【Gakuto Haruka】 In Every Note, You
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JAXX/JAXXは、すっかり学校でも話題の中心だ。
休み時間になれば誰かがその名前を口にし、カバンには新しいグッズが揺れている子もいる。
「ねえ、すみれちゃんって、JAXX/JAXXの楽翔くんと幼馴染みなんだって?
中学、南だったよね?」
「うん。幼馴染みっていうか……腐れ縁っていうか」
「え〜、すごい!LINEとか知ってるの?」
「知ってるけど……」
「ねえ、教えてくれない?同郷のよしみってことでさ〜」
――最近、この手の話が増えたな。
すみれは笑ってごまかしつつ、いつもの答えを繰り返す。
「本人の許可がないと教えられないから、ごめんね」
それはもう、ほとんど口癖になっていた。
今ではクラスや学年の枠を越えて、全然知らない人からも声をかけられる。
――がっくんは、がっくん。
そう言い聞かせているけれど、みんなの口にする“春賀楽翔”は、自分の知っているがっくんとは別人のように感じられてしまう。
テレビやSNSに映る彼と、幼馴染みとしての彼が、どんどん分かれていく。
どちらが“本当”のがっくんなのか、すみれには分からなくなりそうだった。
そんなある日、いつものように楽翔から電話がかかってきた。
けれど、その声はいつもの弾む調子ではなく、どこか元気がない。
「元気ない?どうしたの?」
『今俺、ニューヨークに来ててさ』
耳慣れない地名にすみれは一瞬言葉を失う。
そのまま楽翔の話を聞くと、上京してからお世話になっている人の紹介でライブに出演し、現地のプロデューサーに見初められてレコーディングにも参加することになったのだという。
『俺らしくない、って言われたんだ。ライブで歌ってた時みたいにやってくれって。でも、俺、分かんなくなっちゃって』
「がっくん……」
『すーちゃん、俺ってどんな人?どんな歌が、俺の歌なの?』
胸がぎゅっと締めつけられた。
すみれは答えを探したけれど、言葉が出てこない。
――がっくんは裏表なんてない。器用に使い分けたりしない。
――でも、私の中で“がっくん”と“春賀楽翔”が、どんどん離れていく。
どちらが彼なのか、自分でも分からない。
「……がっくんは、がっくんだよ」
やっと口から出たのは、自分に言い聞かせるように繰り返してきた言葉だった。
それが楽翔の求めていた答えではないと、分かっていながら。
その後もJAXX/JAXXは、そして楽翔は、目覚ましい勢いで躍進していく。
すみれはそのことを誇らしく思いながら、心の奥に芽生える言いようのないもやもやを、どうすることもできなかった。
休み時間になれば誰かがその名前を口にし、カバンには新しいグッズが揺れている子もいる。
「ねえ、すみれちゃんって、JAXX/JAXXの楽翔くんと幼馴染みなんだって?
中学、南だったよね?」
「うん。幼馴染みっていうか……腐れ縁っていうか」
「え〜、すごい!LINEとか知ってるの?」
「知ってるけど……」
「ねえ、教えてくれない?同郷のよしみってことでさ〜」
――最近、この手の話が増えたな。
すみれは笑ってごまかしつつ、いつもの答えを繰り返す。
「本人の許可がないと教えられないから、ごめんね」
それはもう、ほとんど口癖になっていた。
今ではクラスや学年の枠を越えて、全然知らない人からも声をかけられる。
――がっくんは、がっくん。
そう言い聞かせているけれど、みんなの口にする“春賀楽翔”は、自分の知っているがっくんとは別人のように感じられてしまう。
テレビやSNSに映る彼と、幼馴染みとしての彼が、どんどん分かれていく。
どちらが“本当”のがっくんなのか、すみれには分からなくなりそうだった。
そんなある日、いつものように楽翔から電話がかかってきた。
けれど、その声はいつもの弾む調子ではなく、どこか元気がない。
「元気ない?どうしたの?」
『今俺、ニューヨークに来ててさ』
耳慣れない地名にすみれは一瞬言葉を失う。
そのまま楽翔の話を聞くと、上京してからお世話になっている人の紹介でライブに出演し、現地のプロデューサーに見初められてレコーディングにも参加することになったのだという。
『俺らしくない、って言われたんだ。ライブで歌ってた時みたいにやってくれって。でも、俺、分かんなくなっちゃって』
「がっくん……」
『すーちゃん、俺ってどんな人?どんな歌が、俺の歌なの?』
胸がぎゅっと締めつけられた。
すみれは答えを探したけれど、言葉が出てこない。
――がっくんは裏表なんてない。器用に使い分けたりしない。
――でも、私の中で“がっくん”と“春賀楽翔”が、どんどん離れていく。
どちらが彼なのか、自分でも分からない。
「……がっくんは、がっくんだよ」
やっと口から出たのは、自分に言い聞かせるように繰り返してきた言葉だった。
それが楽翔の求めていた答えではないと、分かっていながら。
その後もJAXX/JAXXは、そして楽翔は、目覚ましい勢いで躍進していく。
すみれはそのことを誇らしく思いながら、心の奥に芽生える言いようのないもやもやを、どうすることもできなかった。