合演出を手掛けることで話題になり、開催前からSNSでも大きな注目を集めていた。
すみれは自分の手にも、JAXX/JAXXカラーのサイリウムを握っていた。
「配信で見てるね」
サイリウムと配信画面が一緒に映るように写真を撮り、楽翔に送る。数秒もたたずに既読がついて、「行ってくる!ちゃんと見てろよ〜!」というスタンプとともにメッセージが返ってきた。画面越しでも、彼らしい明るさが伝わってきて思わず笑みがこぼれる。
やがて、会場の照明が落ちた。
観客の歓声とともに幕が開くと、そこにはまぶしいほどの世界が広がっていた。
すみれはもともとアイドルに特別な思い入れがあるわけではない。
それでも、音楽と光に包まれるこの瞬間には自然と心が躍る。
そしてJAXX/JAXXのステージ――。仲間と肩を並べ、全身で歌を放つ楽翔の姿は、圧巻としか言いようがなかった。
(……がっくん、すごい)
眩しいライトに照らされながら、楽しそうに、幸せそうに歌う彼。
すみれは、胸がいっぱいになっていくのを止められなかった。
(この人は“ステージ”で生きる人なんだ)
ずっと前から気づいていた。けれど、気づかないふりをしてきた。
隣にいる“がっくん”だけを見ていれば、まだ一緒にいられる気がして。
でも今、こうしてステージで輝く彼を目の当たりにしてしまえば、もう認めざるを得ない。
楽翔は自分とは違う世界で生きていく人だ、と。
誇らしいはずなのに、嬉しいはずなのに、すみれの頬を伝うのは涙だった。
声をあげて泣きながらも、目を離すことはできなかった。
――ライブが終わった後、SNSには続々と写真がアップされていった。
メンバー同士で肩を組んでいるものや、笑顔でピースしているもの。
その中に、ケータリングを紙皿いっぱいに盛って口いっぱいに頬張っている楽翔の画像があった。
(……会いたいな)
胸の奥から自然にその言葉が浮かんだ。
前みたいに一緒にご飯を食べて、変な顔して笑って、時々ふざけて頭を小突いたり。
当たり前のように過ごしてきた時間が、もう遠いもののように思える。
――これからはきっと、もっと難しくなる。
ファンが増え、活動の幅が広がれば、彼の日常はさらに遠ざかってしまうだろう。
だからこそ、ここで区切りをつけなければ。
(最後にしよう。それで――)
涙の乾いた頬に、決意が滲んでいく。
すみれはスマホを握りしめたまま、静かに息を吸った。
東京へ行こう。
彼に会うために。
配信画面には、開演前のライブ会場の様子が映し出されている。客席を埋め尽くすサイリウムの光が波のように揺れて、まだ始まってもいないのに胸が高鳴った。
今日は、JAXX/JAXXの所属するsMiLeaプロダクションの合同ライブ。
新人ながら見事一位を勝ち取ったPROTOSTARが総合演出を手掛けることで話題になり、開催前からSNSでも大きな注目を集めていた。
すみれは自分の手にも、JAXX/JAXXカラーのサイリウムを握っていた。
「配信で見てるね」
サイリウムと配信画面が一緒に映るように写真を撮り、楽翔に送る。数秒もたたずに既読がついて、「行ってくる!ちゃんと見てろよ〜!」というスタンプとともにメッセージが返ってきた。画面越しでも、彼らしい明るさが伝わってきて思わず笑みがこぼれる。
やがて、会場の照明が落ちた。
観客の歓声とともに幕が開くと、そこにはまぶしいほどの世界が広がっていた。
すみれはもともとアイドルに特別な思い入れがあるわけではない。
それでも、音楽と光に包まれるこの瞬間には自然と心が躍る。
そしてJAXX/JAXXのステージ――。仲間と肩を並べ、全身で歌を放つ楽翔の姿は、圧巻としか言いようがなかった。
(……がっくん、すごい)
眩しいライトに照らされながら、楽しそうに、幸せそうに歌う彼。
すみれは、胸がいっぱいになっていくのを止められなかった。
(この人は“ステージ”で生きる人なんだ)
ずっと前から気づいていた。けれど、気づかないふりをしてきた。
隣にいる“がっくん”だけを見ていれば、まだ一緒にいられる気がして。
でも今、こうしてステージで輝く彼を目の当たりにしてしまえば、もう認めざるを得ない。
楽翔は自分とは違う世界で生きていく人だ、と。
誇らしいはずなのに、嬉しいはずなのに、すみれの頬を伝うのは涙だった。
声をあげて泣きながらも、目を離すことはできなかった。
――ライブが終わった後、SNSには続々と写真がアップされていった。
メンバー同士で肩を組んでいるものや、笑顔でピースしているもの。
その中に、ケータリングを紙皿いっぱいに盛って口いっぱいに頬張っている楽翔の画像があった。
(……会いたいな)
胸の奥から自然にその言葉が浮かんだ。
前みたいに一緒にご飯を食べて、変な顔して笑って、時々ふざけて頭を小突いたり。
当たり前のように過ごしてきた時間が、もう遠いもののように思える。
――これからはきっと、もっと難しくなる。
ファンが増え、活動の幅が広がれば、彼の日常はさらに遠ざかってしまうだろう。
だからこそ、ここで区切りをつけなければ。
(最後にしよう。それで――)
涙の乾いた頬に、決意が滲んでいく。
すみれはスマホを握りしめたまま、静かに息を吸った。
東京へ行こう。
彼に会うために。